「ケバブとお風呂」ウトヤ島、7月22日 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ケバブとお風呂
観終わると、どっと疲れが押し寄せるほど緊迫感の連続。泥にまみれ逃げ惑うキャンプ場の若者たち。どこから銃声が響いてくるのか、犯人はどこにいるのか、犯人は何人いるのか、情報が錯綜する中でとにかく逃げるしかなく、運よく携帯を持っていても親に連絡できる程度。警察は一体何をしているのか?救助はいつになったら来るのか?さっぱりわからない状況を同時体験できる作品でした。
主人公は妹エミリヤとともにキャンプに参加しているカヤ。ナンパ目的で参加しているマグナスや母親が庁舎勤務であるオーダ、それにペッテル、カロリーヌたち。銃撃が起こるまではオスロでの爆破事件の詳細もわからず、イスラム系の青年も苦渋の表情だ。
長回しのワンカット映像も効果を奏し、カヤの緊張感と妹への思いなどが伝わってくる。友人たちと合流したり、離れたり、死にも直面し、気が狂ってしまいそうになる。少女の死のシーンなどでは徐々に肌の色が土色に変化していく様子がリアルだった。銃撃が72分続いたこと。そのリアルタイムが異常なまでに同期して、体が硬直してしまいそう・・・二度と見たいとは思わないけど、見る必要がある作品だと思う。
コメントする