「【ニューヨーク52番街】」ジョン・コルトレーン チェイシング・トレーン ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【ニューヨーク52番街】
この映画は、ジョン・コルトレーン好きの語らいを眺める映画だ。
インタビューというより、ジョン・コルトレーンをはじめジャズの好きな人や、音楽好きの人に語りかけてるような感じなのだ。
ソニー・ロリンズや、マッコイ・ターナーから、ビル・クリントン元米大統領まで出てきて、あれこれ語らう。
それに、ジョン・コルトレーンの記録として残っている発言は、デンゼル・ワシントンの代読だ。
そもそも、この映画に収められているジョン・コルトレーンのストーリーとよく似た内容を、ずっと昔、僕はジャズ好きの友達から聞いたことがある。
ジャズを少し聴き齧り始めて、ミーハー気分でマイルス・デイヴィスを聴いてることを話をしたら、ジョン・コルトレーンを勧められた。
(以下ネタバレ)
その時に、ジョン・コルトレーンが薬物から立ち直った為人(ひととなり)や、長崎を含む日本ツアー、その後、あっけなくなくなってしまったことなどを、教えてくれた。
まあ、ただ、これは蛇足のようなもので、その際、僕は、友人の、日本人にはサックスの音色は好かれるとか、ジョン・コルトレーンの音楽の何が素晴らしいのか、あれこれ、結構長い時間、聞かされた。
その熱意だけはよく覚えていて内容の大半は忘れてしまったが、ジョン・コルトレーンは、生涯、実験的で、終盤の、彼のバンドの静と動が同居するような音楽が良いのだと言っていたことは覚えている。
そのせいや、僕の好きな村上春樹さんのいくつかの小説のなかでジョン・コルトレーンに触れる場面があることから、今は僕もジョン・コルトレーンのアルバムを、レコードやCD、ダウンロードで持っている。
村上春樹さんは、ジャズだけではなくて、クラシックからロックまで音楽好きで、ジャズとクラシックは本も出版しているし、現在はラジオの音楽番組も持っている。
村上春樹さんにもインタビューしてくれたら良かったのに......。
あと、余談だけれども、映画には、最後の妻と暮らし始めたのがニューヨーク52番街と言うくだりがある。
僕は、ビリー・ジョエルのグラミー賞最優秀賞に輝いたアルバム「ニューヨーク52番街」を思い出した。
このアルバムは、著名なジャズプレーヤーを招いたアルバムとしても知られていて、この録音スタジオがあったことから、このアルバムタイトルになったのだけれども、ジョン・コルトレーンゆかりの地でもあるのかと、感慨深く感じてしまった。