「アクションというより社会派。他人事で片づけられぬ、日本の現実。」空母いぶき 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
アクションというより社会派。他人事で片づけられぬ、日本の現実。
【賛否両論チェック】
賛:難しい舵取りの任務の中で奮闘する主人公達の姿を通して、平和の在り方について改めて考えさせられる。決して他人事で終わらせられない、一般市民のミクロな描写があるのも印象的。
否:ラストはかなり呆気なく、拍子抜けしてしまいそう。アクションシーンも割と静かなので、好き嫌いは分かれるか。
何となく古谷一行さん主演の「宣戦布告」を思い出しました。平和を享受出来るのが当たり前だと思っている日本起きた、他国からの侵略という未曾有の事態。その中で最前線の自衛隊員達に課せられた、「戦争の口実を作らせないための、相手への被害を最小限に食い止めながらの戦い」という非常に過酷な任務に、日本の置かれている現状を改めて考えさせられるようです。
そして、そんな難しい任務を通して、始めは考え方の違いから対立してばかりだった秋津と新波が、次第にその志を同じくしていく様子も、こうした映画ならではでカッコよかったです。
また、最前線の様子だけではなく、いつもと同じクリスマスを迎えるはずだったコンビニエンスストアの人々が、戦闘の公表をきっかけに混乱に陥っていく姿をミクロな視点で描くことで、有事が決して他人事では終わらないことを思い知らされます。
ただラストは
「・・・えっ?」
っていうくらい呆気ない感があります(笑)。アクション好きな方よりは、むしろ社会派の作品が好きな方にオススメかも知れません。
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