「OVAならよかった」アナと雪の女王2 coin10さんの映画レビュー(感想・評価)
OVAならよかった
字幕で観ました。ディズニーの続編はだいたいがっかりつまらないでおなじみですが、今回もその例にもれず。
先によかったところを書きます。映像は前作に比べてきれいになっていました。3年たって少し大人になったキャラクターたちのデザインも細かいところまでかわいい!
ところどころに挟まれる前作ネタも、オラフの相変わらずの性格もくすりと笑わせてくれます。そういうところはさすがディズニー、映像作品としてみるにはよいかと思います。
悪かったのはただただストーリーに吸引性がないこと。
言ってしまえばこれだけですが、作品としては致命的でした。
この理由は以下の3つに分けられます。
①エルサの動機が薄い
②登場人物たちの行動のベクトルがバラバラ
③ミュージカルシーンの面白さが前作に比べて半減
①エルサの動機が薄い。
個人的にはこれが一番ひどかった。
映画の最後の結末を言ってしまうと、エルサがアナと国を別れて森で暮らすことになります。
ディズニーあるあるというべきか、続編になると1作目で仲の良かった二人が離れ離れになる展開ですね。最近では【シュガーラッシュ オンライン】、【トイストーリー4】でもありました。まあ、それ自体は良いです。
ただ、別れを書くならば、そこに至るまでの描写を丁寧に描くべきではないでしょうか。
長年つきあってきた親友と価値観の違いによって少しずつすれ違ってしまったラルフ、子供たちのために尽くしてきたが子供に大切にされなくなって自分の存在理由を見失いかけていたウッディ。
そこには必ず、その選択をしなければならなかった人間の葛藤やさびしさがありました。たとえゲームキャラやおもちゃだったとしても。
これらの2作だってお世辞にも最高とはいいがたい作品でしたが、それでもそこは書いていました。作品のラストにつながるとても大切なシーンだからです。対するエルサには何があるでしょう。
「自分を呼ぶ声が聞こえるから」
「本当の自分は精霊だったから」
いやばかやろうか。
自分を受け入れてくれた家族と団らんして、愛する人たちがいるから「そこ」にはいけないとうたいつつもその声はうっきうきです。最初から捨てる気満々じゃないですか。あれほど大変な思いをしてようやく心を開くことができた自分の家族を、3年間おさめてきた自分の国民たちと離れることになっても、そんなのどうでもいいのか?
いやもともとエルサってひとは自分の殻に閉じこもって、ばれたらさっさと逃げ出してレットイットゴーしながら氷の城に引きこもる自分勝手な人なんですが、それでも3年ともに過ごしてきた人たちに対して何か変わったと思いたかった。
そんなのだからラストの別れでもまったくカタルシスはありません。「なんか精霊だったんで森で暮らすわ。私たちこれから国と森をつなぐ橋になりましょうね」「特にそこについて会話はしてなかったけどエルサが氷の風で伝えてくれたからオッケー。あたし女王になるわ。金曜日にはゲームしに国に遊びに来てよね!」
この別れになんの意味があるのでしょう? お姉ちゃんが実家からちょっと離れたところで一人暮らし始めたレベルでは? 最初をきちんと書かずに派手なアクションやら小ネタや両親の歴史や過去のあやまち等ほうぼうに走りまくった挙句ゴールを見失ったよくある凡作。この作品はこれにつきます。
残りの二つに対してはたいしていうこともないのですが簡単に言うと
②登場人物たちの行動のベクトルがバラバラ
彼らの物語は簡単に言うとこうです。
エルサ:自分を呼ぶ声が聞こえるからその声のするほうに向かう。その道中で両親のことや祖父の隠してきた罪、自分の力の秘密を知る。
アナ:エルサが心配だからとりあえずついていく。ところどころクリストフといちゃつく。
クリストフ:アナにプロポーズしたい。
オラフ:いつものオラフ。
誰も同じ方向を向いていない。これでどうやってキャラがかみ合うと思ったのか。前作では真実の愛とはなにかというテーマを中心に登場人物が複雑に絡み合い、ひとつのゴールに向かっていきました。
今回はなんなんですか? エルサの自分探しと、クリストフのプロポーズ物語はまったく独立した二つの話です。そんなんだから話がごちゃごちゃに混ざって、アナはそれに引き裂かれていてかわいそうでした。アナはエルサのためと言いながら道中で隙あらばクリストフといちゃつき、そのくせちょっとクリストフの姿が見えなくなればさがしもせずにおいていく。
仮にも前作の主人公の一人なのに完全に脚本家に都合のいい舞台装置にしかなっていません。
③ミュージカルシーンの面白さが前作に比べて半減
音楽は相変わらずよかったです。イディナ・メンゼルの歌声は相変わらず最高。オラフが最初に歌う曲もよかったですね。
ただ、前作の恋に落ちた二人が時計の前で人形のように踊るシーン、氷の城を踊りながら作り上げていく圧倒的シーン、見ていてわくわくさせられる、そういう映像的な面白さが今回はほとんどないように感じました。イントゥジアンノゥンはよい曲ですが、レットイットゴーと比べるとあまりにも地味。唐突に始まり無駄に長いクリストフの歌(イケメンとはいいがたいクリストフの顔のドアップと大量のトナカイが延々とながされる)に関しては下手なMVを見せられているようで苦痛でしかなかったです。あれ、面白いと思ってやってるんですか?
と、ここまでいってきましたが、まあOVA「アナと雪の女王/エルサの大冒険~第五の精霊のひみつ~」とかいってAmazonプライムとかでコーラ片手にみるなら「そういうのもあるかな」と流せたかもしれません。
アナと雪の女王の2という看板と期待を背負わせるには重すぎた。
今作の感想は以上になります。
作り手側のことを考える、、仮にそういうレビューを書いて評価を付けているのなら止めて下さい、
サクラレビューを見たいのではなく、真実のレビューを見たいのだから、
本当に、作り手側のことを考えるのなら、厳しい言葉も必要だと、
作り手側もプロなんだし、甘やかすだけが応援ではないのだから、
80年代のMTVのパロディーを入れるということが疑問かも、
レビューを見ると、子どもが真顔だったって、、
80年代のMTVのパロディーと知らなくても受けるなら成功で、知らないと受けないのなら失敗だと、
この作品を見るのなら、この程度の想像力が必要で、この程度の知識は入れといてね、と要求する作品は厳しいかも、、
全く同感です。
そう、吸引力がないんですよね。
はあ〜そうですか、と観ながら話に入り込めず仕舞い。
私の意見を明快な論旨で代弁いただいたので、私はコメント書かずにすみました(^^;)
飛び入りで失礼します。
作品の中で鑑賞者に伝わるように描かれていないことについて、想像力で補った推察を述べるのは、そもそも論点が異なりますので、これは反論でも反証でもありません。
ただ、エルサの今回の選択は十分あり得ることだと納得した者の理路を示すことは多様性の観点から、多少は意味があると思い、お邪魔させていただきました。
❶特別な力を持っているのは「広い世界で自分ひとりだけ」であることの〝孤独感〟はいかに円満な人間関係の中で時間を過ごそうとも、解消できない。
❷人間社会の悲しい性(さが)として、自国の女王が一度は、気候変動という危機状況を作り出したことへの潜在的な恐怖心(それは近隣諸国においても、女王の力で征服されるかもしれないという仮想敵国としての恐怖感も煽ることになり、紛争勃発のリスクを高める)はそう簡単には拭えない。このことは前作でも描かれていました。
❸そのような漠然とした一般国民の不安はどこかから漏れ伝わるものであり、エルサは(特別な能力を持たざる人にはどうしても実感できないので)妹に相談したとしても解決出来ない本質的な悩みと国民の不安を解消できないという自分の能力への罪悪感を抱え続け、自分には〝居場所〟が無い、という思いにずっと囚われてきた。
❹今回の決着によって実現したのは、次の三点。
・エルサが自分の居場所を確保できたこと
・普通の人間であるアナが統治することで特別な能力が発揮される恐怖が遠ざかる。
・エルサは本来の居場所に住まうことで精神的にも安定し、突発的に能力が発動するリスクも軽減。
❺一連の出来事でアナの精神的な強さが国民にも示されたうえ、エルサとの強力な信頼関係を背景とした安全保障システムの確保(一定頻度でエルサとの交流が続くので、他国も迂闊に手を出せない)もできたので、アナの統治者就任は極めて合理的判断。
映画としては、こんなに理屈っぽく描かれることはありませんが、エルサの心情を推し量ることはそれなりにできると考えています。ほとんど妄想ゲームのようですが、ダムの破壊などは現実世界のメキシコ国境に作られたフェンスの破壊の象徴のようでもあり、トランプ大統領の影響がこんなところにまで及んでいるのかもしれないと感じたのも事実です。
以上、長々とすみませんでした。
ディズニー映画が好きでアナ雪1を観に行きましたが前作があまりに内容が薄く、途中で寝てしまうくらい退屈で先々週金曜ロードショーで放送されるまで2回目は観ませんでした。エルサが真実の愛()に気付くのもアナが生き返るのもあまりにもさらっとされて小学生が観る用で大人には物足りない…アンパンマンの映画の方がよっぽど泣けます。前作は歌だけ印象に残った感じで、2作目は期待出来るかな??と思いチケットを購入……しかし、やはり今回も薄いんですね🤦♂️
私も見終わって、なんか腑に落ちないなぁと思っていた部分がこちらのレビューを見てスッキリしました。
私も全く同じことを感じていました。
映画、前回のアナ雪だけで終わらせてても十分良かったんじゃないかな?と思いました。
公開初日に見ましたが、全く同じ事を感じました。
子供達は、アナ雪1には夢中でしたが、アナ雪2は内容が理解できず。映画を見終わったあとに面白かったねー!ではなく、「どうしてエルサだけ魔法使いなの?」「どうして別々に暮らしたの?」「エルサは最後、何になったの?」「エルサとアナのお母さんは結局何だったの?魔法使いだったの?」等々わからないことだらけ…。
歌も音程が難しく歌詞も暗いため、なんだか耳に残りずらかったようです。
大人の私でも、歌詞について、
共感しずからかったり、歌詞が引き付けられるようなものでもないような気がして。
改めて、アナ雪1のストーリー、歌(歌詞や曲)、衣装などの素晴らしさがわかったような気がしました。
どうしても物足りなさを感じてしまい、アナ1と比べてしまう自分がいました。