「良い映画観ました」家(うち)へ帰ろう ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
良い映画観ました
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戦後アルゼンチンに渡ったナチスの犠牲者のポーランドのユダヤ人が、自分の仕立てたスーツを70年の時を経て、当時の友達に渡しに行く、コミカルなロード・ムービー。
まず機内で隣の若者に話しかけまくってウザがられ、その彼を入国審査で手助けして後で助けられ、冷たい宿屋の主人、その人のお節介で音信不通でマドリードに移住した三女に会い、陸路でパリへ。パリで乗り換えの際にドイツ経由と初めて気づき、ドイツの地は踏みたくないとスペイン語で無理を言う。フランス人の冷たい視線の中、ユダヤ史を研究する女性に助けられる。しかし電車内でナチスがフラッシュバックして倒れてしまい、気付くと病院でスペイン語を話す看護師に看護されている。その人も親切で、ワルシャワから出身の街へ車で送ってくれる。近くまで来たものの、いざとなると躊躇してしまう主人公を励まして、当時の家の扉を叩く…。
ポーランドという言葉すら口にしたくないアルゼンチン在住の頑固おやじが、意図してか意図せずか、周りの他人を巻き込み助けられるのは、戦争中に助けてもらった親友への強い思いがあったからこそ。戦争の被害者というのは、当時をここまで嫌悪するものなのだな。最後は涙。
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