「オリジナルアニメとしては満足、内容は不満」劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか オリオンの矢 かんきょうさんの映画レビュー(感想・評価)
オリジナルアニメとしては満足、内容は不満
一先ずの感想を挙げるならダンまちの映像作品としては良かった。
動くベル君たちを久々に見られたことは純粋に嬉しかったし、跳ねるヘスティアも、むくれるリリも、新ヒロインのアルテミスも可愛かった。オリジナルストーリーが見られたのも良かったし、その前座としてアプリ「ダンメモ」では前日譚を公開するなど、盛り上げも良かったと感じる。そういった点では満足だった。
ただ内容として評価するなら微妙、と評価せざるを得ない。
まずキャラの扱いが雑。
正直なところ、この映画においてはベルをはじめとするメンバーと、アルテミス、ヘルメスファミリアが焦点になっていたはずだ。
それ以外のキャラクターを、いっそ出さないならわかるのだが、中途半端に出すから質が悪い。扱いが雑だったり、その必然性が無さすぎたり。色々なキャラを出演させてあげたいのはわかるのだが。
例を挙げるならそれこそ噛ませ犬にされただけのアイズやレフィーヤは勿論なのだが、リューさんに関しても何故あれほどオラリオから離れた現場にいたのか、全くもって不明だ。
次に敵味方の強さがぶれすぎていたこと。
アルテミスがアルカナムなしに単身で戦えることそのものは別によかった。ただステータスとしてはLv1以下の神様が複数相手取れる程度のモンスターにそこまで苦戦するものか?と疑問がわく。
また、それ以外の戦闘シーンに関しても当たり前のようにLv4のリューさん、アスフィに、まさかのLv1のヴェルフが加わって魔剣も使わずアンタレスを足止めしていたこと…これは全く解せない。
正直なところアスフィが馬鹿の一つ覚えのごとく爆炸薬しか使わないのもなんだか…。
また、仮にも神様を食ったとか言うモンスターがLv4を2人+α程度に足止めされる…?と強さを感じなかったのも不満だ。どうせならそれこそロキファミリアやオッタルあたりでも噛ませにしておけば絶望感あったのになあと勝手に思ってます。
そしてみんな(特に神様方)に割と危機感がなかったこと。
いくら下界には不干渉だからといって崩壊の危機にすらアルカナムも使わないのかと。
一番の問題児は間違いなくヘルメス。正直、全てを知っていてオラリオどころか下界全てがヤバいと分かっていたはずのヘルメスが何も言わず、ヘスティアファミリアとかいう弱小ファミリアのみを連れていくのも訳が分からないし、神を殺すという段階になってもアルカナムも解禁せず眷属に手を下させるとかいう屑感が果てしなくどうしようもなかった。
ストーリーに関して、不満を持つ人もいるみたいですが、下界は守れて、アルテミスも救えて万々歳!大団円!になることは、ただの茶番になりかねないし、オリジナルキャラにすぎないアルテミスの今後の扱いに困る部分もあると思うのでしなくて良かったと思う。
特に、まだアニメ1期直後頃と鑑みるに、当然「全てを救える」ほどベル君はまだ英雄の器じゃないと、思うわけです。これで良かったのです。
と、長くなってしまいましたがこれもダンまち愛ゆえです。ご容赦ください。アニメ二期楽しみにしています。
むしろ、全てを救いきれないこの時期になぜこんなチート臭漂うボスの相手をさせたんだと(映画製作陣に)言いたい。もうちょっと適度な強さの敵を用意しろよと。
アルテミスは責任とって天界送還で丸く収まるんじゃないかな
映画とは、そもそも厳選するので、アニメほどの満足感を約束出来ないことがあると思います。
アニメ放送が大好きなのだとお見受けするので、そちらを変わらず愛されるとよろしいでしょう。