劇場公開日 2019年3月1日

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「予定調和でも感涙。切なすぎる不思議な人間ドラマ。」九月の恋と出会うまで 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0予定調和でも感涙。切なすぎる不思議な人間ドラマ。

2019年3月21日
PCから投稿

泣ける

悲しい

単純

【賛否両論チェック】
賛:ヒロインを救うために奔走する主人公の姿に、切ない主題歌やコピーが絶妙に重なり、なんとも感動的な人間ドラマを描き出しているのがステキすぎる。
否:どうしても予定調和感は否めない展開。感情移入出来るかどうかで、評価は大きく分かれそう。

 ヒロイン・志織に突然届いた、1年後からの不思議な声。その声がきっかけで救われたはずの志織が、時間の流れの寄り戻しによって消えてしまうかも知れないという、なんとも不思議な物語が印象的です。
 このお話に感情移入出来るかどうかで大きなカギを握るのが、高橋一生さん演じる平野ではないでしょうか。一見すると、ぶっきらぼうでとっつきにくいけれど、それでも人一倍優しい心を持っている。そんな彼の人柄と、志織のために奔走する姿が、何とも言えない切なさを誘います。
「運命の人が僕じゃなくても、僕はあなたを守りたい。」
っていうコピーが、もう反則ですね(笑)。
 そしてそんな切なすぎる世界観を彩るのは、andropが歌う主題歌「Koi」。
「物語が僕を拒んだって 誰かが運命を定めたって」
なんていう歌詞に、平野のイメージが重なって、もうそれだけで泣けてしまいます。
 ストーリーとしてはそこまで奇をてらってはいなくて、予定調和感は否めませんが、切なくてちょっぴり甘酸っぱい物語を、是非ご覧になってみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド