「再生のものがたり」洗骨 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
再生のものがたり
「あの世なんて、そんなとこだ!」
この世とあの世の境目を通る時に、おばぁが言う。
亡くなった人を思い出すより、形式的なことを優先する自分に少し違和感を感じてしまう。
この島では、あの世とこの世は、すぐそこ身近にあって、行き来は簡単なのだ。
洗骨は実は、自分自身を洗うことだと剛は言う。
この物語は、多くの人が一生かけて、直接的に、或いは、間接的に経験する出来事があちこちに散りばめられている。
愛する人が亡くなったら立ち直れないと思うだろう。
会社が倒産したら失意のどん底だろう。
シングルマザーは不安でたまらないだろう。
噂話には腹が立つだろう。
離婚は辛い出来事だろう。
でも人はなんとか立ち上がる。
そう人は強い。
剛の言うように、人は、いろんなものを洗い流しながら、再び歩き出すのだ。
再び立ち上がった人は強くて優しい。
そして新たに繋がる命は永遠を感じさせる。
信綱と剛と優子が、夕陽の海の向こうに見たのは、きっとそんな世界だ。
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