「ジョンコルトレーンは菩薩である。」ジョン・コルトレーン チェイシング・トレーン マランボーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ジョンコルトレーンは菩薩である。

2021年12月13日
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有楽町中央口前で鑑賞しました。当日はラッキーにも一号館の大型画面で、音響のいい館内で観ることができました。
私は16歳の時、偶然ラジオから流れてたトレーンの至上の愛に魂を揺さぶられました。生活保護家庭に育ち、鬱々とした毎日でした。トレーンのジャズに生きる希望が湧いてきました。「何なんだ!この音楽は」以来、ジャズ研究書や黒人問題や奴隷制度の本を読みあさりました。やがて、白人と先住民の交渉役となった縄文人の出自(アイヌ等)に関心がうつり、独学でネイティブアメリカンも含め勉強しました。
 チェイシングトレーンは映像とトレーンジャズの曼荼羅と思いました。トレーンの音と画面に身を置くことで三昧の境地「境涯」が得られます。
劣悪な社会環境のもとでのトレーンの葛藤。前人未到な縄文人の自然環境との相克。私は新装・増補改訂版「ジャズる縄文人」として上梓しました。両者共通項は「境涯」です。縄文時代は一万年を超え、自然との共生共助社会を持続可能にしてきました。とはいっても小競り合いはあったでしょう。ジャズでいうところのジャムセッションも、お互いを認め合う利他心が音楽として昇華した結実がジャズであり、豊かな縄文社会も同様と思います。考古学のみで縄文学は紐解けないと思います。故に、持続可能な社会のキーワードは人々の「境涯」と思います。チェイシングトレーン叉トレーンジャズは曼荼羅として存在します。故 鍵谷幸信の言葉を待つまでもなく、能動的ジャズ鑑賞により自己変革が可能です。境涯を高めることにより、持続可能な社会は可能です。トレーンジャズ鑑賞により、縄文人の世界観も再認識できると思います。
日本語字幕DVD発売を望みます。

マランボー
はいほーさんのコメント
2021年12月18日

コルトレーンは地上の我々に遣わされた一種の天使なんでしょうな。私もこの映画を観て、同じように「境涯」ということを思いました。図らずも『増補・改訂版 ジャズる縄文人』という書籍を通じて縄文とジャズの共鳴ということを感じていたのですが、本作を観て初めてその本質に触れた気がします。ありがとうございます。

はいほー