「絵里佳様…絵里佳様…」アイネクライネナハトムジーク かぴ腹さんの映画レビュー(感想・評価)
絵里佳様…絵里佳様…
人類史上最高の美貌、森絵里佳様を大画面で拝むために見にいった。
役柄とはいえ、絵里佳様が結婚してくれたのに態度のでかい矢本悠馬が許せず、彼が殴られればいいのにと頭の中で拳を握った。
絵里佳様はやはり美しい。一児の母とは思えない。この世の造形美の頂点だ。
今まで「ラブラブエイリアン」や「全員、片想い」でサバサバ系美人の役ばかりだったが、今回は「お母さん」。自然にできていたと思います。
細淵夏菜ちゃんはほんとうに森絵里佳みたいなかわいらしい子。成長した恒松祐里はちょっと違う系統の美人になっちゃったけど。
多部未華子さん、ご結婚、おめでとうございます。
10年もつきあってあのぐだぐだなプロポーズじゃ即答できないのも当たり前ですよね〜。三浦春馬君、姿勢悪いし。
話ができすぎのようではあるが、地方都市に行けば、「実は知り合い」ということはさほど珍しくない。そういう意味で仙台のロケーションなのか。
男性作家ってマラソンとか自分の趣味を時々作品に持ってくることがある。伊坂幸太郎は読んだことないけれど、ボクシング好きそうですね。ただ、そういう趣味に走った話って入り込めない人にとってはちょっと引いてしまうことが…。そこに登場人物がみんな絡むのだから違和感が。
もう一つ取り上げられているのは父娘関係。ただ、原田泰造の娘が幼いときにボクサーのファンになって別居中の娘と試合を見にいくのはちょっと不自然。男の子ならまだわかるけど。同様に恒松祐里。最も父親を嫌悪するお年頃に友達と一緒とはいえ父親と東京に一緒に行くというのはありえない。原作にあるとすれば伊坂幸太郎の願望でしかないし、それが成立すると思っているのなら父性嫌悪に対する造詣が浅い。息子がいるならどんな理由があるにせよ息子と行く。そうでないなら息子は登場させずに姉妹にすればよかったのに。
ここまでいろいろ絡ませたわりには萩原利久の登場は唐突。10年経過する前になんにも伏線がない。年齢差あるけれど、藤原季節を恒松祐里の相手にすればコンパクトになったのでは。ちょっとできすぎだけれど、八木優希と絡ませるくらいならそのほうが。
あと謎だったのはなぜ八木優希が仙台にいるのかということ。八木優希の母親は実家が東京。おそらく原田泰造と離婚後東京にいるはず。そして原田泰造も東京にいるよう。なぜ高校生ひとり仙台に。なにか見落としただろうか。
落とし物を拾うエピソードは感慨深い。実は学生時代に私の親友が私の妻の友達に熱を上げ、出会いを画策するために彼女の前で親友がハンカチを落とすというわざとらしい小芝居を本気で計画したことがあった。
原田泰造のもと奥さんの話はしみじみするところだが、その親友の馬鹿馬鹿しい計画を思い出して吹き出しそうになった。
と、まあ、小説原作らしくしかけの込み入った話ですが、私にとっては絵里佳様の美貌がすべての映画でした。