「現存する世界宗教の限界を感じた」教誨師 Harikaさんの映画レビュー(感想・評価)
現存する世界宗教の限界を感じた
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死刑囚の改心の一助となることもなく、
ただ話を聞くことしかできない主人公。
キリスト教の牧師さんという設定なのだが、
キリストの言葉も聖書の引用も、賛美歌も
何一つ死刑囚たちの心に響いていない。
「魂のぶつかり合い」などのキーワードが広告に踊るが
まったくそうとは思えない。
単なる自己顕示欲と自我我欲。死にたくないと言う執着。
キリスト教に改宗した人には、ふさわしい言葉を伝えられたのか。
「キリスト教でよかった」と思わせる、魂に刻まれる言葉を。
そういうシーンはひとつも出てこない。
人間の悲哀を伝えるという意味だけに置いて存在価値があるかもしれない。
でもただそれだけ。
キリスト教も、仏教も、イスラム教も、
既存の宗教の形骸化が悲しく実証された映画。
全ての宗教を包括するような、新しい教えこそが必要と
強く強く感じさせてくれたことだけがよかった。
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