劇場公開日 2019年4月5日

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「まだこの作品に出会ってない全員に届きますように」ラ l2o7さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0まだこの作品に出会ってない全員に届きますように

2019年4月23日
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情報解禁がされてから1番楽しみにしていた作品で、ラに関するインタビュー記事だったり作品へのコメントだったりを読む度に期待度が上がっていましたが、想像以上の作品でした。この映画を観たきっかけは好きな俳優さんが出るからでしたが、この作品に出会うことができて本当に良かったです。
1回目に観た時は、主演の桜田通くん演じる慎平の人生の一部を切り取っただけなのだ、という感じがすごくしました。普通に生きていたら滅多に経験することのないようなことが次々と起こった、慎平にとってとても大切で濃い数ヶ月を観た気がします。滅多に起こることでなくても決して遠くはなく、むしろ常に近いところにある話で近いような遠いような不思議な感覚でした。様々なことが一気に詰まった濃い内容でしたが、決してありふれた展開の内容ではなくて綺麗事は一切なく、とても人間味溢れるストーリーでした。
ストーリーはもちろんですが、音楽も楽しむことのできる映画だと思います。主題歌である「鼓動」や劇中歌である「キボウノリズム」は、慎平演じる桜田通くんが作詞したもので、実際に歌っているのも桜田通くんでした。歌声も歌詞も本当に良く、本当に素敵な曲でした。歌詞を意識して聴くと、作詞したのは桜田通くんではあるけれど間違いなくそれは慎平で、その役として生き、歌詞を書くことのできる役者さんってすごいと改めて思いました。劇中だけでは本当に勿体ないくらい素敵な曲なので、どんな形でもいつかその2曲をフルで聴けるようになるといいなと思います。
2回目は慎平に注目して観るつもりでしたが、気づいたら福田麻由子さん演じるゆかりのことばかり見ていることに気づきました。ゆかりは観ている人を惹きつける様々な意味ですごくパワーのある人で、福田麻由子さんの熱演であり怪演でもあったお芝居に本当に惹きつけられました。3回目は慎平に注目して観ました。今までも全体を観ていたつもりだったのですが、意外と初めて見る慎平の表情や動作があったりしてすごく新鮮な気持ちで観ることができました。1人1人に注目して見てみると意外と見えてなかったところがたくさん出てくるので楽しいです。
これまで8回ほど観る機会がありましたが、観る度に新しい発見があったり、好きなシーンが増えたりと毎回楽しんで観ています。何回観ても楽しむことができ、1回観たらもう1回観たい!と思うような映画だと思います。来場者プレゼントのポストカードに付いているQRコードから観ることのできる、映画ラの1年前を描いているスピンオフ「ソ」と「ソ#」を観ると、改めてまた本編を観たくなると思います。台本無しのアドリブとは思えないお芝居で、スピンオフでは勿体ないくらいのとても見応えのある映像でした。なかなかアドリブのお芝居を観ることはできないので、とても貴重で嬉しい特典でした。奇数日と偶数日とで配られるポストカードと観れる動画の種類が違うので、奇数日と偶数日に観に行くのがおすすめです。
本当に役者さんってすごいなと思わされるシーンが多く、桜田通くん演じる慎平、福田麻由子さん演じるゆかり、笠松将くん演じる黒やんの熱演が刺さります。見どころです。ラの公開がこの時期で良かったなと思います。私自身、4月から新しい環境でスタートしてちょうど疲れてきていたり悩みが出てきたりしていたところだったので、ラを観て少し救われたし勇気みたいなものを貰ったような気がします。わたしも頑張ろうと思うことができました。この時期にこの映画と出会うことができて良かったです。舞台挨拶やアフタートークなどでキャストさんや監督さんのお話を聞くと、本当にすごい熱量で作られた作品なのだと感じました。映画ラ、熱量がすごいです。私もこの作品に興味を持ってくれたお友達を連れて何回か観に行きましたが、本当にたくさんの人に届くべき作品だと思います。この映画がどんどん広がっていき、たくさんの人の元へと届くことを願っています。
監督さん、キャストさん、スタッフさん、心に届く素敵な作品をありがとうございました。

l2o7