「恋に命を賭けた女」九月の恋と出会うまで Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
恋に命を賭けた女
川口春奈すきだからね。絶対観るの。だから、ストーリーは駄目でもいいんだけど、まあまあ良くて良かったな。
時間を超えて声が届くっていうタイムパラドックスが噛んでくる話なのね。パラドックス解消のためには、同じことを誰かが再現すればいいっていうのは、納得感あったな。
『親殺しのパラドックス』だと殺しちゃうから再現しようがないんだけど、これはある事象を避けるだけだから、再現できるんだよね。
ただ「どうせ高橋一生がシラノなんでしょ」と思って観てるから、物語の後半は中弛みなんだよね。
これもし、川口春奈の元カレがディーン・フジオカだったら「え、シラノはどっち? 高橋一生? ディーン・フジオカ?」ってなるんだけど、知らない役者さんだからね。「あ、これは高橋一生一択だわ」ってなっちゃう。
でもラストに向けての「平野(高橋一生)を信じて、何もしない」っていう川口春奈の決断が凄い。もうそれだけで、この作品が成立してんの。
「この恋が成就しないなら死んでもいい」ってことだよね。穿った見方をすると「あの男は私に惚れてるはずよ。間違いない」ってなっちゃうけど、そうじゃない。
ただ、そこに至る過程は良く解んないんだよね。尾行してるときにだんだん気持ちが傾いていったってことなんだろうけど、そこまで魅力ないもん。出会って数ヶ月の展開だから「この人に命を預ける」ってとこまでいくかっていうと、疑問なんだよね。
これ、イケてない男が頑張る話で、相手役は川口春奈じゃなくて、もう少しイケてない女優さんの方がしっくりくるんだよね。ただ、それじゃあ、興行としてしんどいのでしょうがないんだけど。
高橋一生はすごく良い役者だと思うけど、見た目は二枚目じゃないと思うの。だから綺麗な女優さんが高橋一生に惚れるっていう設定に納得感をもたせるのが大変なんだよね。だから高橋一生は主演に向かないと思ったな。ファンの皆さんごめんなさい。
他にも疑問はあってさ、平野はなんで自分を尾行させたのかも解んないの。そして『街一番のレストランで』って言っちゃうのかも解らない。それで混乱すんだしさ。
ラストの『一目惚れでした』もいらないよなあ。だったら、お前、もっとガンガンいけって話だろ。それにタイムパラドックス考えていくと『最初の平野』は存在する必要はないんだよね。最初からなんだか解らないけど、この状況があればいいの。
と、色々とあるんだけど「平野が救ってくれないなら死んでもいい」っていう主人公の決断がすごくて、それでもってしまう良い作品だったよ。