夜が明けるまでのレビュー・感想・評価
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老々介護と距離を取りながら事実上の通い婚を選択した老人の"終活"
ロバート・レッドフォードとジェーン・フォンダの共演は『逃亡地帯』(1966年)、『裸足で散歩』(1967年)、『出逢い』(1979年)以来、38年ぶりだという。
レッドフォードは原作の映画化権利を自ら獲得し、プロデューサーを務めてまでこの映画を実現させた理由を次のように語っている。
「まず、映画ビジネスでは若者向けの作品ばかりで、年配の観客を楽しませるような作品が少ないと思った。そしてラブストーリーには常に人生があると思った。3つ目は、ジェーンと映画をつくりたかった。僕が死ぬ前にもう一度ね」
製作当時、2人ともすでに80歳を超えており、映画俳優というハードな仕事はかなり身体に堪えていたに違いない。ほとんど"終活映画"と呼びたくなるような作品であり、案の定レッドフォードは翌年、引退声明を出した。
内容も主演俳優の状況と同じく、人生の終末を控えた老人同士が寂しさを埋め合う姿を描く"終活映画"である。
ジェーンが夜、ロバートの家を訪ねてきて、「私たちは長年、隣人同士だし、互いに一人暮らしをしている。夜は寂しいから、誰か素敵な人と話をしながら眠りたい。相手になって欲くれないか」と提案するところから始まる。
もう30年くらい若ければドキドキするところであるw しかし、もはや2人はセックスなど
に興味はないし、文字通りただ眠るまでの話相手としてベッドをともにするようになる。肉体関係なしの事実上の通い婚というところだ。
その情報はあっという間に広がって、口さがない町の人々は好奇の目を向け、下品なジョークのネタにする。2人の成人した子供たちも、何が起こったのかと心配する。しかし幸か不幸か、もはやそんなことが気になる年齢ではないのであるw
その後、ジェーンが孫を預かり、3人で家族ごっこを楽しんだり、彼女が骨折して入院したり…というエピソードを挟みながら、やがて2人の通い婚は終了するものの、今度はベッドの隣ではなく電話で話しながら眠るまでお話しする。たぶん死ぬまで、それが続くのだろう。
原題は"Our Souls At Night"。「私たちの魂は夜に…」とでも訳すべきか。その名の通り、話の本体は、主にベッドでの彼らの会話にある。2人が交わす内容は自分の履歴であり、自ずから未だに心のうちに引っ掛かっている家族間のトラブルとか、自分がすべきだったのにしないままだった事柄に落ち着いていく。まさに心の整理="終活"なのである。
それをきっかけに、2人とも今の家族との関係に向き直っていき、最後にジェーンは「愛情を注がなかった息子に埋め合わせしたい」と、息子と暮らすことを選ぶ。この潔い姿勢が本作の山場だろう。
老人同士の関係と言えば、日本で最も話題に上るのは老々介護だろう。恐らくは人生の"心の終活"どころか、新たな苦痛と悔いを積み重ねる日々…。米国でも80歳の息子が101歳の親を介護するなどの話が伝わってきている。要は歳をくっても人間関係はなかなか大変なのだ。
本作でも2人が正式に結婚しようとすれば出来ない話ではない。しかし、それをしないのは一歩間違えれば老々介護の地獄に落ち込みかねないことを知っているからだし、自分を犠牲にしても他者に尽くすと誓うような危険な真似=結婚は、若いうちにしか出来ない英断なのだと悟っているからであるw
What A Difference A Day Made♥
そりゃ〜ジェーン・フォンダとロバート・レッドフォードが腕くんで歩いていりゃ僕らの世代だったら、みんなふりむくだろう。でも、今の人達じゃ分からないと思うが。
少なくとも、トレーシー・ハイドとかオリビア・ハッセーが歩いていても申し訳ないけどあまり興味がないね。
申し訳ないけど、初見の時のイメージは崩したくない。
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