「戦争と平和の意義って…。」空母いぶき ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争と平和の意義って…。
これを戦争と考えるか、守備と捉えるか。
日本がもし、敵に攻められたとしたら、憲法9条を行使して、どこまで戦闘していくのか?
これをフィクションと考えるのか、数年後の未来に起こり得る現実と捉えるか?
様々な問題提議が出てきそうな映画ですが、なかなか答えの出ない難しい問題ばかりです。
戦争という解釈を、あらゆる角度から考えることが出来ました。
この映画の主人公は空母いぶきの艦長である秋津。
彼は、国を守るためなら戦闘となっても仕方がないと考える人です。
対する副長の新波は、どんなことがあっても戦闘は避けたいと考える人。
両極端の2人がタッグを組んで、この難題に挑むからこそ、バランスのとれた作戦が実行できるのだと思いました。
敵の無鉄砲な攻撃に、たくさんの空母が打撃を受ける中、秋津艦長が冷静に的確な指示を空母へ発信する姿が凄くかっこいい!
秋津艦長の指示がここまで、上手くなかったら、この問題は燦々たる結果となり、戦争という最悪の事態になっていたかもしれません…。
艦長のことを艦内の仲間が、信頼しているかがよく分かる作品でした。
その中でも、空の戦いでの戦いには、胸が熱くなる瞬間がたくさんありました。
仲間を1人も失うことなく、無事に帰還することを最優先にするよう伝える、秋津艦長の言葉に感動!
そして、その言葉に答えるように、命を大切に戦う仲間の姿に、さらに感動!
秋津艦長がいるから、仲間の団結力が高まる、仲間の信頼が築かれているから、日本の軍艦はここまで高性能な実力を保つことができたのだと、改めて思いました。
戦闘の緊張する時間の連続ばかりでしたが、仲間を思う隊員たちの気持ちが胸にグッと伝わってくるから、最後まで鑑賞できました。
2時間15分があっという間に感じてしまうほどの、超大作。
これは、今年の日本アカデミー賞の候補になりそうな予感です(笑)