「除霊シーンのスケールに☆みっつ!」来る kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
除霊シーンのスケールに☆みっつ!
中島哲也が満を持してホラーを撮った❗
…と、期待したほどではなかった。
豪華絢爛極彩色な映像は、これまでの作品よりも抑えた感じだ。
血糊の量は、サスガでした。
原作は人気ホラー小説のようだが、未読。
概要も知らないのだが、あの悪霊だか何だかは、妻夫木聡演じる田原秀樹に取りついていたのか、青木崇高演じる津田が呼び寄せたのか、それとも…?
この映画はそこはどうでもいいのかもしれないが…気になる。
出演者たちは皆芸達者で、観ていて飽きさせない。
特に、黒木華はどんな役でもみごとにはまるなぁ、と改めて感心。
妻夫木のチャラさも旨かった。いるんだろうなぁ、あんなヤツ。
岡田准一は、今や日本の映画界を支える俳優だ。
空撮の織り込み方や、毛虫というアイテムの使い方などは、ホラーっぽさが出ていて良かった。
ただ、冒頭と劇中に時折挟まれるCGアニメは、ちょっとチープ。
クライマックスの除霊シーンは、いざ最終決戦!的なスケールで、徐々に決戦に向けて盛り上げていく演出は、むしろこれまでの中島哲也とは異なるオーソドックスな手順だったのではなかろうか。
準備場面で遊んでいたJK達が巫女だったのね、は中島節かな。
しかし、たか子姉さんはいったいどんな力(霊的にも、社会的にも)の持ち主?
霊能者や神職達から、警察までも動かせるなんて。
ラーメンを食べるシーンとか、缶ビールを「戴いていいかしら?」と言って飲むシーンは、中島哲也と松たか子のユーモアセンスが噛み合った面白いシーンだ。
そして決戦のたか子姉さんときたら、怖いやら可笑しいやら。
ラスト、血まみれの顔の岡田准一に、平然と会計を済ませるコンビニ店員も、中島節かなぁ。
結論、「告白」「渇き。」の方がブキミだった。
何より、本作は予告編が一番恐かった。