「自分を見失いがちな現代に生きる全ての大人へ」プーと大人になった僕 Ko Fuさんの映画レビュー(感想・評価)
自分を見失いがちな現代に生きる全ての大人へ
思いの外、人間描写が生々しく、単なるディズニー映画の実写版というわけではないと聞かされていたが、確かに内容は大人向けだった。それも割りと年配を狙って作られている。
人生の迷子になった大人が自分を取り戻す物語であり、冒険部分は少ない。それを目的に観ると面白くないかもしれない。また、まだ迷子になっていない、もしくはこれから社会に出ようとしている若年層には向かないだろう。説教くさい映画だと思ったのなら、クリストファーが何に悩み、何に苦悩して、なぜあんな態度をとらざるを得ないのかを知ったとき、この映画を改めて見てほしい。
なぜ100エーカーの森が霧に包まれていたのか、なぜプーだけが先にクリストファーと再会できたのか、それらに気が付くと、物語の深さに感心するだろう。
ところで、ディズニーアニメ版のプーではクリストファーとプーの別れの部分までは描ききっていなかった為、どう話を繋げてくるのか疑問だったのだが、ちゃんと絵本の最終巻を元に物語を作っており、脚本の丁寧さに感心した。
プーたちを中途半端なCGではなくガッツリ動く人形として描いたのも物語にマッチしており良い。
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