「恐ろしいもの」来る ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
恐ろしいもの
「来る」の主語は何か。
きっと恐ろしいものであろうことは想像には難くない。
原作の小説を読んでしまっているので、小説のタイトルに組み込まれている、その恐ろしいもの「ぼぎわん」がどのように描かれるのか期待し過ぎてしまっていた。
「ぼぎわん」という主語をタイトルから外した理由は映画を観てみて理解できたように思う。
小説では、地域や代々家族に受け継がれていくような伝承やタブーも重要な点として位置付けていたが、映画では現代社会で多くの人が抱えている自己中心性や心の中の闇に焦点を当て過ぎて、逆に少し、怖さが漠然としてしまったのかなと思った。
小説は、この二つが交錯するように、いやーな感覚が頭に張り付くので、姿形の不明な「ぼぎわん」が輪郭を持たずに頭の中で広がる不快が、恐ろしさを増幅させように覚えている。
俳優陣も素晴らしいし、真琴役は本当に小松菜奈なの!?といった驚きもあったがために、残念賞をあげたくなりました。
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