ペンギン・ハイウェイのレビュー・感想・評価
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ファンタジア国際映画祭、最優秀アニメーション賞
ペンギン・ハイウェイ
ファンタジア国際映画祭、最優秀アニメーション賞 受賞おめでとうございます。
石田監督の作品は、2011年の「rain town」からずっと鑑賞しています。2011年の数々の映画祭の受賞を機に監督になったとお聞きしましたが、たったの7年で世界一まで上り詰めたことになります。
今回の作品「ペンギン・ハイウェイ」ですが、素晴らしい作品です。
過去の作品の集大成のような作品と感じました。
たとえば、
喫茶店の絵の配置は「rain town」のおばあさんの部屋
後半の流れるようなスピード展開は「フミコの告白」
ただわからないのことが一つ最後まで残りました。
お姉さんの両親と海で過ごした過去の記憶がなんであったのか?
お姉さん自身が自問していますが、答えが出ないで終わってます。
「海」のなかでの記憶としても、記憶を頼りに列車で故郷の海へ行こうとしているので「海」の中の記憶ではなさそうです。
ということで、もう一回見に行きます。
これからも世界中で楽しめる石田監督のrain townのような世界観の作品を期待しています。
追記:
監督が見ていたらですが、レースのカーテンのアニメーションですが、札幌短編映画祭 受賞の時に見ませんでしたか?
原作の再現力
森見登美彦さんの原作や映像作品は全て見ていますが、このペンギンハイウェイが今までの映像作品で1番原作に忠実に再現していると思います。
お姉さんのオッパイの下りや、クラスメートとの距離感、家族との会話の滑稽なやりとり…などなど森見節が随所に見られ、かつテンポも良く、登場人物の魅力的に描けてる点など、最後まで目が離せないとても良作でした。
と、ここまでは原作が大好きな(と言うか森見作品)小生から言わせれば、原作を再現しただけなので、少し物足りない。
海の造形や、ジャバウォックの造形、ペンギンに至るまでが少し物足りない、文句はないけど、印象的では無い。
誰かデザイナーを立てたり、イメージをもう少し膨らませたり出来たのでは?などレベルの高い要求をしてしまいました。
つまり、湯浅監督にあってこの監督に無いもの、それはファンタジー描く上で最も重要な「独創性」「作家性」この2点は必要だと思いました。
なんか良い映画なんだけど、心に残らない、原作では読者の想像を膨らます作用が、映画ではモロに観客に伝わる瞬間なので、そこが最も必要でなかったかと思いました。
つまり、原作ファンには納得できるし、ある程度のクオリティはあるけど映画自体の一番重要な要素が抜けている事。残念でした。
とは言え、全然ダメな作品では無いと思いました
シュールながら凄く王道
突飛な設定、シュールな映像に一瞬面食らうけど、大筋は凄く王道的なジュブナイルもの。
少年少女が不思議な出来事に遭遇したり、変わった人や生き物との出会いと別れを通して成長する話。
あるいは子供が年上の異性に憧れたり、初恋して、当然成就はしないけど、それで成長する話。
そう解釈すると、凄く良くあるパターン。
世の中には不思議な事も多いし、少年にとって女性は神秘だけど、子供には大きな可能性があるよね、くらいで腑に落ちた。
映像はとてもポップで綺麗だし、声も良かった。
少し長いかなぁとは思う。
主人公の話し方とかキャラクターは現実的でないけど、まぁ作品にはマッチしてるのかな。この原作は読んだこと無いけど、森見登美彦は少しラノベっぽいなぁとは感じる。
期待以上に満足でした。
事前情報なしで観に行きましたがとてもよかったです。
どんな話なのかと序盤を観てましたが、ウチダくんがcv.釘宮理恵でまずおおっと思い、お姉さんと実験やチェスなどを通して親密になっていく様(蒼井優さんの声優も良かったと思います。)、小学校の友だちとのいざこざ含めた関係性、どれもドラマを感じることができました。
また、海に行こっかというお姉さんのセリフはどうせ行けないフラグ立ってんだろうなあと思いつつ観てたらほんとに行けなかったのが少し悲しかったです。
以上含めて全体的にいい作品でしたが、何より個人的には、お姉さん自体自分の存在をよくわかってない、という点が逆に非現実性を覆い隠してくれた気がします。(あまり変に説明されていたらありえなさを感じてしまっていたかも)
おっぱいお姉さん
賢く探究心に溢れる秀才だか、それ故に背伸びして自分を大人っぽく見せようと頑張る小学生4年生の主人公。こういう主人公は決まって下ネタには疎いと相場が決まってる。しかし、このペンギン・ハイウェイなんと最初の5分で見事に裏切ってくれる。なんとこの主人公秀才の頭を使っておっぱいの研究をしているのである。
しかも華麗な分析と共に。この一幕だけで単純男子頭の私はこの話に惹かれてしまった。
しかもヒロインのお姉さんのおっぱいがまた素敵でお姉さんが出てくるたびにおっぱいを一度は見てしまうし、お姉さんが出てくるのを楽しみにしてしまう。
おっぱいについてひたすら語ったが内容も終始わくわくさせてくれるので是非おっぱい好き男子には見ていただきたい。
SF? 冒険もの? 成長もの? 全部です
自分は「評価が高い」「森見登美彦原作」という前情報のみを仕入れて見に行きました。
そのおかげか、原作も読んでいませんし展開が予想できず最初から最後までワクワクさせてくれました。
この映画のいいところは、ジャンルとして的を絞らせていないことでしょう。
子供向けの冒険譚であり、SFものであり、また主人公の成長を描いた物語でもあります。
人によって「良いな」「おもしろいな」と感じるポイントが違い、また様々なジャンルを”上手く”混ぜることでお祭り感覚で楽しめます。
一歩間違えば何を言いたいのかしたいのかわからない作品になりえましたが、この映画はよくバランスをとっていたと思います。
登場人物も不要だと思われるキャラがおらず、みなそれぞれが役割を担っていてイライラしませんでした。
個人的にお父さんが一番ツボでしたが、まぁこんな素晴らしいお父さん現実にはなかなかいないですね(笑)
あと個人的にこの作品は様々なポストジブリたちより、最もジブリに近い作品だなと感じました。
それは子供はもちろん大人も、純粋に楽しめ、考えさせられる作品だからです。
細田監督も新海監督も米林監督も、みな良い作品を出していますが、監督のメッセージや個性が出すぎていて子供には理解しにくかったり、逆に子供向けすぎる作品が多かったような気がします。(あくまで個人的感想です)
しかしこの作品は子供視点では映像が多彩で冒険心がくすぐられ、大人視点としてもストーリーの作り込みに感心させられます。
主人公が子供でありながら、子供らしからぬ知性、品格を有していたことも大人が見て楽しめる要因になったと思います。
これが年齢通りの性格だとちょっと……となった可能性があります。
もちろん、突っ込みどころがあるのも理解できます。
SFものとしてはその原理にほぼ触れないまま、「不思議なものは不思議なもので良いんだよ!」と言わんばかりに投げっぱなしジャーマンです。
大抵のSFものはとんでも理論であっても一応の答えは出すものですが、この作品においてはほぼ主人公の推測の域を出ません。
でも自分はそれでいいと思います。
この作品におけるSF要素とは映画を彩る装飾に過ぎないからです。
メインではありません。
いろいろ無駄に書きましたが、この作品はすごく楽しめました。
方向性は違いますが、個人的にはこの世界の片隅に並みにお気に入りです。
BD出たら買います!
Boy meets Wonder (ボーイ・ミーツ・ワンダー)
※コメント欄に「〈海〉とは何か」「ペンギンとお姉さんの役割」「作中で明らかにされていないこと(人間に理解できない領域)」を追記しました。(2018/08/26)
個人的には細田守監督の『時をかける少女』を初めて観たとき以上の衝撃を受け、大いに感動いたしました。レビューにもついつい熱が入り、かなりの長文になってしまっています。
そこで、なんとか少しでも読みやすいレビューになればと思い、ここに各章の表題とキーワードを一覧にしてまとめました。
➀『ペンギン・ハイウェイ』はよく分からない?
──人間が理解できる領域と、人間に理解できない領域
➁アオヤマ君は“謎”とどう向き合うか
──アオヤマ君は「科学の子」
➂物語終盤、アオヤマ君は何を決断したか
──理解することの悲しみを知る
➃ラストシーンをあらためて見る
──「ぼくは会いに行きます」
元々は「原作小説との比較:『映像化』と『再構成』」という章をレビュー本文に含めるつもりだったのですが、独立して読める内容になっていますし、何より本文があまりに長くなっていますので、そちらはコメント欄の方に載せています。
また、みなさんのレビューを読んでいて、「結局、〈海〉とかペンギンとかお姉さんって何なの?」とか「謎が残ったままでモヤモヤする」といった感想が多いように感じましたので、映画と小説から読み取れることと、作中で明らかにされていないことを、私なりに整理してまとめ、コメント欄に追記しました。全編ネタバレ全開ですので、コメント欄をご覧になる際はご注意ください。
➀『ペンギン・ハイウェイ』はよく分からない?
まずは、「よく分からない」とか「難解」とも評される、本作の“分かりにくさ”について考えてみたいと思います。
この映画の内容をひとことで言い表すなら「小学4年生の男の子が、人智を超えた不思議に出会う話」です。ここで言う“人智を超えた不思議”とは、住宅地に突如として現れたペンギンたちであり、森を抜けた先の平原に浮かぶ謎の球体〈海〉であり、そして、歯科医院で働くおっぱいの大きなお姉さんです。
また、本作は子どもたちの胸躍るような冒険を描いたジュブナイルでもありますし、主人公アオヤマ君の初恋の物語(ボーイ・ミーツ・ガール(?))でもあります。言ってしまえば、この作品自体が作中に登場するペンギンのような存在なのだと思います。つまり、見た目は可愛らしいジュブナイルのようであっても、その中身は一筋縄ではいかないSFなのです。
ペンギンや〈海〉やお姉さんが投げかける謎は、作中で全てが解き明かされる訳ではありません。アオヤマ君がいくら聡明であるとは言っても、小学生の男の子にあっさり全貌を解明されてしまうようでは、本当の意味での“人智を超えた不思議”ではありませんから。
原作者の森見登美彦さんがおっしゃっているように、本作は「人間が理解できる領域と、人間に理解できない領域の境界線を描いて」います。つまり作中には「人間に理解できない領域」が明確に出てくるのです。そこに戸惑いを感じる方もたくさんいらっしゃるようですが、本来理解しようがないものにこだわっても仕方がありません。
重要なのは、「アオヤマ君がそれらの謎とどう向き合い、その果てにどのような決断をしたか」です。そこに注目することで、本作を少なくとも“物語として”読み解くことはできると思います。
➁アオヤマ君は“謎”とどう向き合うか
お姉さんの言葉を借りるならば、アオヤマ君は「科学の子」です。ペンギンや〈海〉やお姉さんが投げかける謎に対して、彼は科学者として、対象をよく観察し、集めた情報を元に仮説を立て、実験を行い、それらをノートに記録しながら、一歩ずつ着実に謎の核心に迫っていきます。つまり、どれだけ問題が大きく深遠なものであっても、決して思考を止めずに、科学的に探究し続けるのです。
例えば、お姉さんの投げたコーラの缶がペンギンに“変身”するという不可思議な現象を目にしても、アオヤマ君は冷静にその発生条件を調べようと実験を行い、その結果、日光がペンギンの発生条件であることを突きとめます。このような謎を解明していくプロセスこそ、SFの醍醐味だと思いますし、そこにはアオヤマ君の科学的な態度がよく表れていると思います。
※これ以降、物語終盤や結末部分の内容にふれています。重要なネタバレを含みますので、ご注意ください。
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➂物語終盤、アオヤマ君は何を決断したか
物語の終盤、アオヤマ君はついに“エウレカ”に至りますが、この瞬間に彼は、〈海〉とは何か、ペンギンとお姉さんの役割、そして自分が何をすべきかを理解したのでしょう。おそらく、その行動の結果、“お姉さんを失うことになる”ということも含めて。
お姉さんが“人間ではない”ということを反証するため、自らの身体を犠牲にして断食実験を行ったことからも、アオヤマ君にとってそれが到底受け入れられない事実だったということは想像に難くありません。しかし、最終的に彼は決断し、限りなく拡大を続ける〈海〉を消すため、喫茶店にいるお姉さんに会いに行きます。それは、自らの手でお姉さんを消してしまうことと等しいのです。
パンフレット内のレビューで、SF翻訳家の大森望さんが、序盤に出てくる抜歯の場面は身体的な痛みを伴うイニシエーションであると指摘されていますが、ここでのアオヤマ君の決断は、喪失という痛みを伴う精神的なイニシエーションであると言えます。アオヤマ君は、お姉さんを自らの選択によって失うことで、「理解することの悲しみ」を知るのです。
本作のエピローグに「世界の果てを見るのはかなしいことかもしれない」というアオヤマ君のセリフが出てきます。これまで、「探究し、理解し、知ることの喜びと可能性」を描いてきた本作ですが、その果てにアオヤマ君が理解することの悲しみを知るというのは、なんとも皮肉な結末だと思います。
➃ラストシーンをあらためて見る
ここまで、アオヤマ君が「人智を超えた不思議とどう向き合い、その果てにどのような決断をしたか」を詳しく見てきました。それを踏まえた上で、あらためてラストシーンを見てみましょう。
「ぼくが大人になるまでに……」という冒頭とほぼ同じ内容のモノローグにはじまり、彼が世界の果てを目指していること、世界の果てに通じている道はペンギン・ハイウェイであること、もう一度お姉さんに会えると信じていることなどが語られます。
──そう、彼はまだ探究することを止めていない。探究することに絶望していないのです。むしろ、お姉さんにもう一度会うため、以前よりもずっと大きな目標に向かって探究を続ける決意を語っているのです。
「ぼくは会いに行きます」
お姉さんとの別れ際にアオヤマ君が言ったこの言葉を、私は信じたいと思います。彼なら本当に世界の果てまで行き、お姉さんに会えるはずだと。人智を超えた不思議に対しても科学的な態度を貫き、理解することの悲しみを知ってもなお、それを乗り越えて探究を続けようとする彼なら、きっと。
ラストカットでアオヤマ君の目に映る探査船「ペンギン号」が、彼を後押ししているようで、彼が進む道(ペンギン・ハイウェイ)の正しさを証明しているようで、胸に熱いものがこみ上げてきます。なんと希望に満ちた結末なのでしょうか。
ペンギンがかわいいから そんな動機でもいい
そんな動機でもいいから見てほしい、
幸せな映画でした。
ネタバレあるかもしれないです。
もう一度言います。ネタバレあるかもしれないです。
まっさらな気持ちで見たい方はレビューなんて見ないと思いますが!
絶対嫌な方はUターンで!
以下
低評価レビューもあるにはある。でも好きな人はどストレートに好きな作品でしょう。原作未読な私ですが、大好きで愛おしいものとなりました。
主題歌は宇多田ヒカルのGood Night。
「謎解きは終わらない」という歌詞があります。
まさにその通り、謎解きは終わらない!
謎が謎を呼びさらに謎を呼ぶ…、この作品を好きじゃないという人は「結局何が何だかわからないじゃないか!」と思ってる人が多いんじゃないでしょうか?
小学4年生の青山くん。頭が良くて、だからこそ少し気取っていて、でも優しい良い子。どこかにいるかもしれないありえなくはない男の子です。
覚えていますか?この映画はSF。ファンタジーなのです。感情移入はしてもしなくてもいい。結局わからないことがあるじゃないか?ファンタジーだもの、それでいいじゃない。
全てに説明がつく必要はない。そう考えられる方にはこの映画を見て楽しめると思います。
森見先生作なのでお世辞にも子供向けではありませんが、子供は子供で「ペンギンかわいい〜」と楽しめるものだと思いますよ。とにかくかわいい。ふんだんにかわいいシーンがあります。
青山くんの一夏は、幸せで楽しくて、儚いから、少し切なくもあります。ほろりと涙が出ました。
しかし、鑑賞後のあなたは幸せに満ち溢れることでしょう。
私なんてエスカレーターを7階分軽やかに駆け下りちゃいましたから。笑
最後まで読んでいただきありがとうございました!
夏休みに相応しいファンタジーのような科学映画
かがくときくと、化学とか物理とか理論という言葉に直結されて
SFとなると、私達の理論体系によって解釈された少し異なる世界になる。
その理論が整然としてないと、ファンタジーにされてしまう。
でも、"科学"って、そうじゃないよね。を思い出せてくれました。
おっぱいからファンタジーなペンギンまで、様々な不思議な事象について
思考を放棄せず、問題と認識して、根気強く実験と観察を繰り返して、結果の獲得を試みる。
科学によって、立ち向かっていきます。
もしこの映画がファンタジーなら
魔法使いのようなお姉さんに恋をして、お姉さんは何かと戦い身を犠牲にした。
とても理不尽で悲しい物語になったでしょう。
でも、科学的立場を貫くことによって、エウレカして、
仮説を獲得して、ありのままに事象を受け入れていく。
それは、起きてる事象にはなんの影響もないですし、
もの悲しい気持ちが残ったこともかわりません。
じゃあ、科学に意味はなかったのでしょうか。
そうではありません。
科学による獲得があったからこそ、彼は学校を飛び出しました。
そして、お姉さんとのお別れと、事象を観察する機会を得たのです。
悲しくはありますが、理不尽では無くなったのです。
仮説の先には希望も残されてるようで、探査船の帰還がそれを象徴付けます。
あまり考えちゃいけないと思ってたおっぱいとか。
理論整然とはしてないファンタジー的な事象も、
研究できるのです。科学できるんです。
そんなことを考えていたら、夏休みの自由研究を思い出して、夏らしいなあ。と感じました。
世界観が不思議過ぎて、ちょっとついていけなかった
・お姉さんの魅力に終始引き込まれた
・映像がキレイ
・世界観が不思議過ぎてちょっとついていけなかった
・伝えたいテーマは謎の解明では無いのでしょうけど、モヤモヤ感は拭えない
傑作
原作が大好きなので最初は映画を観るつもりはありませんでしたが評判が良いのとお姉さんの声優が蒼井優さんでしたので鑑賞してきました。
結果観てよかったと思いました。ラストのペンギンハイウェイの疾走シーンは爽快で感動しました。初めてこの小説を読んだ時のようなわくわく感。そしてラストはやはり切なくとても良いシーンでしたし映画オリジナルのラストもとても良かったと思います。
"海"は少年の探求心の塊か
見終わった後の感想は、これまで感じたことのない感情だった。
見終わると自然に涙が流れた。
非常に良い映画だった。アニメーション自体は普通だったが、原作がここまで完成されているとよい映画になるものかと感じた。
この映画は、少年とお姉さんのひと夏のストーリーである。
探求心旺盛な少年は、いろいろなことに興味を持ち、「研究」を始める。その姿が妙に大人びており、微笑ましい。
ISSの模型を作ったりしていたのも良かった。(個人的)
お姉さんはまぁ典型的なお姉さんなのだが、少年からするとそれも研究対象であり、恋に近いものを感じている。
ストーリーは一貫して現実離れしている。ペンギンが住宅街に現れたり、変な生物が生まれたり。少年はそれらを「研究」し、ラストには答えを見つける。
少年の、あきらめない精神、大人に近づいていく姿、真実を知ってしまった後悔、それと現実離れした映像とが絡み合って何か感情的になってしまったのだろうか。
お姉さんと別れることになるだろうと気づいていたが、気持ちを抑えて「研究」に没頭する姿に感情移入したのだろうか。
お姉さんの声は蒼井優なのだが、このチョイスが完璧であり、お姉さん感がひしひしと感じられる。
小学校のころ、私自身いろいろなことに興味を持ち、ノートに書いていたことを思い出した。
時代設定はそれよりも現代ではあるが、あえてそれを感じさせず、昔のことを思い出せる、懐かしさもどことなく感じることができた。
最後に、鳥やペンギンが好きだから見たわけではないことを付け加えておきます。笑
今が旬のアニメ映画
冒険ファンタジーをメインとした、主人公アオヤマくんとお姉さんの淡くせつない恋を描いた青春夏物映画。ペンギンを生み出す能力に目覚めたお姉さんとそれを研究する小学生アオヤマくんから始まり、アオヤマくんの友達であるウチダくんやハマモトさんを交えながら物語は展開していく。
内容も単純にして分かりやすく、構成も至ってシンプルなのがいい。しかし、物語のほとんどを異世界描写に割いているため感動を与えるのには十分でない映画だ。だが全体的な感想として、少し背伸びしているアオヤマくんと彼が憧れているお姉さんの甘酸っぱい夏の恋模様は印象的であろう。理ではなく感じるままに楽しめる映画なのだ。
総合して、童心に帰るような楽しげでどこか寂しい夏要素をふんだんに取り入れた作品である。この季節にぴったりであるから興味があればぜひ映画館に足を運んではどうだろうか。
夏らしいフレッシュな映画
これはどうしてこうなんだろう?といちいち考えていく賢くて若さがあるアオヤマくんと、
不思議な雰囲気を持ったお姉さんのひと夏の物語。
あるとき郊外の街にペンギンが出没して、研究熱心なアオヤマくんが謎解きに奔走する。
ひなたのアオシグレの緻密なキャラデザ、アニメーションはもとより、
森見登美彦の原作が華を添えて、
相殺せずにうまく噛み合ったと思う。
キャラデザが幼い感じではあるので、そこはもう少し大人っぽい絵にした方が好みではある。
深く考えるとおかしなところもあるが、そこはファンタジーの世界だからと割り切って考えるのがいいかも。
蒼井優の声優と、西島秀俊のお父さんがとても良かった。
深いテーマを持った哲学的な映画
夏らしい清涼感に溢れた不思議で甘酸っぱい、アオヤマ君の青春の1ページを描いた作品。
一見すると子供向けの内容のようですが、子供の頃の好奇心を失ってしまった大人の方にこそ見て欲しい映画です。
子供は身の回りの全てが謎だらけで、毎日が冒険です。そんな大人にとってはありふれた日常の中の出来事に疑問を持ち、日々研究に励んでいる主人公のアオヤマ君が大人にも解明できないような難題に友達やお姉さんと共に挑み、冒険を経て謎を解き明かしますが、それでもまだ謎が残りちょっとだけモヤモヤする物語です。
しかし、その『モヤモヤ』こそが重要なテーマだと思います。
「世界は多くの謎に満ち溢れていていくら研究しても全ては解き明かすことはできない」というのがこの作品のテーマであり、作中では解明されていない残された謎について考えることでより味わい深い作品になります。
そして、謎が残されたことで最後のお姉さんとの別れも救いのあるものになったと思います。
ここまで、おっぱいとは…
予告から気になり、事前に評価はチェックし、(他の四歳児主人公アニメで痛い思いをした為)原作は読まずに劇場へ。
そんなに、いくら小4男子とはいえ、おっぱいおっぱい言わなくても…が率直な感想です。
三兄弟のママとしては、無心で観たかった為(ストレス発散)、気にならない人もいるでしょうけど、私はまたおっぱいですか⁈状態でした。
作品に集中すると、何故かおっぱいのセリフか、胸のアングルが…
気のせいでしょうか⁇
SFファンタジーの中に身を委ねたかったですが、私には出来ませんでした。
「少年」と呼びかけるお姉さんが好きです。
「少年」と呼びかける女性に出会えたことだけでも、人によっては羨ましいんだぞと青山くんには伝えたい。
一日に30分おっぱいのことを考えるようにと子供に伝えれば、青山くんのように聡明な子になると思うので、いずれ子供ができたら伝えたい(女の子だったらどうすればよいのだろうか)
海の中に入った後の世界の果て(でいいんでしたっけ)の描写がとてもよかった。
オネショタがすごくよいという評判でしたが、よいロリもいるという隙のない二段構えでした。最高でした。
ペンギン大量発生
めっちゃ可愛い、ペンギン。1匹ずつちゃんと動いてるのがすごい。
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でもこの作品、小学生の少年の目線で語られるから、共感出来ないところが多かったなぁ。私はおそらくお姉さんと同じ世代なので、お姉さん目線で言わせてくれ。
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まずは、お姉さんとお姉さんの故郷に行こうとするシーンとか、自分が知り合いの少年を実家に連れてくかな?(笑)誘拐したんじゃないかとか言われそうだよ(笑).
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次に、お姉さんが本に出てきた怪物が怖くて寝れないっていうシーンがあるんだけど、ホラーなら怖いかもしれんけど本のイラストじゃそんな怖がれないよ(笑).
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まぁ、この2つについてはお姉さんが実は、、っていう点でしょうがない所あるんだけどね。
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最後の終わり方も少年このままお姉さんの幻想を追いかけてしまうじゃないかと心配になった(笑)大人になった時にこのことが良い思い出になってればいいけど。
「考えるな、感じろ」という言葉がぴったりな映画
美しい映像、魅力的なキャラクター、王道のストーリー
これらを使って共感、感情の動きを引き出しアトラクション的に体験を与える映画
その場その場の雰囲気や湧き出る感情を率直に楽しめるかどうかで評価が分かれると思う。
映画体験としては、一昨年ヒットした「君の名は。」に近く、理屈と辻褄だけで考えてしまうとつまらなく感じるはず。
見終わった後に残る謎はアオヤマ君が将来解明すべき謎であり、視聴者が深読みし頭悩ませるための物ではないのだろう。
そういう点ではアオヤマ君がエウレカを得るシーンが一番いい例かと思う。
あれも謎解きと辻褄合わせを主眼に見ていた人にとっては理解しがたいシーンだと思う。
映画や物語に慣れた人であれば、すべてが繋がった先の答えはとうに予想がついていた当たり前の答えだったに違いない。
だが、この映画にとって重要なのは、アオヤマ君が様々な経験、発見の結果「エウレカ」を得た。ということ。
「そんなの分かり切った結論じゃないか」ではなく「ああ、アオヤマ少年はそこに辿り着いたんだな。良かったなあ。」と思えるかだと思う。
夏の終わりに見るのにぴったりなジュブナイル映画。
2017、2018年のアニメ映画の中では最高の映像体験を得られたと思う。
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