「笑って、泣いて、超ハッピー!」今日も嫌がらせ弁当 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
笑って、泣いて、超ハッピー!
最初から最後までテンポがよくて見入ってしまい、あっという間の2時間でした。若者は双葉に、大人は母かおりに感情移入して、どの年代でも楽しめる作品に仕上がっています。特に子育て経験のある大人なら、その苦労と充実感がよみがえり、自身の思春期とも重なり、心に響く作品だと思います。
まずは前半で、この家族が置かれた状況や母娘の関係を丁寧に描いています。早くに夫を亡くし、さぞや大変だったと思うのですが、そんなことを微塵も感じさせない明るい母親の姿が印象的でした。双葉とのやりとりも楽しく、たっぷり笑わせてもらいました。でも、一番のツボはゾンビ弁当で、思わず吹き出してしまいました。
後半は、娘を思う母の愛情がこれでもかというほど伝わってきて、胸が熱くなりました。そんな母の思いは最初からわかっているのについつい反発してしまっていた双葉が、少しずつ素直に受け取れるような大人になっていく姿に、心が温かくなりました。
そんな二人を篠原涼子さんと芳根京子さんが、まるで本当の親子のように遠慮のない本気のぶつかり合いで演じています。このキャスティングがピタリとハマっていたおかげで、自分を投影させて作品世界に浸ることができ、ラストはわかっていても涙があふれてきました。気持ちよく笑って泣いて、幸せな気持ちになりました。たまには実家の両親を旅行にでも連れていこうと思います。
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