劇場公開日 2018年8月4日

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「脚本は凡庸だが、パッケージは良い」詩季織々 猫シャチさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5脚本は凡庸だが、パッケージは良い

2018年8月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

新海誠作品に影響を受けた監督が、新海作品を手がけてきた制作スタッフと手を組んで作ったアニメ。

故郷への郷愁や、過ぎ去った青春期への憧憬を、美しい映像とモノローグで綴っており、かなり新海誠フォロワー色の強い作品です。すんなり見れて、大きな減点材料もなく、悪くはないのですが、全体に盛り上がりに欠ける印象。脚本がちょっと弱いのかも。

本作は作風が似ているからこそ、新海作品が常に脳裏に浮かび不可避的に比較されてしまうという、ちょっと可愛そうな立ち位置とも言えます。そういう意味では、ジブリ(宮崎駿)作品と比較されがちな、米林宏昌監督の「メアリと魔女の花」と同じ構造ですね。

舞台が中国ということで、各話の背景(絵的にも話的にも)は色々と新鮮です。そこだけでも一見の価値あり。日本版CAST陣も新鮮な顔ぶれが並び、聞いていて耳に楽しい。個人的には「陽だまりの朝食」のシャオミン役の坂泰斗さん、「上海恋」のシャオユ役を演じていた長谷川育美さんがとても良かった。ビッケブランカさんの主題歌も良いですし、そのへんのパッケージはとてもうまく配置されているなと思いました。

猫シャチ