劇場公開日 2018年9月14日

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「~「『何もしない』をすることが、最高の『何か』につながる。」~」プーと大人になった僕 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5~「『何もしない』をすることが、最高の『何か』につながる。」~

2018年11月16日
PCから投稿

泣ける

楽しい

幸せ

【賛否両論チェック】
賛:毎日の生活に忙殺され、大人が忘れてしまったのんびり生きる素晴らしさを、観ている側も主人公と一緒に、再びプー達から教えられるよう。個性豊かな森の仲間達の姿も、微笑ましくて温かい。
否:テーマ的にも内容的にも、どちらかというと大人向けなので、小さい子にとっては少し退屈かも知れないのが、たまに傷。

 大人になるとどうしても忘れてしまう、楽しくありのままにのんびりと生きることの素晴らしさを、改めて感じさせてくれる作品です。子供の頃は、プー達と共に「何にもしない」ことで毎日を楽しんでいたはずのクリストファー・ロビンが、大人になって家族が出来ると、日々の忙しさに追われ、現状打破のためにも「何かしなくちゃいけない」という観念にとらわれてしまう様子には、非常に印象深いものがあります。
 そしてそんなクリストファーに、再び救いの手を差しのべてくれるのも、またプーとその仲間達。難しいことは分からないけれど、だからこそシンプルかつ真っ直ぐに行動するプーの姿は、とてもユーモラスで可愛らしいと同時に、我々大人達が忘れてしまった純粋な遊び心を、どこか呼び起させてくれるようで、心が温かくなります。ラストのシーンは、大切なものに気づいたクリストファーの家族愛に溢れていて、非常に感動的でした。
 という訳で、結構大人向けのストーリーなので、お子様にとっては意外と退屈かも知れません。どちらかというと、大人同士でほんわかしながら観たい作品といえそうです。

映画コーディネーター・門倉カド