「最高だった」グッド・ヴァイブレーションズ 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
最高だった
アイルランド紛争渦を駆け抜けた、パンクムーブの物語。
チャートを駆け登ったバンドや楽曲が流れる訳でもなければ、主人公も少し丸い中年。舞台も紛争下のベルファストなので街も砕けているし影がある。
だけど実に輝きに満ちているんです。
実在した“ベルファストパンクのゴッドファーザー”テリー・フーリーがモデルで、とにかくその熱量がものすごい。
当時のフィルムも差し込まれるのですが、これが実に凄惨です。
幼少期の失明。宗教や政治思想による対立。
マイアミショーバンド事件も絡めるなど、常に先の見えない緊張下にありながらもまるで下を向かない。
それら全部“ロックとは全く関係ない”とばかりに突っ走るんですね。
レコード店を作り、パンクに夢中になり、レーベルまで立ち上げてしまう。
年齢や思想や立場も関係なく同じ音を愛する。
それはもう気持良いほどに、最初から最後までロックンロールなんです。
エンドロールではボウイを始めとした歌たちと、それと数々の写真がすごいマッチしてるんですよ。
何というか、10代の自分がうすうずして顔を出してくるようでした。
音楽、ロックンロール、パンクが好きな人には是非観てほしい作品です。
グッドヴァイブレーションズ それは生き方なんだ
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