来るのレビュー・感想・評価
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まさかのクリスマス・ムービー!
「あれ」は、来る前からすごかった。
親の付き合いであれこれ観慣れているはずの子が、本作公開前の数カ月、予告が始まった、と察知した途端に耳を塞いで縮こまる。映画館内のポスター前を通るのも、そそくさ。チラシにも手を伸ばさず。余りの怯えっぷりに、「本編はどんなにすごいんだろう」という期待がむくむくと…。当然、子にはきっぱりと拒絶され、久しぶりに単身で悠々と映画を観た。
何より本作がユニークなのは、理不尽で不可解な「あれ」に立ち向かう側が、複数の対(夫婦、恋人、姉妹、友人…)を成し、入れ子細工のように入れ替わり立ち替わりしていく点だ。主人公がいて、それを支えるパートナーがいて…という定番は一切なし。しかも、それぞれのキャラクターが曲者で、あれやこれやと物語に「仕掛け」てくる。中でも印象を残すのは、主役然としながらも頼りない、妻夫木聡演じる秀樹と、じわじわと存在を出していく、小松菜奈演じる真琴だ。(松たか子演じる姉で霊媒師の琴子は、唯一最後までぶれないので例外。)
秀樹の軽薄さ、からっぽさにはかなりイラつく。その顛末には「自業自得」と思ったものの、終盤でクッキーを前にしょんぼりする姿には、思わず苦笑。そんな悪い奴ではなかったのかも、と気持ちが和らいだ。イクメンぶった言動は、家族への責任感ゆえの不安の裏返しとも思われ、冒頭の滑稽なほどの必死さを思い返すと、少ししんみりするほどだった。
一方、苦労の連続の黒木華演じる香奈は、最後までいいとこなし。母のため、子のため…と食べてもらえないナポリタンを作り続け、最後は結局母親と同じ轍、とガッカリな方向へ流れてしまう。真に母親側の思いを代弁するのは、真琴だ。凡人ながら果敢に「あれ」に立ち向かう。ぶっとんだメイクやファッションがいつしか気にならなくなり、彼女の声や表情がひしひしと伝わってくるのに驚いた。不安を抱えつつも、危険や痛みをいとわず、最後は自分の直感を信じて突き進む。まさに、子育てを通して育っていく(育てられていく)母親そのもの、な気がした。
怖いけれどおもしろい、すっきりしつつももやもやする。そんな矛盾の振り幅が、ホラー映画の醍醐味だと思う。解決したのか惨劇の始まりなのか、のエンディングのバランスは手堅く絶妙だった。ホラーにして育児もの、そして実はクリスマス・ムービー!な本作。ああ面白かった!とほくほくしながら帰宅した後、ふと日常と映画がかぶってぞっとしたり、考え込んだりすることが今も度々ある。一人の胸に収めておくのは、ちょっともったいない。できれば次は複数でわいわいと観て、あれこれ感想を話し合ってみたいと思う。
中島哲也がホラーを手がけると……
「告白」「渇き。」の中島哲也監督が、岡田准一を主演に迎え、「第22回日本ホラー大賞」で大賞に輝いた澤村伊智の小説「ぼぎわんが、来る」を映画化すると聞いた際は、どのようなホラー作品になるのかワクワクした気分になったものだ。
しかも共演陣は妻夫木聡、黒木華、「渇き。」の小松菜奈、「告白」の松たか子。
さて、本編を観て感じたのは、「これはホラーなんだろうか?」ということ。
その論点さえ横に置いておけば、ギクッとする瞬間も、爆笑する瞬間もあり、個人的には楽しめたのだが……。いずれにしても、人は見る角度によって全く異なる見え方をするということを、改めて提示した作品でもあった。
ホラー名手による別バージョンも夢想してしまうが、松&小松の霊媒師姉妹で続編も観たい
原作は澤村伊智のデビュー作で滅法面白い。中島哲也監督は主要人物の造形に力を入れ、人間の裏の顔の恐ろしさを強調したので、小説版の化け物ホラーの要素を期待するとあてが外れるかも。これが例えば、黒沢清などのホラー名手によって映画化されたら、どんな怖い映画になったかと夢想してしまう。
一方で、比嘉琴子と真琴の姉妹を演じた松たか子と小松菜奈は、原作にあった数少ないユーモア要素も含め、キャラの魅力を的確に表現していた。小説は比嘉姉妹シリーズとしてもう2冊出ているので、松&小松のキャストで続編も可能では。中島監督のエンタメ路線の継承でもいいし、ホラーに回帰してもいい。
終盤のお祓いの儀式は大仰だが、考えてみると神事は非現実的な存在を前提にしたイベントだから、お祭りの賑やかさで除霊をするというのは意外に正しいのかも。「信じる者は救われる」の言葉と合わせ鏡で、「呼ぶ者のところに、ぼぎわんが来る」のだ。
編集段階で大コケしたんだろうか
ひどく疲れる構成のおはなしだった。
ホラー映画の上映時間の相場は90分と決まっているのに、監督は「僕自身はホラー映画を撮っている自覚はなくて」なんて語っているところを見ると、編集権を握って離さなかったのだろう。はっきり言って、ムダに長い印象が強い。
そして、才能のムダ遣い感。これが大きい。
監督の実績とネームバリューで、オファーを断らない俳優がたくさん集まった。特に、日本映画界で高く評価され、集客力のある岡田准一、松たか子、妻夫木聡、この顔触れがそろって、映画がヒットしなかったのは単純に「面白くない」からに他ならない。
致命的なのは、この映画に一本大きなスジが通っていないこと。どうして、霊媒師琴子を主人公として、ストーリーの軸を構成しなかったのだろう?そして「あれ」との対決を進行していくことで、とてもシンプルで皆が共感できる映画にできたはずだ。(まあ、それだとただの日本版『エクソシスト』になってしまうだろうが)
「あれ」との対決をめぐって、いくつかの角度で登場人物たちのドラマが展開するが、重複する描写も含めて、前半と後半のストーリーがまるで「章仕立て」のようにブロック構成されていて、時間軸も進んだり、戻ったりする。
この時間の使い方が、致命的につまらない。これは、編集段階でどうにでもできたはずで、画作りにこだわる中島哲也監督の信頼を得た、有能な誰かが、面白く編集できたはずだ。
いい素材がこれだけ集まっていて、全然面白くならないのだから非常に残念である。『下妻物語』『告白』『パコと魔法の絵本』『嫌われ松子の一生』いずれも女優の見たことのない一面を引き出した傑作で、この監督が好きになった。ところが、『渇き。』で、その信頼が揺らぎ、今回で絶望的に興行映画の世界から身を引いてしまった印象を受ける。
今作でも、松たか子、黒木華、小松菜奈の新鮮な一面は垣間見えた。特に黒木は、表の顔と裏の顔、それを共感できる一人のキャラクターとして破綻なく演じていて、女優としての強力なポテンシャルを感じた。映画が面白ければ、賞レースで評価されていてもおかしくない演技だと思う。映画全体でも、映像としての迫力も、演出も悪くない。それで面白くならないのだから、絶望的だ。
主人公を琴子さんにしてもらえませんか
告白の監督の作品なんですね。
キャストが豪華すぎて驚きました。
序盤は秀樹、中盤は香奈、終盤は野崎に焦点を当てていて、同じ作品を観ているのにどんどん色が変わっていくような印象。
序盤、中盤はオカルト要素薄めで知紗の両親について丁寧に描いていたと思うのですが、終盤は一気にオカルト色。
アレに立ち向かうために祓い屋が集結するあたりは中二心をくすぐられました。
あと、琴子さんのキャラクターがかなり好きでした。
個人的にはそれだけで満足度高かったけれど、あのラストは頂けなかったかな。
終盤はただでさえ説明不足感があったのに、結末まで放り投げれて消化不良な感じ。
トンデモホラーの内に潜む、“人間の持つ二面性”の恐怖
【イントロダクション】
澤村伊智によるホラー小説『ぼぎわんが、来る』を原作に、岡田准一主演で映画化。
怪奇現象に悩まされるサラリーマンからの依頼を受けたオカルトライターが、正体不明の訪問者である「何か」と対峙する事になる。
監督・脚本は『嫌われ松子の一生』(2006)、告白(2010)の中島哲也。その他脚本に、岩井秀人、門間宣裕。
【ストーリー】
かつて幼き日に、田原秀樹は仲良くしていた女の子から「何かに連れて行かれる」という話を聞かされる。そして、「アレ」はいずれ秀樹の事も狙うという。何故なら、彼は嘘吐きだからである。
やがて、成長した秀樹(妻夫木聡)は、婚約者の香奈(黒木華)を連れて親族の13回忌の為に帰省する。母親による片親育ちで、その母親とも良好な関係を築けていなかった香奈は、田舎特有の親族同士の密接な付き合いに困惑する。しかし、秀樹からの愛を受け、香奈は彼との結婚を決意し、2人は盛大な披露宴を上げる。式には秀樹の友人達も多数参加し、その中には秀樹が特に親しくしている津田大吾(青木崇高)の姿もあった。
新婚生活後まもなく、香奈の妊娠が発覚し、秀樹は幸せの絶頂に至る。彼は子育ての様子をブログで発信する事にし、小さなアパートから目の前に公園のある高級マンションに移り住む。そんなある日、勤務中の秀樹の元に謎の来客が訪れたと部下の高梨から聞かされる。訪問客は「チサに用がある」と要件を告げたと言うが、秀樹には心当たりがなく、また「チサ」という名前は、誰にも告げていなかった生まれてくる娘に付ける予定の名前だった。
会社の玄関ゲートにやって来た秀樹だったが、訪問客の姿は見当たらない。後を追ってやって来た高梨に訪問客の特徴を尋ねるが、高梨は自分でも不自然に感じる程にその姿を記憶していなかった。すると、高梨の左肩甲骨の辺りに謎の傷が発生し、現場は悲鳴に包まれる。幸い大事には至らなかった高梨だったが、医者も原因不明だという。
そして、田原家に待望の第一子である知紗が誕生する。その感動をブログに綴る秀樹。幾日かの休みを経て、会社に復帰した秀樹だったが、高梨の姿が見当たらない。実は、高梨は秀樹が休んでいる間に症状が悪化して入院生活を余儀なくされていたのだ。見舞いに訪れる秀樹に、高梨はずっとひた隠しにしてきた本音を吐露する。やがて、高梨は死に至る。
2年後、ブログも好調でパパ友仲間から崇拝されている秀樹は有頂天になっていた。しかし、ブログで綴られる華々しく幸せに満ちた子育て生活とは裏腹に、香奈は育児ノイローゼに陥って家事を放棄しており、部屋にはゴミが散乱し、台所のシンクには洗い物が溢れていた。
不意に眠りに落ちる秀樹。夢の中で、幼い姿の秀樹は田舎の自宅玄関にて、知紗を求める「アレ」の訪問を見る。目を覚ますと、知紗も「アレ」が自らを求めてやって来たと告げる。
不安に駆られた秀樹は、津田に相談し、彼の紹介でオカルトライターの野崎(岡田准一)と出会う。冷めた態度の野崎に連れられ、秀樹達はキャバクラ勤めの霊能者、真琴(小松奈々)を紹介されるが。
【感想】
公開当時のX(旧Twitter)での反応や、その後の本作の扱われ方から、“トンデモホラー映画”という認識でおり、2つの意味で「怖いもの見たさ」で鑑賞した。
なるほど、確かに心霊的なホラー演出やオチを期待すると肩透かしを食らうかもしれない。しかし、本作で描かれている「恐怖」とは、霊的な恐怖以上に「人間の二面性の恐怖」だったのではないかと思う。「霊的な怖さ」と「人的な怖さ(所謂:人怖〈ヒトコワ〉)」を一緒くたにする描き方には賛否が分かれそうだが、その描き方にも私は「賛」の立場である。
「何が霊的な干渉によるもので、何が人の闇によるものかが分からない怖さ」という、恐怖の詳細、境界線を曖昧にした描き方は、最終的には「結局、全ては人が生み出した怖さ」に帰結すると思うからだ。そう捉えると、本作は中々に怖い作品だと言えるし、豪華俳優陣の熱演も相まって楽しめる一作だった。
オープニング映像に、『ドラゴンタトゥーの女』(2011)もといデヴィッド・フィンチャー監督作を彷彿とさせる凝った映像を用いる様子は非常に好みである。
また、物語を3章仕立てで構成し、それぞれの章ごとの主人公の視点で全体像が浮かび上がっていく描き方も興味深かった。
第1章は田原秀樹の視点、第2章は田原香奈の視点、そして、第3章でようやく主演の岡田准一演じる野崎和浩の視点で全ての決着が描かれる。
惜しむらくは、台詞(特に野崎)をボソボソ声で語らせる演技指導のせいで、何を言っているのか聞き取れない箇所が度々あり、結局字幕表示で鑑賞する事になってしまった点だ。
【第1章:田原秀樹の視点】
サラリーマンとして順調なキャリアを築き、社内で人気者(表向きは)として君臨している彼は、他の登場人物から語られる過去の女性遍歴からは正反対の香奈と結婚する。
秀樹の友人女性達の「地味じゃね?」「意外だよね。秀樹がああいうの選ぶのって」という台詞があるが、まさしく、散々派手に遊び回った女垂らしの男性が、身を固めようとして従順で誠実そうな女性をパートナーに選ぶというのはあるあるである。
知紗の誕生後、立ち上げたブログサイトで理想的なイクメンパパの優雅な日常を綴っていく。しかし、それは自分の描いた理想のストーリーに家族を巻き込んで当て嵌めていく“家族ごっこ”に過ぎない。虚飾で塗り固められた日々は、見方によっては途轍もなく不気味に映る。
やがて、ブログで理想の家族生活を発信する事が生き甲斐になっていた、まさに幼少期の「アンタ、嘘吐きやから」という台詞の通りな秀樹は、「アレ」に命を狙われる。やがて、かつてTVを騒がせた霊能者の逢坂セツ子(柴田理恵)や、真琴の姉・琴子(松たか子)の助力虚しく、秀樹は「アレ」によって下半身を奪われて、自宅のリビングにて無惨な姿で息を引き取る。
ところで、秀樹の会社の同僚で、彼に少なからず好意を寄せていた(高梨の話によると、以前に手を出した可能性がある)美咲の存在は何だったのだろうか。秀樹に捨てられた腹いせか、新居パーティーで家賃の値段を知っていると発言して場を沈黙させたり、後日津田とデートした事を報告して彼の嫉妬心を煽りたかったのであろうか。彼女も謂わば、人間の持つニ面性の恐ろしさを体現する1人だったのだろうか。
【第2章:田原香奈の視点】
1年後。秀樹の死後、香奈はかつてのようにスーパーでパート店員として勤務し、シングルマザーとして幼い知紗を育てなければならない生活にウンザリしていた。
秀樹の理想を最優先にした空虚な夫婦生活と育児生活の裏で、香奈は次第に精神を磨耗させていた。
やがて、香奈にも「アレ」の影響が見え始め、とうとう知紗の面倒を真琴に押し付け、自分の好き勝手に生きるようになってしまう。不倫関係にあった津田の元を訪れ、身体を重ねる。しかし、遂に香奈も「アレ」の餌食となってしまう。
秀樹のハリボテのイクメンっぷりに耐えかねて暴れ回り、隠蔽する為に「アレ」の仕業に見せかけた香奈の姿は、悲しくはありつつも恐ろしく感じた。
【第3章:野崎和浩の視点】
知紗を守ろうとして、重症を負ってしまった真琴。彼女の病室を訪れた野崎の前に、真琴の姉・琴子が現れる。琴子は秀樹のマンションに「アレ」を呼び寄せて祓うため、全国各地から有力なユタや霊媒師、神主達を呼び寄せる。しかし、「アレ」の力は予想以上に強大であり、半数が辿り着く前に命を落とした。
琴子は警察の協力まで取り付け、マンションの住民をガス漏れ事故を理由に退去させ、祓いの儀式の舞台を整えさせる。
最終章だけあって、これまでの要素が一気に集約し、クライマックス感のある展開を見せる。
野崎のキャラクター性が、前2章の主人公や比嘉姉妹と比べると弱く感じられてしまうのは残念だが、恋人との間に出来た子供を堕させている過去は、「アレ」の正体と相まって興味深かった(詳しくは後述)。
また、津田の本性も恐ろしい。秀樹から香奈を奪う事を目的に、彼女に優しく接して篭絡し、秀樹の遺影の隣に魔導符を仕掛ける。香奈と身体を重ね合わせた瞬間の背中の夥しい傷から、彼もまた「それ」の影響下にある事は明らかだが、その根底には彼の邪悪な本性があるのは間違いない。
【超豪華俳優が“来る”!その中でも一際輝く女性キャスト陣】
本作は、とにかく豪華女優陣の演じる女性キャラクターの魅力が炸裂しており、それぞれが演技力の高さから抜群の存在感を放っている。
小松奈々演じる真琴は、姉である琴子への憧れから独力で霊能力を獲得し、ピンク髪とパンクファッション、タトゥーと、およそ霊能力者とは思えない出立ちをしている。また、見た目だけでは演じているのが小松奈々だと思えない程だ。しかし、粗暴な見た目に反して根は優しく子供好きであり、それが度々知紗の窮地を救い、結果的に彼女を救う事になる。
対する松たか子演じる琴子の出立ちは、左眼に負った傷をサングラスで隠し、整えられた黒髪ロングに黒づくめの姿と、一つの典型的な霊媒師らしい姿をしている。落ち着いた声のトーンで淡々と事態を説明し、冷静な判断を下す姿に、「最強の霊能力」としての格を感じさせる。
そんな個性豊かな霊媒師姉妹に負けず劣らずな活躍と存在感を示すのが、柴田理恵演じる逢坂セツ子だ。公開当時ネットでも話題となり、芸人「春とヒコーキ」による『バキ童チャンネル』でも度々話題に上がるのだが、なるほど真似したくなるのも分かる魅力的なキャラクターだ。また、普段バラエティ番組に出演している柴田理恵の姿が印象的な私としては、彼女がこれほどまでに抑えたトーンと個性的なキャラクターを演じている事に驚かされた。
「痛いですか?生きているということは痛いということです。傷が付き、血も流れます」
未だ自らの死を認識出来ずにいる秀樹の霊を成仏させる際の、拝借した野崎のナイフを彼の手の甲に突き立てる際のこの台詞が素晴らしかった。
【「アレ」の正体とは】
作中、秀樹の田舎の親族が子供を躾ける為の怖い話として、「ぼぎわん」とその名を語る。また、津田は民俗学者の立場から妖怪の仕業と考察する。
調べると、原作では「ぼぎわん」とは宣教師が伝えた「ブギーマン(欧米の民間伝承に登場する妖精、もしくは怪物)」の発音が訛って伝わったものだと語られているそう。また、作者の澤村伊智によると、「アレ」の正体そのものが重要なのではなく、「人々に恐れられている」という恐怖そのもの。「誰がどんな反応をしたか」を重要視しているそうで、詰まるところ、自由な解釈も可能という事である。
しかし、映画版ではある程度その存在を絞れるヒントが散りばめられている。それは、「望まれずに生まれてしまった子供達、生まれてきたかった子供達、そうした複数の魂の集合体」なのではないかという事を匂わせている。
大昔から、日本では望まれず生まれた幼い命を殺して捨て、その行為は「子返し」と呼ばれてきた。
そんな「アレ」、いや彼らは、言わば人間の持つ「生きたい」という思いそのものなのではないかと思うのだ。そう考えると、その存在は何とも哀しい。
【総評】
前評判から受けた印象とは違い、トンデモ要素の中にも確かな「恐怖」が伺える作品だった。それはまさしく、「人間の持つ怖さ」に他ならない。人間の二面性とは、斯くも恐ろしいものかと痛感させられた。
そして、豪華俳優陣の熱演と、個性豊かで魅力的なキャラクター達が作品を更に盛り上げてくれていた。
琴子が無事なのか、野崎と真琴はこれから知紗とどう生きていくのか、そうした要素を清々しく投げたアッサリ目なラストも、本作ならば許してしまえるから不思議である。
よくこんなクソ脚本で
こんな豪華なキャストを集めることができたな。
自分の大っ嫌いなシーンのツギハギだらけ。もはや解釈は視聴者任せ、みたいなやつ。怖くさせたいだけでショッキングなシーンを脈絡もなく、繋ぐ。
そりゃ宣伝とかでそういうシーン出せば、「おっ、この映画面白そうだな」となるけど、実際に見たら、見るに耐えない。
全然怖くもないし、ずーっとイライラ。主役も妻夫木じゃなくて、岡田だったのかよ。
あと、シリアス物に柴田理恵出すなよ。演技どうこうじゃなくて、柴田理恵はどう見ても、柴田理恵なんだよ。
どういうキャスティングセンスしてんだよ。ピスタチオとかもいらん。ってか、何でいるんだよ。
来るにがっかり
映画自体は面白かったが...
原作未読。
展開が色々変わっていきホラー(?)としてこういうパターンをあんまり観たことなかったな、と新鮮な気持ちで視聴。
怖さは感じませんでしたが派手な演出が面白かったし好きな部類の作品でした。
しかしながら視聴後に監督の性加害のことや過去の出演者への暴言のことを知りました。
こういうことを知るととても残念な気持ちになります。
あまりたくさんの作品を観てきた人間ではありませんが、それでも映画を楽しむ者として作品の製作に関わる人達にも出来るだけ嫌な思いをしてほしくありません。
そうやって作られた作品を何も知らずに楽しむのも嫌です。
残念ながらこの監督の作品を今後は素直に楽しめないだろうな、と思いました。
そういったことを踏まえてこの作品を振り返ってみて、蝶を手の中で潰したり羽根を引きちぎったりするシーンが妙に生々しくてCGだったのかなあ...?と疑ってしまいました。
CGであって欲しいですが、日本における映画製作の動物福祉ってどの程度まで進んでいるんでしょうかね?(アメリカは昆虫も福祉対象という記事が出てきました)
現実でしっかり守られているからこそフィクション作品は楽しめるのだと思いますので、映画を作ることで悲しんだり苦しんだりする人や生き物が生まれないことを望むばかりです。
ジャンルはホラーコメディーヒューマンドラマエンターテイメントなのかな?
いやー、このそこそこの映画を4本ぐらい見たかのようなミックスジャンル感。パラサイトを見たときのような充実感に包まれてはぴはぴでした。
2時間で目まぐるしく展開をかき回していくために、極限までに効率化されたストーリーテリングとキャラ造形を堪能できてただただ圧巻だった。ラストの着地点は少しもやっとして失速気味だったのが残念だったがそれまでの話運びは完璧。CGやメイクや照明をうまく駆使した明るいコメディーのようなホラー演出も絶品。。
スコセッシ的にButterflyをBGMで使っていたのも僕好みのオマージュで嬉しかった。
何はともあれ邦画でこの充実感は稀有。ランディングがもう少し丁寧だったら超大好きな作品になってたなあ
「責任と誠実が問われる時──映画『来る』が経営者に突きつける真実」
映画『来る』は、人間の内面に潜む恐怖と絆のもろさを描いた異色のホラー作品である。ただの心霊現象や怪異を描くホラーにとどまらず、登場人物それぞれの“逃げたい現実”や“隠したい本音”をえぐる描写が印象的だった。
経営者としてこの作品を観ると、見えてくるのは「人の弱さが周囲に与える影響」である。物語の中心にいる主人公・田原は一見、家庭も仕事も順調そうに見えるが、内面には責任感のなさと逃げ癖がある。その不誠実さが、家族や周囲の人間関係を壊し、結果的に大きな「悪意」を引き寄せていくのだ。
これは経営においても言える。組織やチームを束ねる立場である経営者が、表面上だけ整っていても、内側にある未熟さや利己心を見て見ぬふりをしていれば、やがてそれは組織全体のほころびとなって表れる。とくに「独立支援」など、誰かの人生を左右する支援事業に携わる場合、自分自身の在り方がそのまま支援の質に反映される。中途半端な覚悟では、人を導くことなどできないという重みをこの作品は突きつけてくる。
また、終盤に向かって複数の霊媒師や専門家たちが協力して“見えない力”に立ち向かっていく場面は、まさに異業種連携・共同プロジェクトのようだった。孤立ではなく、信頼関係と役割分担が危機を乗り越える鍵となる。
『来る』はホラーという枠を超えて、経営にも人生にも通じる「責任」と「誠実さ」の重要性を教えてくれる。怖いのは幽霊よりも、自分の中にある見たくない本心かもしれない──そう気づかされる作品だった。
久しぶりに!
最近のJホラーに対しては正直あまり期待していなかったのですが、本作は久々に「当たり」と思える一本でした。またこの後原作を知りがっつりシリーズにハマってます。
多くのホラー映画が「顔の造形」や「グロさ」で恐怖を演出しようとする中で、この作品は存在の怖さを、直接的なビジュアルよりも不気味な“爪痕”や不可解な行動でじわじわと感じさせてくれます。まさに“見えない恐怖”“得体の知れなさ”が主役という感じで、日本的なホラー演出の真骨頂を見た気がしました。
ゾンビや悪魔のように視覚的インパクトで攻める作品とは違い、「何が来るのか分からない」という不安を丁寧に育ててくれる構成で、ホラー好きとしては満足度が高かったです。
ただし、クライマックスの展開はやや過剰で、原作通りとはいえ少しやり過ぎ感が。また一緒に見た妻な感想がうーん。だったので個人的には★マイナス1といったところ。しかし出演された俳優陣が実力派揃いで、作品に引き込まれたこと、脚本、展開の良さはここ数十年でJホラーでは間違いなくNo.1です。
実写版呪術廻戦
キャストがハマってて良かった
ビジュアルカッコ良し
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