劇場公開日 2018年6月16日

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「【エロティックすぎる母親が、娘から奪おうとしたもの二つ。この母の行為を、17歳の娘を自立させるためと観るか、自分の欲望を果たすだけと観るかで、評価は変わる作品。】」母という名の女 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【エロティックすぎる母親が、娘から奪おうとしたもの二つ。この母の行為を、17歳の娘を自立させるためと観るか、自分の欲望を果たすだけと観るかで、評価は変わる作品。】

2021年9月28日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

ー メキシコのリゾートエリア、バジャルタの海辺に建つ瀟洒な家。そこには、二人姉妹、クララと17歳のバレリアが暮らしている。
 バレリアは同年の少年マテオとの間に子供を身籠っている。そして、カレンを出産。
 だが、若い二人には、子育ては危なっかしくって・・・。
 そこに、長年音信不通だった、美しき母アブリル(エマ・スアレス)が、クララからの連絡により、突然現れ、家族を混乱に陥れていく・・。
 ー

<Caution !内容に触れています>

■アブリルが行った事。
 ・マテオを誘惑し、カレンと共に、メキシコシティの新居へ逃避行。
 ー アブリルは、娘から一気に大切な二つを奪う。男から見ると、ノコノコついて行くマテオは、親の資格なしだなあ・・。ー

 ・カレンを誰にも相談せずに”養子縁組に出してしまう。
 ー が、それはアブリルがカレンを手にれるための、画策。

 ・バジャルタの海辺に建つ瀟洒な家を勝手に売りに出してしまう。

 ・カレンを”我が子の様に溺愛”するも、全てが露見した際に、レストランに勝手において来てしまう。

<アブリルの行動理由が、巧く表現されていない分、観る側はイロイロと推測できる。
 ・クララに母として、独り立ちしろ!という意味での行動。けれど、それにしては、自分勝手すぎる。
 ・ラストのクララが男から見ても情けないマテオを空港に残し、独りタクシーで去る姿には、納得である。

 ミシェル・フランコ監督は、これまでにもモラルが破綻したフツーの人々を、冷徹な目で描いて来た。この作品では、”母性”とは何かを観る側に問いかけてきたのであろうか?
 様々な解釈が出来る作品である。>

NOBU