「渾身の力作」来る CBさんの映画レビュー(感想・評価)
渾身の力作
見終わってスッキリするわけではないし、ドッキリびっくりお化け屋敷映画でもないので、評価は分かれるだろうが、「怖い映画」であること、力作であることは、間違いない。
怖い、という点では、オカルト描写ではなく、出てくる人間みな嫌なところ=弱さがあり、そこが原因になって、悲劇が続いていくということが怖い。
人は誰もみな弱さがあることは当たり前なので、それが悲劇になってしまうと言われたら、そりゃ嫌だよね〜。そしてさまざまな弱さが表現されるので、誰しも一つは該当しちゃいそうな点が怖い。
俺は、妻夫木さんが演じた役の弱さに近いところがある。ビビるわ。
なにせ俳優女優は演技派ばかり。演技面では何の心配もなく、映画に没頭できます。妻夫木、黒木夫妻の話が真ん中にあり、関わっていくのは岡田さん、小松さんなので、俺は途中で、実は松さん出ないのでは、という思いにかられたくらい。しかし、そう思った時からエンディングまで、もう一つの映画があるくらいの脚本だった。
松さん、小松さんは、中島監督に見出されて二人ともよかったね。松と小松が姉妹って名前のまんまだな。
後半の凄いところは、「こういうことが、実は毎日のように、どこかで行われているのではないか」と思わせる点かな。
そして、日本で見られる除霊の展示会みたいなエンディングをお楽しみください。
ラストシーンで、岡田さんが痛がっていないのは気になった。いったい、世界はどうなったのだろう?
2018/12/27追記
キネ旬によると、「ホラーテイストのエンタテインメント」というのだそうだ。なるほど、うまいこと表現するもんだな。
2022/7/29 追記
家族が契約しているネットフリックスで、4年ぶりに観た。あらためて面白かった。それどころか今回のが面白かったかもしれない。
前半の嫌な嫌な話で心がへこたれ続けさせられるる分、後半の "祭" が際立つんだろなあ。で、確かにエンタテインメントだった。
出てくる人みな上手いからこそ、この映画、観られるのだなと、あらためて感動。
CBさん、いつもありがとうございます。今年も宜しくお願いいたします。
小松さんと監督のやり取りをコメントしてくださって感謝です。今作のメイキング的なネタも興味深いです。