「やっぱり大好きだなアナ雪の世界観!」アナと雪の女王2 幸せなひまつぶしさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱり大好きだなアナ雪の世界観!
オラフが相変わらず愛おしい。
不安や恐怖を感じても、どんな場面でも、それを笑いや楽しみに変えるその基本的思考回路は、私たちが見習わなければならないところかもしれない。
物語は、前作以降穏やかに幸せな生活をおくっているアレンデール王国でのエルサ、アナ、クリストフらの日常から始まる。
続編ならではの「その流れ本当に必要?」という後付けストーリー感は多少あるが、それは興業収入を期待する大人の事情もあるし致し方ないとして、
とにかく映像美が素晴らしい。モアナの頃から感じていたが、自然現象、特に水のアニメでの表現方法が素晴らしくリアリティがあり、クライマックスなどでは、実写版を見ているかのような壮大さと臨場感を感じられた。
エルサの気持ちが高ぶる場面では、その魔法の威力とともに映像や音楽の力強さや美しさに心打たれ、こちら側の感情もリンクしていく。
このあたりは、前作が人々の心に与えた影響をかなり踏襲していると思われる。
エルサの、心のざわつきにフタをせず困難に立ち向かっていく勇気と使命感は素晴らしいし、アナの、姉を思い相手を思うがゆえの一途さ必死さと、そして魔法を使えるわけでもないのに危険な状況にも恐れをなさず自分がいまできることをやる勇敢さは、綺麗事と片付けられない、日常で大切なことを教えられた気持ちになる。
エルサは、前作ではほとんどの時間、人と違う自分を周りから隔離し、自らの中に閉じこもっていたが、今作では相手や家族や王国のことを思い、他者に対する愛や相手のために自分ができることを力の限りやろうとしている。その力を自分だけのために使うか誰かのために使うかが、もしかしたら前作と今作で1番違ったところなのかもしれない。
それが吹替え版での声優の歌い方にも表現されていたように思う。前作で王国を飛び出して一人氷の城を建て独りになろうとするエルサの歌と歌声は、不安や絶望感をはらみ、力や感情を抑えてきた自分をもう我慢しなくていい解放感を謳歌はするものの、どこか孤独さと隣り合わせだった。しかし今回は、未知の旅へ向かうときでさえ、エルサが周囲への愛にあふれ、心は安定し、気持ちを強く持てていることがわかる力強い歌声になっているように思う。
ところで中盤に出てくる、あのクリストフの一人舞台はなんなのか。背景といい造りといい、昭和歌謡のカラオケプロモーションビデオ的な香りを感じ、思わずニヤついてしまった。
吹替え版と字幕版2本ともみたが、
字幕版…オリジナルの声優や歌が楽しめる
吹替え版…日本に住む人がみて面白いと感じる言い回しやユーモアがいいアクセントになり、より楽しめる。一方、歌の原語に日本語をはめることによる多少の違和感がなくはない。
どちらもメリットデメリットそれぞれだが、個人的にはオラフのおふざけをより笑えたのは吹替え版の方だったように思う。