「悪い人が出てこない映画」嵐電 rupan3さんの映画レビュー(感想・評価)
悪い人が出てこない映画
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見終わった感想は、タイトルにつきるかな。最初のミュージカル風なセリフ?歌声?からファンタジーなんだなと思い、そういう目線で観ることができました。
嵐電江ノ電地元の方、嵐電江ノ電好きな方には素晴らしい映画だろうと思います。
井浦新さんが最初に登場するシーンが流石の雰囲気で早くもこの映画のピークでした。
狐と狸の夫婦漫才は自然で楽しく、東北弁を巧みに操る高校生?が出るシーンは演劇的な作りで映画の流れがいちいち止まってしまうし方言を素晴らしく使いこなせてて凄いのですが、方言全然わからない!て部分もありました。滑舌悪いのか?もしくはこちらの耳がわるいのか?そういう伝わらなさ、言葉や振る舞いの差異を感じさせるのも意図したことなのかもしれません。8ミリカメラで嵐電を追う男の子が、好きなものを撮影していたはずなのに撮影したものを好きになってると取り乱す部分、最初そういうことあるなと思ったんですが、思い直して、
今の世の中全体がそういうふうに無意識に無批判無検討に流されてばかりなんじゃないか、と、気になりました。目につくものを好きに慣らされてないか、好きと誤魔化したり誤魔化されてないかと。
とにかく悪い人が出てこない映画(=違和感)だけど皆勝手に生きて勝手に自分の気持ちを押し付けようとしてる。してないフリの人も然り。悪い人いないし悪いこともしてないけどみんな独りよがり。そのことに自覚的なのは人ではなく2つと狸の夫婦だけ、いうことで。
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