「なぜ母は不可解な行動をするのか」母という名の女 とえさんの映画レビュー(感想・評価)
なぜ母は不可解な行動をするのか
女の恐ろしさにグイグイと引き込まれてしまう面白さだった
昨年のカンヌ国際映画祭ある視点部門で審査員賞を受賞
17歳の少女バレリアは、妊娠中でもうすぐ出産という時期を迎え、姉のクララと同居している
クララは、バレリアとは仲の悪い母アブリルを家に呼び寄せる
アブリルが予想外に優しくしてくれたため、バレリアはアブリルを受け入れ、無事に生まれた娘カレンの世話をアブリルに任せる
初めは、それでうまくいっていた彼女たちの関係だが、やがて母が思わぬ行動に出る…
その母の恐るべき行動をサスペンスタッチで描き、その不可解な行動に思わず見入ってしまった
そこで考える
なぜ、母はそんな理解しがたい行動をしたのかと
その根元には、前夫との関係があるのではと思った
前夫とは、バレリアの父であり、バレリアには、憎っくき前夫の血が流れている
その憎しみのはけ口がバレリアに向いたとしたら、アブリルの行動が理解できる
けれど、そのままでは終わらないところにこの映画の良さがある
そこにあるのは希望だ
アブリルと父の関係を観て育ったバレリアは、アブリルとは違う母と娘の関係を築こうとしている
そんな彼女を思わず応援したくなってしまう映画だった
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