ドント・ウォーリーのレビュー・感想・評価
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アル中の話だった
車椅子風刺漫画家として成功するまでアル中だったキャラハンがどうそれを乗り越えて、自分の過去とケリをつけるかって話。
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そもそも、体が麻痺した理由が泥酔状態の友達が運転する車に乗ってたら(キャラハンも泥酔状態)電柱に激突したから。自業自得っちゃあ自業自得。
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だからって車椅子になった後も酒を飲み続ける。まぁこんな状態になって飲まなきゃやってられん気持ちはわかるけど。ワインのボトルすら1人で開けられないのはイライラするよね。
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自分もあの事故の時に酔っ払ってたことが悪いと認められないキャラハン。最後自分の罪と向き合ってく所は良かった。
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酒の飲みすぎには気をつけような。
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個人的には、キャラハンの彼女になる女の人がほんとにローズマリーの赤ちゃんの主人公にそっくりでそれに感動した!.
【アル中、脊髄損傷から精神的に生まれ変わる男の姿を優しく描いた作品。ルーニー・マーラの透き通るような美しさが際立つ作品でもある。】
ー ガス・ヴァン・サント監督 ホアキン・フェニックス主演 ルーニー・マーラ共演とくれば当然、映画館で観る作品である。ー
◆感想
・物語は過去と現在を行き来しつつ進むが、アル中時代とそれによる脊髄損傷を発端として主人公(ホアキン・フェニックス)は徐々に魂が浄化されていく。(風刺漫画家としての地位も築いていく・・。)
・前半、何故アルコール依存になったのか分からなかったが、その哀しい理由も徐々に明らかになる。
・アルコール依存を克服するステップの最終段階に向けての主人公の行動に少し涙腺が緩む。
<それにしても、ルーニー・マーラの透き通るような美しさといったら。
ホアキン・フェニックスさん、私生活でも大事にしなよ。
映画のようにならないようにね。
余計なお世話か。
しみじみとする佳き作品である。>
アメリカ映画に多い再生物語の背景について考えた
最近の悪い癖でどうしても時代背景とか、日本だったらどう周りの人達が接するだろう、とか考えてしまう。
まず驚いたのが、この時代のアメリカでの社会福祉の手厚さ。事故に遭うまでの主人公がどんな仕事をしていたのか、定職についていたのかよくわからないのだが、事故原因(今の日本だったら、自業自得で保険も適用されないような運転手、同乗者ともの泥酔)に関わらず、電動!車椅子が手配され一定の生活費まで出ているらしいこと(もしかしてヘルパーの費用も?)。
次に、やはりアメリカはチャンスの国であったということ。
いいと思えば、絵を持ち込んだ人の事故やアルコール依存症の経歴などと関係なく、発表の場を与えてくれる。辛めの内容であっても多様性の中で許容される範囲であれば多少の批判を覚悟で掲載を続ける。日本のメディアだったら、学生新聞のレベルであっても、作品内容の前に作者の人格とか履歴的なものを掲載の判断において優先するのではないだろうか。
宗教は、偏狭な原理主義に陥るととても危険な事態をもたらすことがあるが、告解とか罪として受け入れる行為を神の名の下に、実際には神父さんとか、セラピー的な場で第三者に吐き出すことで、自分ひとりで抱え続けなくても済むような環境を作ってくれる。
例えば、日本で我々が個人対個人(会社の中の人間関係であろうが、友人同士であろうが)で『許す・許される』などの言葉を当事者同士で使うことは、なにを上から目線で偉そうに、とか、自分にはおこがましくて、とかの心理が働いて、そもそも話し合いが成り立たないと思うが、神が見ておられる、神がお許しになる、という前提があれば、この映画のドニーのような人に諭されても割と素直に受け入れることができるのではないだろうか。
一方で、最後は神に許しを乞えばいいや、ということで、始めから規律とか自制心が甘くなる、ということもあるのかもしれないが。
アメリカ映画では、事実に基づく再生物語が多いが、こういった背景も少なからず作用するのだろうなと個人的に納得出来る作品だった。
アルコール依存症
自分もお酒を飲む事があるので習慣になりやすいものだから気をつけなくちゃ。
主人公が前向きになっていくのが素晴らしかった。キレイごとではなく、人間的なつながりが大事だということを本当に知りました。みんな助け合っている世界は素晴らしかったです。人は誰でも自分の不幸を人のせいにするけど自分の受け止め方一つで違う未来が作れるという事、私もがんばらなくちゃと思います
素晴らしかった
アルコール依存からの回復は酒を断つだけでなく、それまでの生き方を見つめなおしてこそである。それはお酒だけの問題に限らず普遍的なものがあり、心穏やかに幸福で生きるための方法が押しつけがましくなく描かれていた。
主人公の一コマ漫画はブラックユーモアで、今はあまり受けないのではないだろうか。しかし、今受けているものがいいとも言えず、最終的には自分は何が好きなのかということに行き着くのだろう。
主人公が、ジャックブラックと再会した場面がとても感動的だった。
(追記)
劇場公開で2回目、養父とうまくいかなかった養子のその後を描いた部分に特に着目して見た。しかし、感じの悪い人物にはなっていなくて、酔っ払いぶりも楽しくて魅力的だった。荒れている時もそんなに悪い感じがしなかった。彼はしっかり回復することができていた。ひねくれて世を恨んでどうしようもなく感じの悪い人物になっていたらどうすればいいのだろう。
悲しみのどん底から抜け出すには
ガス・ヴァン・サント監督のティーチイン付き「ドント・ウォーリー」上映会に行ってきた
昔、むかしの話、ガス・ヴァン・サント監督の「マイ・プライベート・アイダホ」を観て、映画の素晴らしさにはまった私としては、とても有り難いイベントだった
この映画のお話は、車椅子の風刺漫画家ジョン・キャラハンが断酒会に通いながら、自分の人生を見つめ直す作品
この世の中に、人生が常に順風満帆っていう人は、あまりいないだろう
うまくいかないこともあるし、不運のスパイラルにはまってしまって、なかなか抜け出せないこともある
そんな時、私たちは何かに依存してその辛さを忘れようとする
映画好きは映画をみるし
音楽好きなら、ライブで思い切り踊ったりするかもしれない
無心でひたすらゲームをする人もいるかもしれないし
SNSで悪態をついている人もいるかもしれない
この映画の主人公 ジョンの場合は、酒を飲むことで人生の辛いことから逃げていた
しかし、その悪癖が、彼の人生をより辛いものにしていってしまう
この映画は、もしも、私たちが、そんな不幸のどん底に陥ってしまった時、どうやってそこから抜け出せばいいのかを教えてくれる
もともと、この映画は監督が「グッド・ウィル・ハンティング」で一緒に仕事をしたロビン・ウィリアムスと共同で進めていた企画だったという
残念ながら、ロビン・ウィリアムスは亡くなってしまったけれど
きっと彼の深い悲しみの中に、ジョンの気持ちと通じる部分があったのだろうと思う
その後、ジョンは酒を断ち切るように風刺漫画を描くようになるのだが、その悲しみを笑いに転化するところも、ロビン・ウィリアムスの気持ちとリンクしていたに違いない
ジョンが、この映画の中でどのように酒や悲しみを断ち切ろうとしたのかは、ぜひ、映画を観て確認して欲しい
私が、そんな彼の姿を観て思ったのは
自分では、悪いことが続いて、何て私の人生は不運なんだと思う時でも、生活習慣を変えたり、自分の気持ちを切り替えたりするだけで、人生は好転するということ
それが難しいから、人はなかなか人生を変えられないんだけれど、何かをきっかけにして、変えるべき時はきっとやってくる
もしかしたら、この映画を観たことをきっかけに、ジョンと同じ行動をしてみたら、人生を変えられかもしれない
周りの人たちは、自分が思っているより優しいし、誰かに頼りたい時は頼っても良いのだ
人生は、案外悪くないよね
と思える映画だった
この映画の中では、断酒会のグループセラピーのシーンが多い
断酒会やグループセラピーが、あまり浸透していない日本で、この映画が受け入れられるかどうかを監督はとても心配していた
グループセラピーは、例えば家族や友人との会話だと思えば、そんなにかけ離れた問題でもないなと思った
最近、落ち込み気味で…とか、どうも人生うまくいかない…と、ネガティブな思考に陥っている人にこそ、観て欲しい作品
ある意味『her~』のアナザー・エンディング
アル中のジョンはある日友人の誘いで繰り出したパーティの帰りに交通事故に遭い全身麻痺になってしまう。自由奔放な生活から誰かの手を借りないと生きていけない生活を余儀なくされたジョンはますます酒浸りになるが、嫌々ながら参加したアル中克服の自助グループのセッションに参加したことがきっかけとなって人生を見つめ直し立て直す決意をする。
2000年に亡くなった風刺画イラストレーター、ジョン・キャラハンの半生を描いた作品。クレジットにロビン・ウィリアムズへの謝辞があったので何かと思ったら生前に温めていた企画だったとのこと。映像トーンはもう今の流行と言っていい赤茶けてザラついた70'sの再現、そういう実話なのでそれでいいのですがこういう映像の作品がここ数年多いので正直食傷気味。お酒を嗜む人にとっては身につまされる話なのかも知れませんが下戸の視点からだと何から何まで自業自得でどこにも感情移入出来なくて困りましたが、自身のトラウマと向き合うことを決意してからのジョンの生き方にはグッとくるものがありました。
ジョンを演じているのはホアキン・フェニックス。顔が濃くて個性的なので誰を演じてもホアキン本人に見えてしまうのが残念なのですが、ブヨブヨの体でのたうち回る迫真の演技は凄まじくリアル。ジョンを温かく見守る周囲の人々が示す優しさはとても美しく、特に入院中からジョンを支えるアヌーを演じたルーニー・マーラの途方もない透明感にハートをぶち抜かれました。ホアキン&ルーニーといえば傑作SF『her もうひとつの彼女』を思い出さずにいられず、寄り添い生きる二人の姿は『her〜』のアナザー・エンディングのようにも見えました。
あと吸血鬼映画かナチス映画でしか観たことのないウド・キアーが出ていたのにビックリ。そこにいるだけで映画の品格を一段上に押し上げる存在感もまた印象的でした。
良い映画だが、思い入れを感じない
2時間近くある映画なのに結構楽しんで観られたが、こうしてなんか書こうと思うと特に何も浮かばない。ジョンが全身麻痺になったことで逆に自分の天職を見つけるというミラクル的な話だが、カタルシスに向かって集約していくような感じはなかった。ジョンが車椅子で女の子とダンスをするシーンとか、車椅子をすごいスピードで走らせてコケてしまった後、スケボーやってた子供たちに助けられるなど、印象深いシーンは色々あったが、特に思い入れを感じない映画だった。キャストはみんな好演で、ソニックユースのキム・ゴードンが出ていたのが自分的にはボーナスだった。
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