「魔法は大失敗」メリー・ポピンズ リターンズ komacさんの映画レビュー(感想・評価)
魔法は大失敗
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オリジナルは昔テレビで見たような見ないようなで、あまり記憶がない。で、この続編はまったくつまらない。ミュージカルが苦手というのを差し引いても、どこを楽しんでいいのかわからない謎の映画。音楽はやたら威勢よく鳴り響いているけど、抑揚に乏しく、印象に残るメロディーもない。アニメと実写の合成シーンもあるけど、今さらどうした、という感じは否めない。大恐慌の時代が舞台で銀行家が悪役だけど、真剣に資本主義の矛盾を描いているわけでもない。マイケルの姉は労働運動家という設定だけど、まったく話には活かされない。失った子ども心をどうのこうのという話でもない。マイケルは本来は画家で、生活のために銀行で働いているというのだが、彼の画家として再生が描かれるわけでもない。だいたい絵描きが生活のために勤め人になったからって、絵を捨てるわけないだろう。脚本は粗雑で御都合主義のかたまり。ラスト近くの取ってつけたような老銀行家の登場には唖然とするしかない。大愚作。
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