劇場公開日 2019年2月8日

「映画を受け止めるのは難しい」21世紀の女の子 andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5映画を受け止めるのは難しい

2018年11月1日
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鑑賞方法:映画館

東京国際映画祭にて。日本映画スプラッシュ特別上映。
女性映画監督14名による短編オムニバス。強いものを観せられた感。
非常に悲しいと思ったのは、私はもはや「少女のままでは死ねぬ」、つまりこの映画が叫ぶ「21世紀の女の子」ではないのかもしれないという事実であった。
尺が短い中で14名の女性監督はそれぞれよく練り上げたな、と思う。しかし、これしか感想出てこない自分って...とも思う。
感じるものは多いのだが、感じたものがよく分からないというか、意図が解らないような、そんな感じである。おばちゃんなのか。各監督の解説を聞くとなるほどとも思うのであるが(というかそれを聞いていてやっと各作品の輪郭が見えた)、それでいいのであろうか...。これが大変微妙というか難しいのか、尺の制約かテーマの制約なのか、若干、どことなく、なんとなく、似ている、ように見える。モノローグの多用か、小道具の使い方か...そういう意味で最初の山中瑶子監督と(実写の)〆の山戸結希監督はぶっ飛んでいる。しかし山戸監督はまとめないといけないというのを感じた。だからあそこのメッセージを私は素直に読めない。
今すごく困っている。観察眼が足りぬ、その通りだろう。感受性が足りぬ、仰る通りである。映画は厳しい。厳しい。
多分、こういう映画はただ感情で「受ける」ことができればよかったのに、と思う。でも最早それは不可能なのだ、という寂しさが残る。「観る」行為に答えはないが故に、そこに囚われるのが観客というものなのだ。
ちなみにですが、公開版は上映順全然違うそうです。全然違う映画になりそうだな。最初変えるだけで色味が違うと思う。

andhyphen