劇場公開日 2019年5月24日

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「忖度映画」空母いぶき Hideaki Yamaneさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0忖度映画

2019年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作は未読ですが、原作ファンからの原作とはかなり違うとの酷評が多く見受けられます。
かわぐちかいじの漫画は『沈黙の艦隊』だけ読んでますが面白く、この作品も似た部分は沢山ありました。専守防衛という枷をはめられて、実際に攻撃を受けたら日本人はどのように対応するか?、政治家はどのような判断を下すのか?、自衛隊はどのような戦い方をするのか?などのシミュレーション作品という部分は共通していました。
しかし、この映画の最後に“忖度”って言葉が出て来たけど、この映画って外国人に、日本国民に、政治家に、自衛隊に、原作ファンにと様々な立場の人、全方位に気を使い過ぎて、まるで八方美人であり“忖度映画”と呼びたくなる様な作品になっていました。
で、その結果が絵空事になり過ぎてしまい、戦争映画にも関わらず現実味に欠けた綺麗ごとだらけで終わってしまっていますね。
私は映画って(特にこの種のジャンルは)絶対にプロパガンダや、媚びるような忖度映画になってはいけない、その真逆の存在でなければならないとずっと思い続けている人間なので、この作品に対してはどうしても辛口にならざるを得ないです。平和ボケという言葉は嫌いですが、これも絶対的な現実ではあるので、この手の作品ではもっと厳しい現実を見せないと意味がないと思ってます。こんな忖度映画しか作れないのは、今よく言われる「コンプライアンスの弊害」からなんでしょうかね。

シューテツ