「山手線と京浜東北線」パラレルワールド・ラブストーリー KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
山手線と京浜東北線
品川〜田端の間、山手線と京浜東北線の並走する区間には不思議なロマンがある。
1分1秒を争うギリギリの朝の時間、秋葉原のホームで山手線と京浜東北線どちらに乗るのが良いのか短い時間で悩みに悩み、えいやっと京浜東北線に乗ったら途中で山手線に追い越されて愕然としたり。
線路の上、二本の車両の窓越しに素敵な人と見つめ合えるなんて、なんてロマンチックなの。
そこから奇跡みたいな恋が始まるかと思ったらそうではなかったけど。
この映画で一番好きなのが、オープニングの山手線と京浜東北線が枝別れるシーン。
細かく切り貼りされ交差する世界を整理して紐解きながら観るのが面白かった。
しかしテンポが悪いのかテンションが低いのか描き方が鈍いのか、なかなか乗り切れず盛り上がれずただストーリーが進んでいってしまったのが残念なところ。
題材からしてSFやファンタジーの要素が強いのかと思いきや、脳科学が肝になっている。
崇史に施された作用の真相はすぐわかるけど、それに伴う周辺の反応の実が知りたくて謎解きを今か今かと待ち構えていた。
示されるものにある程度納得したけど、その先の麻由子と崇史の選択が酷い。
また同じことの繰り返しになると思うし、ブツ切りで唐突に繋げてしまうので結局本当に実行したのかどうかふんわりしているのも何だかな。
キャラの魅力も少ないのでなかなか思い入れができない。
智彦のあの感じは良いとして、崇史と麻由子の毒にも薬にもならない人物像がもう少しクセありだったら面白いのに。
友情も恋愛も描き方が浅く、安易に感じた。
一つ一つのエピソードはロマンがあって良いんだけど。
急にストーカーにキャラ変してしまう崇史は好き。どうしたどうした。
研究内容に興味を惹かれたので飽きずに観られる。
それが本当に完璧に実現できたとしたら、世界がガラッと変わってドキドキする共に少しの恐怖を感じてしまうな。
映画としては無味無臭の作品だったが。
原作読了済み、の筈なんだけど、小説ではどんな感じだったっけと思い出そうとしても何も出てこないし、映画を観ていても既視感が全く無いので、もしかしたら読んでないのに読んだと記憶を改竄してしまっているのかもしれない。きっとそうだ。そうに違いない。よし本屋に行こう。
実際全然パラレルじゃないんですよね笑
もう少しSF感出してくれるのかなーと思いきや、映画ならではの工夫された表現もなく結構残念でした。
無理矢理納得してもなんだかモヤモヤしてしまう作品ですよねー。
二線が並走して抜きつ抜かれつしてることになんだか不思議な魅力を感じていたのでそう表現してみました!
原作は…たぶん読んでないんだと思います笑
東野圭吾は結構読んでるんですけど何ぶん作品数が多くてこんがらがっちゃうんですよねー。
完全に記憶改竄されてました!
うぅぅぅ、なぁーんとなくパラレルの真の意味が解ったよーな・・・σ(^_^;
ワタクチの頭では、KinAさんのよーに、スパッと紐解けるわけがなく・・・、「あれがこうで、あの時あーして、これがこーで・・・、うむうむナルホドぉ~」って、ぶつぶつ呟きながら、勝手に辻褄合わせて納得したよーな感じですヨ(>_<)
結局、“現在と過去”のお話だったのかなぁ?パラレルワールド=仮想異世界という固定観念が邪魔して?否、ワタクチの鈍さで物語終盤(教授とマユコの会話)によーやく理解できたみたい・・・(^_^;)
今回のレビュー書き出しもイイですねー☆山手線と京浜東北線の併走&枝別れの情景が目に浮かぶようですし、「ロマン」っていう感性が素晴らしいっ!
ククク、最後に、“原作読了の記憶改竄か?”でレビューを締めてるところに、KinAさんの類い希なる文才を感じずにはいられませんワ!
この映画作品にベストマッチですね(^_-)-☆