「ロスジェネ大同窓会」劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
ロスジェネ大同窓会
30年前、バカでヒマなクソガキだった私にとって、夕方に毎日放映されていたシティーハンターの再放送は絶好の暇つぶしでした。
シティーハンターにはハマったことはないですが、アホみたいに毎日観ていたため愛着が湧き、その結果30年の時を超えて本作を鑑賞するに至りました。
シティーハンターの魅力は、個性豊かなキャラクターと、絶妙なキャラ同士の関係性だと思っています。『この心地よい雰囲気が変わらずに永遠に続いてほしい』と思わせるような関係性は、うれしいことに実際にほとんど変わりません。ちなみに、残念ながら話の内容もほぼ同じで変わらない。変わらないのがシティーハンター。水戸黄門とかと同じですね。
なので、時を経て蘇った本作も、いつもの、30年前に夕方5時半から再放送されていたシティーハンターでした。なので内容の薄さと雑さも変わりません。映画なのに。
ただ、キャッツアイの来生三姉妹がゲスト出演したり、新宿をしっかり描こうとする姿勢(特にゴールデン街)は映画っぽい豪華さを感じました。
また、シティーハンターと言えばGet Wildをはじめとする数々の魅力的な主題歌。本作ではシティーハンター1&2の主題歌を余すことなく挿入歌として使用していました。
初っ端から中川翔子もカバーした屈指の名曲『Angel Night』をブチかますというイカした演出!オープニングからガン上がりです。
おぉセイラ〜も岡村ちゃんもそれぞれの個性にフィットしたシーンで使われてました。
しかし、何より1の初期OP『愛よ消えないで』は、ここでくるか!という最高のタイミングで流れました。ここはめちゃめちゃキましたね!
本作の欠点は、セクシー女刑事・冴子の絵柄がなんかエグかったことです。声優陣の変わらなさも本作の魅力なのですが、冴子は声もババァ感強くてダメでした。なーんか品がないんですよ。
あと、ゲストキャラだけと、キャッツアイの泪姉さんの絵柄もエグくてダメだね!あの、上品な超絶フェロモン&包容力という完璧美女・泪姉さんの凄みがぜんぜん伝わらない。
香とかヒロインのアイとか、若く活発なキャラは魅力あるんですよ。でもさー、北条司の女性キャラって、大人っぽいセクシーさが売りじゃないですか。しかも単にエロいとかではなく、どの女性キャラにもしっとりとした気品が感じられるのです。
本作はそこが表現できてなかった。これは大問題ですよ、大問題!冴子が出てきて「キター!」ってならないシティーハンターはシティーハンターではないのです。
その代わりと言っちゃなんですが、贔屓キャラのファルコンが活躍していたのは嬉しかった。バズーカだけではなく肉弾戦もあり、さらにパートナー・美樹さんとのキュンとするシーンまで用意されており、思わず萌えましたね。なので、冴子問題は相殺ってことにします。
3連休の中日のレイトだからか、8割くらい埋まってました。驚くべきことに、ほぼ全員同世代でしたね。若者も老人も絶無でした。さながら、ロスジェネ大同窓会!
夫婦もいれば、旧友同士の男グループもいる。老けた人もいれば若作りの人もいる。なんとなくみんな疲れている雰囲気でしたが、鑑賞後はみんな笑顔でしたよ。
なかなか良い同窓会でした。