「『空母いぶき』、感動した。 専守防衛ってこういうことか、、とヤキモ...」空母いぶき JPさんの映画レビュー(感想・評価)
『空母いぶき』、感動した。 専守防衛ってこういうことか、、とヤキモ...
『空母いぶき』、感動した。
専守防衛ってこういうことか、、とヤキモキしながら。
「防衛出動」にあってなお「専守防衛」思考で、やられたからやり返すをしない、ということはこういう気持ちになるのか、と感じた。(専守防衛と防衛出動はwikiとかで調べてみて)
やり返せ的政治家発言に対する首相の台詞が、ひとつの肝かと思う。これはぜひご覧になってみて下さい。
1999年、北朝鮮の不審船(九州南西海域工作船)事件で、日本側が攻撃してきている船のスクリューを見事狙い撃ちして逃走を止めたことがあった。それを彷彿とさせるようなシーン、、、。専守防衛の戦略に基づく、日本人の見事な戦術実行能力、何よりも「覚悟」に感じ入った。
相手の命をも尊重し、自らの訓練の証である技術を生かした「専守防衛」、しかし、それで失う味方の命もある、、、。実に悔しい気持ちが炸裂した、、、。
話題になった”揶揄”も品良く嫌みはない。中井貴一氏の役どころと合わせて、映画らしい味付けとして楽しめた。(名前のある人が的確な書き込みをするとは限らないことが良くわかった。)
また、2名の取材者の存在も良かった。この2名を通したツールやインフラ等、時代を反映する展開、表現が、単なる戦争映画的、短絡的理解を阻む要素となっていた。そして失った命に落ち込む私の心を、世代が協力して、世界に役立とうとするはたらきで、暖かく救ってくれたし慰めてくれた。
政治的視点も非常に参考になった。尊い仕事だと思った。際立たせる悪役的役割を置いたところも、人間の性を表していた。勝ち過ぎてはいけない。相手との調和点を探る外交は、自分には(政治家は)できないと思った。(政治家の皆さん、がんばって下さい。)
そして、平和を取り戻すのだが
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”命は戻ってこない”
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『もっと自衛隊が、日頃の訓練を生かして、味方の命を守ることが出来得る 社会背景 にしていかなければ!』と感じた。
選挙に行ける情報の共有、憲法についての学びを深めること。ネットやマスコミのフィルターを通った安直で恣意的な情報に一喜一憂するのではない学び。
情報リテラシーを高めること&信じ合える仲間たちとの輪、人脈を得ることで、その情報の真偽、偏向度を検討できる仲間とつながってゆくことが重要と考えた。これなら「釣られ」にくい。
=ちょっと逸れます=======
旧陸軍中野学校では、「情報は3種類しかない」と教えたそうだ。
1.甲情報:自分自身が見聞きしたもの
2.乙情報:自分が信頼できる人が見聞きしたもの
🌟 記名記事も減りましたね、、、。
3.丙情報:それ以外の情報
ほとんどの情報がこれに当たるでしょう。
ネットや新聞、テレビ等、丙情報に右往左往させられていないか?もちろん丙情報でも、時系列に並べ替えて診たり、数を集めて全体をみたりすれば、有益な推測にもなり得るが、感情を揺さぶられて、いわゆる「釣られ」た多重発信をしてしまっていないか等、考えて行きたい。
=戻ります=======
何もしていないのに、勝手に攻めてきた国がある。そいういうスタートだが、正義のヒーローや怪獣映画、白黒発想に慣れてしまった昭和世代の私には、単にやっつけろ!というマインドではない現代社会の現実を感じる、非常に考えさせられる内容だった。
鍵を締めなければ泥棒に入られない時代ではない。グローバル経済の中、ITでつながった世界での経済差はまずまず広がっている。やってみろ!と威張る必要もないが、なめられないだけの備え、装備だけでなく、礎となる憲法とそれに沿って働ける人々の選択が、戦後74年続けた平和を、100年の平和に向ける第一歩かも知れない。
追伸:自衛官が繰り返す発言も、的を射ていて潔かったです。それ以上言いようがない、と私には感じられました。
また、この映画の中で、「忖度」についてもサラッと台詞があって、私には、制作者側の誠実な意図、間違った忖度の使われ方に対するアンチテーゼが感じられました。
更に、私見かつ気づいた範囲ですが「防衛出動」として二つのシーンを映画「空母いぶき」にみつけました。いつまでも砲撃をやめない占領者、15機の自衛隊戦闘機に対して、60機全てを出撃させようとする相手に対し、エキサイトして防ぎ切れなくなる前に、
(これ以上打てない様に) 砲台を狙い撃ちする
(追加で飛べない様に) 甲板を狙い撃ちして破壊する
これなら、単にやられる前にやれ!的な感情だけでなく、相手の被害(特に命)を最小限に抑える。の可能性が高まる。しかし、それは神業に近い。自衛隊以外で出来る国があるのだろうか。
船を沈めたら数百人の命が。砲台や甲板のピンポイント破壊が出来れば数名か。という現実。
1999年の不審船事件では、これが現実にあったと考えられないだろうか。あの時は相手の自爆、自死で決着してしまった様だが、スクリューだけを狙い撃ちした技量には感服する。