「タイムパラドックス」九月の恋と出会うまで odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
タイムパラドックス
タイムパラドックスを修正しようともがくカップルの葛藤のSFロマンスもの。
タイム・トラベルではなく時を遡るのは声のみ、それも僕を助ける為に尾行して欲しいという不可解なメーッセージ、声の主は隣人のシラノと名乗るが声の印象では当該人物とは似ていないとほのめかすので、まるでシラノは誰?のミステリーに誘い込まれる。
当然、最後には謎は明かされるのだが胡散臭い伏線めいた情報を垂れ流すので自問自答しながら見入ってしまった、ややもすると中だるみ、退屈になるところを上手に引っ張っています。
(ネタバレ)
事件が起こらなければメッセージを送る必要も無くなるのでメッセージは届かず事件は起きてしまうというパラドックスなのだが多少難解。
設定では時空は超えられず同じ部屋で声が時を越えるだけとしているので誰が一年後にその部屋に居るかが鍵、思い出のレストランだとか声の主は平野でなく元カレを匂わすし、元カレが大家さんの孫で戻ってくる流れから志織が転居後に元カレが入居、それだと事件に巻き込まれるのは元カレで声は天国からということになってしまいますね、もっともそれなら僕を助けて欲しいというメッセージも辻褄は合うのですが・・。別の解決方法としてターミネーター流に強盗犯を前もって捕まえるか処分しておけば事件は回避できるかもとかいろんなことを妄想してしまいました。
結局ハッピーエンドにしたかったのでしょう。よくもこんな込み入った恋愛小説を書く気になったと改めて松尾由美先生の頭の中に興味深々と言ったところです。