「映画に込められた思いはわかる」空母いぶき たいちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
映画に込められた思いはわかる
公開前に別のことで話題になったけれど、騒動より先に予告編を見て見に行きたかった。
娯楽としての映画という観点で見ると、物足りない描写や展開があると思う。
けれど、映画ってなにか見る側に伝えたいものが込められているものであり、その点から見ると深いものを感じる。
原作は全く知らないけれど、私は、平和であることは当たり前ではなく、一般人の見えないところで命をかけてそれが維持されるように守ってくれている自衛官の人々のために、国は彼らの命を守るためにも、各国との交渉に日々努力し良い関係を維持するのが本筋だということを伝えたいのかなと感じた。
軍事費が大幅に伸びる現実を見ても、この話架空のこととは言えないし、今の政府は外交努力をするよりも、武力行使をすすめそうな危ういものに感じる。
武力行使にしても、指示を出す政治家は自分の命を危険な目に合わせることは少ない。任務のために命を張って守ろうと動いてくれる自衛隊の人たちの大切な命を一人たりとて欠けさせないために、この映画の中の首相は悩み迷った。
振り返って現実を見ると、実際国を守ることは自衛隊の仕事だからと、無責任に威勢よく他国との武力衝突を煽ろうとする人たちの存在も見え隠れする。
戦闘地域に赴くわけではないから戦争すら他人事になりがちな私も、この現実を作り出している一人の人として、どういう道を歩むのかいろいろ考えさせられる映画であった。
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