「リアル?けれど緊迫感が続かない」ウトヤ島、7月22日 サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
リアル?けれど緊迫感が続かない
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「爆竹の音?」から始まる恐怖の臨場感、緊迫感は凄まじかった。何もわからないまま小屋に逃げ込み、聞こえてくる銃声に慄く。あの瞬間は私も本当に怖くなった。
その後も緊迫感は続く。皆が混乱してあれやこれやと言い争う姿はパニックそのもの。そして極めつけは「警官が撃っていた」だ。
逃げ回る友人たちや死にゆく子供の描写は正直エグかった。終盤で主人公が狙われて大きな銃声が鳴り響くシーンでは緊張が一気に張り詰めた。
しかし、そんなシーンばかりではない。なんというか、冗長なシーンも多かった気がする。
たとえば死にゆく子供とのやり取り。リアルではあるのかもしれないが、やりとりが長かったり敵や友人たちが都合のいい登場の仕方をするのが気になった。
そして岸壁に隠れたあと。ドラマを作るための前振り、端的に言えば死亡フラグを作ることに精を出していたのはどうにかならなかったのか。
リアルな作り込みは中盤までで、終盤は悲惨さを強めるための演出(悪く言えばプロパガンダ)が目につく作品であった、というのが正直な感想。
ただ、後世に残すべき良作であることは間違いないと思う。
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