ペンギン・ハイウェイのレビュー・感想・評価
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影絵たちが演じる「セカイ系」
アオヤマ君と謎のお姉さんの関係が世界に投影され、危機が訪れる。そして問題の解決が世界の救済につながる。実存のレベルの謎が世界の謎と直結していて、実存の問題の解決が世界の救済につながる。いわゆる「セカイ系」の物語だ。
社会学者の宮台真司は、セカイ系の本体は軽くなった「現実」だと指摘していた。そう、「現実」が軽く希薄なのだ。細田守監督『未来のミライ』でも気になったことだが、キャラクターに固有名がなく、「おとうさん」「おかあさん」「お姉さん」などと呼ばれる。ただの記号だ。軽くなった「現実」では、固有名のないキャラがご都合主義的にセカイ系のお遊戯を演じる。何の痛みも感じられない。
だが、作品の質とは関係なく、蒼井優の声はよかった。マイケル・アリアス監督『鉄コン筋クリート』のシロ役同様、目を瞠る素晴らしさだ。
思ったのと違ったけどよかった!
•お姉さんがペンギン出した時ビックリ!
•お姉さんの声がちょっと見た目と合ってないような気がした、、悪くはなかった
•ペンギンと一緒に海に行くシーンはめっちゃ好き!
ペンギンハイウェイ研究
映画「ペンギン・ハイウェイ」には大きな謎がある。この物語のテーマは何か?ということだ。
全ての映画にテーマを求めている訳ではない。単純な娯楽作だって存在して良い。
だが「ペンギン・ハイウェイ」にはあるはずだ。この作品の根幹を成すテーマが。なのにその姿はハッキリとは見えない。「何となく、こんな感じなのかなぁ」と思うだけだ。
このモヤモヤは何だろう?面白いと感じる要素はあったはずだ。謎解き・冒険・成長と、物語に引き込まれる仕掛けはあった。でもどれも大きな感動を引き出すパワーに欠けていた。何故か?要素と要素をつなぐテーマが見えてこないからだ。
この作品のテーマを探るべく、私は原作を紐解くことにした。本を読んでも面白くないなら、素材が悪い。本が面白いなら、脚色が悪い。乱暴だが、概ね間違ってないと思う。
結論としては、本は面白かったしテーマもちゃんと描かれていた。
で、気づいたのだが細かい演出を失敗しているのだ。例としてトラックに乗せたペンギンが消えてしまうシーンを挙げる。
映画では衝撃を感じてトラックを停めた運転手の戸惑うカットが入る。その後、教室で噂話として輸送中のペンギンがいなくなった現象を知る。先にストーリーを知っているならともかく、件の運転手がペンギンを乗せていた事が瞬時に理解できる工夫がない。
運転手を一目で特徴が掴める髪型(モヒカンとかリーゼントとか)にするとか、派手な塗装のトラックにするとかやりようがあったはずだ。
それだけで「あれってペンギンだったんだ」という後出しの印象が無くなり、「ペンギン消失という不思議現象の目撃者」になる体験を味わえる。
ストーリーをなぞってはいるが、あくまでも「知っている人向け」でしかなく、後から説明されるだけの謎解きは退屈でしかない。
収まりきらない部分は大幅に削っているものの、冗長感を解消させるには至らず「切った割にはテンポが悪い」展開なのもいただけない。しかも切った部分がテーマに直結しているから「アオヤマ君の成長」も中途半端なものになっている。
特に「死ぬということ」についてのウチダ君の研究は、アオヤマ君が「大切な存在」であるお姉さんの喪失をどう捉えるのか、その理不尽とどう折り合いを着けるのかを決定づける大事な要素である。
それがあって初めて「僕がどんなにもう一度会いたいと思っていたかを」の台詞に深みが出るのだ。
2回目観たら話が解ってる分面白く観られるかもしれないが、1回目より2回目が面白いのは当たり前の話だ。
素材の持つ哲学的な部分が活かされていないのはたいへん残念なことだと思う。
エウレカ!
『お姉さんはそんな実験をしてはいけません。オッパイが小さくなるから』
最近見た『ミミズ』が出てくるアニメに似ている。『ミミズ』が『海』って事かなぉ。
少年の好奇心と勇気が世の中を助ける。
『千と千尋の神隠し』をリスペクトしているのは間違いない。
少年の淡い初恋に留めて欲しかった。少年には未来がある。だから、寧ろ、移り気な気持ちを表して欲しかった。
僕はこのアニメを見て、『しろばんば』を思い出した。
『しろばんば』の『サキ子』に憧れた『耕作』は、そこで終わらなかった。『夏草冬濤』『北の海』と思春期の耕作は青春へと続く。
追記
ある映画で『ふくよかな胸を持つ女性を少し足らない』と言うセリフがあった。
今、ウィーンにいるが、この国の大半の女性は『少し足らない』って事か?
2024年8/25
多感な時代の夢見る時間
誰もが共感する少年時代ではないかな? ベルヌの世界に憧れ、童話全集を読みあさりアリスに憧れた時代。同級生の胸のふくらみに興味津々。そんな小学生時代と見事に重なる。
現実世界とは別の自分の夢の世界を持った。この作品では、それがペンギンや謎めいた女性かなあ?
ノスタルジックでしあわせな気分。良い作品に巡り会えた。
子に尋ねられても困るでしょう
主人公は青山君、小学4年生の設定、どうやら研究者らしい父親の影響なのか論理的思考に嵌っている。自由研究に行き詰まった子に父が説くエウレカの方法というのが言い得て妙なので感服。
エウレカというのはギリシャ語でアルキメデスがかの入浴時に叫んだと言う、発見!という言葉。
エウレカの方法
・発見したことや考えたことを一枚の紙に全部メモしなさい。
・頭の中でメモが飛び交うくらい、それを見なさい。
・それでも分からないときは、考えることを辞めなさい、よく遊んでよく食べてよく眠ること。
そうすると、バラバラだったもの突然つながる瞬間がある。
同級生の女の子浜本さんも学業優秀、なんと小学生なのにアインシュタインの本を抱えています、こちらも父親が京大の教授で研究者肌、そんな学者の子供たちという妙に頭でっかちな子供の妄想SFといったところか。
コーラ缶がペンギンに変るなんて何が何やら翻弄されっぱなし、終わりになってみれば物語はファンタジーというよりSFの世界観、マルチバース、森の奥に突然出現した謎の水球は地球に空いたワームホールのようなほころび、呑み込まれれば世界の終り。
ペンギンを作っていた歯科医院の巨乳のお姉さんは地球を救う為に異世界から来たらしい。彼女の作り出すペンギンたちが穴を修正してくれるというから驚きだ。
ただ観終わってみるとおっぱいフェチの早熟な少年の夏の初恋物語の様でもある。
アニメだから子供向けなのだろうが理解できる子がどれほどいるのか、子に尋ねられた親もしどろもどろといった光景が目に浮かぶ・・。
真夏の昼の夢
映画館では2018年9月3日地元のイオンシネマで鑑賞
それ以来2度目の鑑賞
原作未読
好きな絵だ
ほぼ2時間だがテンポが良いせいか長くは感じない
声のキャスト陣も良い
夏休みの自由研究
アニメは特に好きでもないし嫌いでもない
蒼井優が大好きだから観た
顔出し専門の役者だが声当てもどちらかといえば上手い方
オッパイより蒼井優の声が好きだ
主人公の男の子青山くんを「きみ」とか「少年」とか呼ぶがゾクゾクしちゃう
お姉さんが幽霊なのか天使なのかなんなのか結局のところわからないがペンギンを出す不思議なチカラがある
ペンギンサーカス団の団長
ペンギンエネルギーとはなんぞや
ペンギンがたくさん出てくる
でもペンギンは本物ではない
もちろん畜ペンことつば九郎やバットマンに登場するペンギンとは全く関係ない
町を出ると元の物に戻ってしまう
ペンギンはそこそこ可愛い
青山少年は頭がいいせいか理屈っぽいがそれは父親譲り
軽トラが遺棄されている都会の森を抜けると広がる大草原
チェスが得意な浜本女史が海と呼ぶ不思議な球体はマグリットの絵画を彷彿させる
海はどんどん膨張する
ジャバウォックとかという四つ足の哺乳類からから鯨に進化する過程のような気持ち悪い生命体
大量のペンギンとともに2人は「海」のなかに突入
そこは幻想的な世界
アートな世界
ペンギンによってなにもかも消えてしまう
オッパイに過敏に反応している人が多いようだがおじさんちょっと苦笑い
多感な時期の少年の目線からの大人の女性なら良かろう
大人の男性の目線からの女児の胸元なら嫌悪感を抱くのも無理はないが
浜本女史と青山少年のお姉さんのオッパイに関する言い争いは面白い
エンドロールはペンギンのイラスト付きで歌うは宇多田ヒカル
少々シュールだがわりと好き
共感とかメッセージ性とか探るのはやめてシンプルに映画を楽しもう
これはおすすめ
もやもやする
予告を見て缶がペンギンになる?!なんだろう!?
と思い見てみたが、後半までずっと疑問は続いていく。
お姉さんの正体が実は人間ではないとしても、お姉さんの過去の記憶はなんなのだろう?
過去人間だとしたらいつから?
知りたいところが未解決のままなのであまりスッキリしなく。
ただ元の世界に帰るためにペンギンを出していた??
なぜペンギンなのか。
多分気にしちゃいけない部分だと思うけど気になるところが多くてモヤモヤしたまま終わってしまった、、、
入っていけなかった
・主人公の恵まれた環境のせいか観てられなかった。お姉さんと何故仲良くなったのか、どうしてお姉さんは仲良くチェスをしているのか、お姉さんはいつからペンギンを出せるようになっていつあの町に現れたのかと雰囲気が先行し続けているように感じて観ていてきつかった。
・海と呼ばれている町の謎の原因の究明をもっと早くしてくれたらよかった気がした。登場人物が皆いい人で相手の感情とかを全然さっしないで自分中心に物事を進めていく主人公の方が嫌な奴に観えてきて、あの町もお姉さんが消えても消えなくてもどっちでもいい気分になって観てらなかった。
・妹が急に死を意識したのが謎だった。
・父親がすかしてるし母親は異常に明るいし、あの町の住人みんな異空間にいるような気がしてしまった。気象の研究をしている教授が少年に嘘をついたシーンが人間らしいと唯一感じた。
・川がぐるぐるしてるのと後半のアデリ―ペンギンの大行列と海の中の異空間の絵が良かった。ペンギンである意味がなかったけどどうせならフンボルトペンギンと皇帝ペンギンと巨大なのとか滅茶苦茶なのが見たかった。
・少年の関心の一番はおっぱいだったような気がしたのでお姉さんのおっぱいが世界の裏側でそこからペンギンも…とかそういうのが観たくなってしまった。ジュブナイルじゃなくなってしまうけど。
頭が悪いから?
内容をどう捉えるか迷いました。
自分なりの感想はありますが
なんとも言い表せない
というかわからない
って気持ちが強いかな。
ただ、それは面白くなかった
というこどではなく
見終わってこういう
感情になるのも
なんか心地よかった。
ここでもなんかうまく
言えてないな 笑
抜粋!このシーン!
というか、おねぇさんが
ずっと素敵だった。
夏休みにて、裏返る世界の果て
村上春樹の小説「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」をご存知でしょうか
映画を見終わって一番に思い浮かんだのが森見版世界の終わりとハードボイルドワンダーランド
小説のあらすじは、主人公の無意識下に記憶を元に創られたループする閉ざされた物語“世界の終わり”を訪れる記憶のないもう一人の自分
たとえ現実の肉体が滅んでも意識はその世界の中で永遠に生きられるし、失ってしまったあらゆる人や物にもう一度出会える理想郷
小説のカギを握る、主人公の頭に“世界の終わり”を創った博士はいいます、永遠に至るには命を拡大するのではなく有限の命を無限に細分化して達成されると
しかしそんな都合のいい理想郷が存在するわけもなく主人公の影はこの世界を脱出するよう本体に呼びかける、帳尻を合わすために誰かが犠牲になっている永遠に意味はないと
アオヤマ君の完璧な理想たるお姉さん、ペンギンたち、そしてジャバウォックの関係も永遠とその落とし穴を想起させる
ペンギン・ハイウェイの世界の果ても遥か宇宙の外にあるのではなく町外れの森の中でぽっかりと穴を開けて浮かんでいる、裏返って世界を飲み込もうと窺うかのように胎動しながら
しかしながらそこは森見登美彦のキャラクター、小生意気でどこか抜けている自信家のアオヤマ君やペンギンを生み出す自らも消える宿命にあるお姉さんに悲壮感は皆無、夏の町並みの輝く背景の美しさも小学生の夏休みのワクワクをアオヤマ君を通して体験しているようで気持ちがいい
特にクライマックスに向けてお姉さんと一緒に“海”に飛び込んでからの疾走感で最後の別れにも希望がある
一つ不満をあげるならお姉さんの声に声優を使ってほしかった
お姉さんは何者か?答えは無い 文系SF映画
おそらくこれは物語の形をした詩編に近い作品なのだと思いました。
白と黒のペンギンにチェス
光と闇で変わるお姉さんパワー
生と死を思わせる夢や幻想
男と女であり子供と大人でもある少年とお姉さん
終わりと始まりが繋がる川と宇宙
こういった対極でありながら対で出来ている物をかき集め、
本当は誰も何も分かってないのに分かったつもりになってる人に、
『1回 常識(科学的な考え)を捨てて世の中を見てみたらどうですか?』というメッセージが詰まってるように思う。
この作品自体が科学の対極の考えに乗っ取った作品だと示唆しているようです。
物語の中でも 早々に
『相対性理論? 難しくて分からないや』
と科学的角度の視点にNGを出してますし
終盤でウミの暴走が沈静化した時に
科学者の大人が少年に対して
「私(科学者)には何が起きているか分からないけど、子供の君には何が起きているか分かっているんだね」と呟きます。
そう、私達は実際は何も分かっていない。
ビッグバンが~ シミュレーション論が~
宇宙の前には揺らぎが~ 等と、
科学的な根拠に基づいた説はいくらでもあるし、大人になるほど『そういうものか』と根拠のある仮説に馴染んで納得していくが、
結局、自分が馴染んでいるだけで実の所は何も変わらず【私達は何も知らないし分かってない】。
そういう我々大人に
何も知らない分からない事を素直に直視していた子供の時のような世界の広がりや美しさや怖さ、不思議に満ちていた感覚を思い起こさせるための作品なんだと思う。
なので、
お姉さんが死者、タイムトラベラー、神の類い、そういった講釈はどうでもよく
単純に不思議をそのまま受け入れられるかどうかを試させようとしている。
一つジョークが効いていたのは
劇中に登場した『終わりと始まりが繋がっているカワ』が、暴走したウミが消滅したのと同時に枯れてしまっているのです。
ウミが消えたからカワも消えた
ほとんどダジャレですが気が効いてるなと感心してしまいました(笑)
ただ、これはミュージックビデオではなく映画なので、やはり理路整然とした筋書きやエンターテイメントを求めてしまう自分がいます。
下らないアニメ映画とは比べるまでもない位に良い内容だし、この映画自体の狙いも分かるが若干の退屈さは否めない。
特に子供にとっては退屈だろう(笑)
大人のデトックスアニメ。
性的な話では?
難しいテーマですが、清々しく観れます。
様々な考察が出てますが、自分が最初に思い浮かんだのは性的な意味合いでした。
ペンギンが精子で、海が卵子で。
もっとマイルドに言うと、少年にとって未知なもの(女性)が精神の歪みとなり、ちょっとした関わりで有頂天のなる(ペンギンが現れる)。徐々に摂理を知ってゆき、手に届かないことが分かると、歪みを解消するには…。
いわゆる「セカイ系」でしょうか、少年の価値観と宇宙の真理をぐちゃぐちゃにしつつ、それでいて何か大事なことが掴めそうな、分からないような…。
もっと高い点数でも良かったんですが、「打ち上げ花火~」がカメラワークやカットがどストライクだったのに対し、こちらは誰もが観やすい感じだったので、0.5点下としました
よくもこんな退屈に作れたもんだ
「フミコの告白」で有名になった石田監督だが、アクション描写はさして上手くない。大きな動きにも小さな動きにもそれほどこだわりがみえない。
上映当時一部で物議をかもした「おっぱい」にしてもそこまでのこだわりがなさそう。あんなにフミコの告白はパンチラだらけだったのに。
そして小学生男児が女の体に興味を持つこと自体は自然なことだ。イチャモンつけてきた人たちは自分が子どもへの教育をサボっていますと宣言したにすぎない。
そんなことより、女性の体の描写にこだわるなら、タンクトップを着て仰向けになったら、胸は平らになろうとするはず。上向きのままという方がおかしいだろう。重力がどう働くか知らないのだろうか?
石田祐康や新海誠は、運動がうまく書けずそのうえドラマもステレオタイプ。カット割りやレイアウトが退屈で絵ももたない。
森見登美彦原作だと湯浅監督が2度ともアニメ化に大成功している。あちらをみたほうがいいだろう。
石田監督とヨーロッパ企画の上田氏ともSF的な素養がなかったのか、「ペンギン」「球体」が異世界的なものと繋がるという抽象的な概念のまま、その先にいくことがなかったのは残念。
「幼年期の終わり」のような遭遇SFのような雰囲気だけがあり、その実何も起きないというとても退屈な映画に仕上がっている。ジュブナイルだからそれでいいだろうと舐めた仕上がりになっている。こんな使い古された手垢のついたやり口で、誰が感動するのか。
あと、年上の憧れのお姉さんを演じる蒼井優の低音やさぐれボイスがひどくミスマッチ。チンピラみたい。蒼井優さんはとてもいい女優さんですが、これはどう考えても配役ミス。
世界の秘密と少年のひと夏!
レンタルDVDで鑑賞。
原作は未読です。
本作は単なるジュブナイルのままでは終わらず、濃密なSF要素が加味されている物語に引きつけられました。
アオヤマくんの成長をもたらすものとしても作用していて、めちゃくちゃ上手い構成だなぁ、と唸らされました。
小学4年生なのに妙にマセていてクールに振舞おうとするアオヤマくんのキャラが秀逸。思考が非常に論理的で、好奇心の赴くままに未知の現象を解明するために仮説を立て、実証と実験を繰り返しながら奮闘する姿にどうしようもなく惹かれてしまいました。友達と一緒に観測ベースをつくり、観察と計測に明け暮れる日々…。楽しそうだなぁ…。何かに一生懸命に取り組むことの面白さを思い出させてくれました。
街中に出現したペンギンたち。森の奥の草原にぽっかり浮かぶ「海」。アオヤマくんが憧れるおっぱいの大きなお姉さん。魅力的な謎を探る内に直面した大いなる世界の秘密。…
探求の先に待っていた別れにも彼は真摯に向き合い、科学的姿勢を崩しませんでした。受け入れがたいことでも、それが事実ならば目を逸らさずに向き合う。なんと尊いことか…
この姿勢、見習わないといけないなぁ…
※修正(2022/08/18)
愛しのアオヤマ君
アオヤマ君は小4なんだけど、頭がいいので少々理屈っぽくクールでちょっとスカした感じの男の子。
この主人公のアオヤマ君がとても魅力的で愛すべきキャラクターでした。
いじめっ子達にも屈しないで、友達のウチダ君と日々探究や観察 実験 と忙しいアオヤマ君の日常。お父さんとの素敵な関係とお母さん妹との温かい空間。そして、将来の結婚相手としてアオヤマ君の心を離さない歯科医院のお姉さんには、お母さんとは全く違うsteadyな想いを抱いているアオヤマ君。
そんなアオヤマ君の毎日の中に突然現れたペンギン達……
ペンギンの謎。海の謎。お姉さんの謎。
それらが繋がった時
世界に歪みが 生じ始める。
この作品のファンタジーの中のリアリティが大好きでした。例えばアオヤマ君の歯の描写。
「僕は泣かないのです」と言いながら実は泣いているだろうアオヤマ君や「大人気ないことをしました」っていうセリフのチョイスや、大人ぶってブラックコーヒーを飲みたがるシーンもぜんぶ。。
お姉さんとの切ないお別れといつか会えた時にお姉さんに伝えるアオヤマ君の言葉…
「ぼくがどれだけお姉さんを大好きだったかということ。どれだけもう一度会いたかったかという事‥涙」
きっとアオヤマ君は将来もっと賢くなってお姉さんを探すだろう。
会えたらいいなと思いながら、私こそ愛すべきアオヤマ君にきっとまた会いたくなると思うので、何度もDVDを観ることになるでしょう。
"寄り道"できない面白さ!
個人的な断言だけど、ここ数年のトップアニメ!ジブリのようでジブリではない、非常に見事なオリジナリティ!それにとっても繊細でいて瞬きするのが惜しいぐらいに好奇心が無尽蔵!携帯電話もパンフ含めた本への逃避もまるで出来ない(これがボクの"寄り道"の意味)!それほど見事な作品でした!この『ペンギン・ハイウェイ』は!おそらく今後の毎年の夏に何度もTVで流れるでしょう(あくまで個人的願望)!
魅力をベラベラ語りすぎると、またツッコミが来そうなので(『SCOOP!』の時に一度あってwスゴく大変嬉しかった)、なるべくボクは控えておこうと思うけれど、二つヒント。
西島秀俊さん演じるアオヤマ君のお父さんが(大変素晴らしいお声でした)、提示してみた二つの例え。
1、「世界の果て」とは何かを考え、"世界の果ては折り畳まれていて、内側に潜り込んでいる"という仮説。
2、"小さな袋"の内側を、反対にして表に出す。この世界は袋の中、外側が袋の中に潜り込んでいる仮説。
ヘタしたらネタバレ級のヒントになるかもしれないけれど、この場面はホントとにかく、名場面に間違いないです!スッゴい知的好奇心を擽られて、喜びました!
あとエピローグのアオヤマ君のモノローグは意味深ですねw"けれどもボクはもう(結婚の)相手を決めてしまったので、結婚してあげるわけにはいかないのである"の後に、カメラが"あの子"に向いた意味はどうしたってニヤニヤしちゃうよ(笑)。
これ以上はシャットアウト!是非とも素敵な夏の映画を!
オッパイもペンギンもアオヤマ君もカワイイ
とても面白かったです。清々しい気分で映画館を後にすることができました。
ペンギンハイウェイと言えば『おっぱい』が一人歩きしているイメージで、一時期「女性キャラが性的に消費され不快……」と話題になりましたが、今回観て「おっぱいが全くエロくない」「むしろとってもクリーン」という感想を持ちました。これが「性的!!」と思える人は、むしろ頭の中がエロいことでおっぱい、いやいっぱいのドスケベ人間だと思います。
なので家族で見ても気まずくなく、エログロは皆無と言えるお勧めな作品です。
この作品においての『おっぱい』は全く性的でなく愛おしい存在であるので、つまり『おっぱい』=『ペンギン』なのだと思いました。ご飯を食べないとおっぱいが痩せちゃう、これはつまりペンギンと自然との関係の象徴……今思いつきました。
この作品、主人公のアオヤマ君のキャラクターがとってもかわいくて魅力的です。ただの賢い子供ではなく、『お姉さんのおっぱいにとても興味がある』という要素が彼を魅力的なキャラクターにさせたのだと思います。アオヤマ君とお姉さんの、お姉さん圧倒的優勢なやりとりはクスクス笑えて最高です。
またアオヤマ君の声優さんが最高で、「ここまで魅力的な少年声が出せるなんて、とても研究されたんだろうな……」と感動します。ガチで選ばれた女優さんですね。
逆にいうと、アオヤマ君以外のキャラクターがどこかテンプレ的な淡いキャラクターが多かったのですが、全てアオヤマ君とお姉さんの引き立て役と思えば、限られた時間の中で邪魔にならなくて正解です。なので、アオヤマ君とお姉さんに魅力を感じないとキツいかもしれません。
お話は見ていて細かいツッコミどころはたくさんある作品かもしれませんが、半分夢の中にでもいるような話なので、そんなことはどうでもいいやー、と童心に返った様なピュア気持ちで観れます。
ただ一点、全体的にとっても楽しめたのですが、ラストにもう少しインパクトがあれば、さらに印象に残る素晴らしい作品になったと思いました。泣かせろ、とまでは言いませんが少し弱い終わり方です。
ですが、全体のクオリティは高く、どこかジブリを彷彿とさせる雰囲気もあるのでスタジオポノック作品と比較してしまうのですが、アニメ映画業界はこちらの方にお金をかけた方がいいのでは…と思います。
良いと思ったシーンは、アオヤマ君とハマモトさんとスズキ君が最初に揃うシーンで、一瞬にして彼らの恋の矢印がわかってしまう表現、ここは上手いなと思いました。
また、皆でチェス楽しむような小学生達のいるようなクラスにいる、スズキ君という存在。。なんとマイノリティなジャイアンなんだ……とちょっと悲しくなります。チェスやるクラスに、人の物におしっこかける奴がいるんですよ。
あと、お姉さんの声を最初に聴いた時に「お姉さんなのにやけにおばさん声だな……」と思ったんですが、逆に萌えorセクシーすぎる声でなくてこの作品は良かったと思いました。やはり『おっぱい』を強調する割に性的でないのは、この声が大きな原因なのだとも思えます。エンドロールで蒼井優さんだと判明し、気づかなかったので驚きましたが。
またお父さん役はチョイ役なのでまあいいですが、「下手くそすぎ……糸井重里枠かよ。」と出てくる度に現実に戻され、テンションがただ下がりでした。こちらもエンドロールで西島秀俊さんだと知り驚きました。プロかよ!
短く感想をまとめると、
「とっても面白いしクオリティも高く、爽やかで好みだが、ラストがちょっと弱かったので惜しい…」という感じです。
とても楽しかった
少年の探求心、知的好奇心から始まる不思議な冒険とSFに、初恋が思い出に変わるまでの心の成長が織り重なって繰り広げられる、ペンギンだらけの可愛い世界観。
気難しいアオヤマくんの性格や台詞の言い回しが森見登美彦らしさを残していた。
この辺は苦手な人がいるかもしれない。
私はとても好みで、何も考えずぼーっと見ても、じっくり考察しながら見ても楽しめたので、DVDを購入した。
こんなにハマるなら映画館に行けば良かった。
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