判決、ふたつの希望のレビュー・感想・評価
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タイトルなし
ふたりの男のささいな諍いが
国を揺るがす法廷争いへ
『ただ謝罪だけが欲しかった』
人間の尊厳をかけたたかう
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1976年1月18日
レバノンのキリスト教徒の民兵組織が
カランティナ地区を制圧
1500人ものパレスチナ人とイスラム教徒殺害
↓
1976年1月20日
カランティナ地区での殺害の報復として
パレスチナ民兵が
ダムールの500人もの人々を殺害
.
15年にも及ぶ内線
歴史は変えられないし忘れられない
歴史を踏まえ進む2人に
ふたつの希望が見えてくる
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レバノンの抱える問題が浮彫りに
国・宗教・人種
イスラム教とキリスト教・パレスチナ難民
この問題は難しく理解しにくい💦💦💦
いつでもどこでもある話
レバノンでキリスト教徒のレバノン人と、移民でイスラム教徒のパレスチナ人が喧嘩し、レバノン人が裁判所に訴える。
ささいなことが発端だが、弁護士やメディアが加わり、政治的な様相を強めていく。
人類が平和的に共存していくことの難しさが痛いほどわかり、とてもやるせない気分になる。
宗教、観念の違いから起きた齟齬を悩みながらも、徐々に修復していく二人の男の姿を丁寧に描く、秀作。
パレスチナ難民の一例
ジアド監督が日本のプロモーションをしたんですね。
ベイルートに住んでいるトニー(レバノンのクリスチャン)とパレスチナ人で難民で仕事も自由に選べない立場のヤセルとの口論がクリスチャンとパレスティナ(イスラム教)に発展し、それから裁判問題に発展し、それが、トニーの弁護士(レバノンのクリスチャン)がシオニズムだとまで批判され、最後に、大統領が二人と話すことになる。、
法廷の判決が出るまでに二人心のの問題は解決しているという話。トニーの求めているものはヤセルの謝罪だけだから。
個人的な感想ですが、どの国でもどの場所でも起きる可能性のある、ヘイトスピーチだ。ヘイトスピーチが国をあげての問題になった。ヘイトスピーチ(例:イスラエルの大統領が、パレスチナ人を滅ぼすことを望む)トニーがこういう言葉をヤセルに言ったから(?)ヤセルがトニーを殴った。しかしトニーの心にはダムール虐殺(モスリムがこの土地を略奪)で難民になって、レバノンにきたという過去がある。
自分に過去におけるいやな経験があり、それを克服できないでいると、それに似たようなことが起こると過去の経験に照らし合わせて考えてしまう。例えば、あるベトナム人に金を取られたとしよう。そうすると、他のベトナム人にあっても金を取られると思ってしまう。そして、ベトナム人は泥棒と考えてしまう。人と人とのつながりは大切な筈なのに、ネット社会で生きている我々はそのつながりが気薄になってきて、これから、こういう問題がもっと増えてくるだろうと感じた。
Insult
二本立て二本目。 頑固おやじ二人の些細な衝突が国を揺るがす大騒動に...
判決 二つの希望
原題は「侮辱」なんだって
忘れずに前に進む……て難しいよ
と、こういうの見るといつも思う。
直接の加害者ならもちろん、こういう歴史的な確執の場合は、表面的には語れない…からこそ、表面的には争わずに済ましていこう、とてこなんだろうが。
こうやって、ふとした弾みで出てきてしまう。
出てきた「それ」を、またどうやって宥めていくのか、いけるのか、いくしかないのか、いくしかないよね、いけるよね、と段階を踏みつつ、前に進むしかない、んだろうな。
映画の中では、二人のラストにわずかな希望をみせて終わり、それしかないよね、と思わせる。
登場人物が全員、興奮している映画。
見せ方上手&説明上手!
レバノン!
日本は平和すぎ?
演技、背景設定は見事
面白くてタメになる
極東の地にいて、遥か彼方の中東のことを知る。映画を観る大きな価値の一つだよなあ。おまけにその話が面白ければ、言うことなしだ。
些細な喧嘩に見えた諍いなのに、主人公二人は意地を張り合うかのように、どちらも折れない。
一人は「水をかけておいて謝らない」と怒り、相手は「"侮辱"という言葉では済まないほどのひどい言葉で罵られた」と言って、決して謝らない。
観ている側は「それなりのところに落ち着けようという気持ちはないの?」「まるで子供じゃん」と失笑しかねないシチュエーションなのだが、話が進むにつれて、ヨルダン国民とPLO難民キャンプの軋轢というものの深さ、やるせなさがわかってきて、お互いの辛く悲しい胸の内を感じ始められる。
すると、その中で見る二人の依怙地さ、張り合いが、あたかもハードボイルドかのように感じ始められる。
ちょっとした謎解きはあるものの、二人がどうしても折れることができなかった理由というか心情を、スッキリ理解できるわけではない。しかし、かえってそのわからなさによって、中東を少し理解できたような気になるから不思議だ。
PLO難民を受け入れるキャンプを設けることは当然のことと思われるが、PLO敗残兵や民兵による略奪や虐殺もあり、さらにそれらの悲劇はなかったかのように黙殺されているという事実。それを知った自分には、主人公ふたりの折れない姿勢にも、それぞれの理由があると感じることはできた。その真の辛さは、経験している本人たちにしかわからないもので、自分はこうやって映画を観て、少しでもわかろう、感じようとすることだけだ。
映画としてもうまくまとまっている。押しつけがましく説明するのではなく、なぜ依怙地なまでの姿勢を貫くのか、をサスペンスのように謎解きしていく展開は心地よい。
本人の苦悩みたいなものを極力描かなかったのもよかったのではないか。その分、クールに、ハードボイルドになったと思う。
多くを盛り込まず、削ぎ落とすって難しいと思うが、流石だ。
奥さん役の女優、きれいだったな。
2020/2/22追記
「いいね」をもらったのを機会に、あらためてこの映画の背景、レバノン内戦について、Wikipedia を見てみた。そこには、1970年代後半からつい最近まで続いた、レバノンの悲劇が描かれていた。もともとキリスト教徒が多かった旧レバノン(小レバノン)内のアラブ教徒による独立気運を鎮静化しようと、当時の宗主国であるフランスが行った国境線の拡大(大レバノン)から始まる悲劇の歴史は、この映画を観るという経験がなかったら、知らないままだっただろう。みなさんも機会があれば、Wikipedia でレバノン内戦を読んでみてください。
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