「良い映画を観た」家(うち)へ帰ろう 翼さんの映画レビュー(感想・評価)
良い映画を観た
題材がホロコーストの割には重くなく、テンポも良い。時々挟まれる回想シーンは、はじめはよくわからないのだが、なぜか引き込まれ、徐々に理解していくというプロットもとても素敵。忌わしい過去のシーンは最小限にして、セリフと観る側の想像力で充分伝わってくる。
頑固ゆえに家族にはけむたがられるというのもなんとなく頷ける。けれど、行く先々で良い出逢いがあり、目的地にたどり着けるのも人徳か。
旅先での出逢いに助けられ、頑なだった彼の心が少しずつ氷解して行く様も見どころ。特に、ドイツの駅で列車から降りる時は直接プラットフォームに降り立たずにベンチに座った彼だったが、ワルシャワ行きに乗る時には、普通にプラットフォームに立って歩いていた。
また、ドイツでの駅のプラットフォームが改装中だった。これは、ドイツが戦争時代の昔のままでは無く、変化しているんだということを象徴的に表現しているように感じた。
鑑賞後、良い映画を味わえた気分に浸れ、翌日まであれこれ考えていた。
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