嵐電のレビュー・感想・評価
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見えないもの
嵐電は、見えないものが見えるところ、見えないものに会いに行くところかもしれない。
見えないもの。
それは、悲しく辛い思い出だったり、心の奥底に秘めた衝動だったり、気がついていない本当の自分だったり。
そして、それが見えたら、それに出会えたら、一歩踏み出せるかもしれないのだ。
新たに踏み出すことは、なにもスクラップアンドビルドである必要はない。
古いものを大切にして、古いものに向き合うことで気がつくこともある。
京都の街並みも、太秦の撮影所も、修学旅行も、8ミリカメラも、夜な夜な現れるキツネもタヌキも、そんなことのモチーフなのだろう。
東京では、どんどん電線や電柱がなくなっていってる。
でも、電線の向こうに見える青空もなかなかきれいだ。
浅草の電線だらけの古い路地から望むスカイツリーも良いものだ。
ふと見渡せば、自分を形作っている何かに出会えるかもしれない。
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