「失われた時を求めて」ブリグズビー・ベア mikirokkuさんの映画レビュー(感想・評価)
失われた時を求めて
冒頭、子ども向け番組に夢中のオタク青年とその両親の生活から描かれるのだけど 早速不穏極まりないです…
もっとヘンテコでギャグっぽいノリを想像していたので、開始15分以内で早々に訪れる仮初めの平和の崩壊に唖然。
それからは…個人的には非常に胸が痛い描写が続きました。
特に「両親」の気持ちを想像したり、主人公への腫れ物を触るような接し方を観るたびに、もう勘弁してくれ〜!といたたまれなくなりました。
でも、中盤から物語は青春モノに舵を切り直して 実に爽やかに進んでいきます。
主人公が自分の人生を取り戻すためにとった行動は、人によっては理解しがたい事かもしれませんが 私は彼にとってはあれがベストだったのだと感じました。
ラスト手前のガレージのシーンはここ数年観た映画の中でも特に静かな、でも激しく感情が動くクライマックス。
ご都合主義的な展開と言えなくもないのに、完全に感情移入していたので 思わず落涙😭
映画や小説、漫画など フィクションの世界によく親しんでいる人にこそ勧めたい作品です。
虚構が現実を救う、それこそがこの世界に存在する唯一のファンタジーなのかもしれません。
終わり方が少しだけ物足りなくて4,5。
でもあのラストで良かったと思います…
余談ですが、マーク・ハミルがメタ感のある複雑な役をやっていて、とてもマッチしています!この人やっぱり好きだなぁ❤️
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