「スカーよ、永遠に幸あれ!」ライオン・キング 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
スカーよ、永遠に幸あれ!
アニメも劇団四季も知らない『ライオンキング』初体験組です。
人間を描いたという意味で、スカーはこの作品において唯一無二の存在でした。彼は人間の弱さと情けなさの殆ど全てを体現してたのではないでしょうか。
・なぜ王が王としての崇敬を集めているのかも考えず、嫉妬する。
・現状への不満を他者のせいにする。
・俺はこんなものじゃない。このままじゃ嫌だ!
・兄王・シンバともに決して自分では手をかけない。
→いつも最期のとどめをヌーやハイエナに委ねているが、これは最終的な責任を負いたくないというずるさの表れではないか。なんだかんだ言っても〝悪〟になりきれない弱さを露呈している。
・あの崖っぷちの土壇場で、兄王の死の真相を明かしたのは、スカーの立ち場から見たら間違いなく愚かな行為なのについ言ってしまったのは、自意識のなせる技だと思う……ここまでうまく運べたのは、俺の緻密な謀略があったからだということを誰かに知って欲しいし、なによりも誰かに認めてもらいたい、評価して欲しい。
・実は王になりたかったのではなく、周囲に認めて欲しかった(参謀的な存在やシンバの教師役として認められる道もあるのに気が付かない)
スカーの言動は、どの局面でも人間ならではの(ライオンですが)弱さや視野狭窄に陥った時の卑屈さが垣間見え、多くの人にとっても決して他人事とは言えないようなものだったと思います。
生まれ変わったら、今度は幸せになって欲しい。
ざここさん、コメントありがとうございます。
幼い頃から何かと人と比べて評価される環境で苦しむことの多い現代人にはシンバへの共感性を持つのが難しいという点は否定できないと思います。
『世界にひとつだけの花』を聞いて育った世代の親御さんたちも子どもの受験や就職で躍起になってる人が多いですよね。
コメントありがとうございます。
ウィキペディアによると、七つの大罪は以下7つ。
高慢 superbia pride
物欲(貪欲) avaritia greed
ねたみ(嫉妬) invidia envy[注 1]
怒り ira wrath
色欲(肉欲) luxuria lust
貪食 gula gluttony
怠惰
シンバは一時的に怠惰な生活を楽しんでたし、スカーは王妃を狙ってたし、すべての要素が描かれているとも言えそうですね。妄想が膨らみます。
琥珀さま、
スカー中心のレビューはお見事!
スカーの意味は「傷」なので顔の傷そのままですが、
ネットで調べてみると、本名「タカ」という名があることがわかりました。
スワヒリ語で「欲望」という意味らしいのですが、
王の座への執着という点でピッタリですよね・・・