「大切なものについて深く考えさせられる映画」半世界 どすこい四十肩さんの映画レビュー(感想・評価)
大切なものについて深く考えさせられる映画
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ありふれた日常には理不尽な悲しみが潜んでいる。その日常には大切な宝物が散りばめられていることを強烈に感じました。宝物はちゃんと見つけなきゃいけないと思いました。片田舎の暮らし、色んな事情を背負っている人生中盤に差し掛かった人間の苦悩にどっぷり共感しました。こうあるべきと提示してくれるのではなく、観客の数だけ答えがあるようなラストだと思いました。爽快じゃない、痛快じゃない、悲観もない、鑑賞した人それぞれが現実を深く考え、明日を丁寧に生きようと思わせてくれる映画だと思います。最初、浮世離れしたスターの稲垣吾郎が炭職人って、ピンときませんでした。絶対にハマると確信された阪本監督のプロデュース力と稲垣吾郎さんの対応力に脱帽です。こんな男前は片田舎にはいない、きっと場違いで浮きまくるだろうという予想を見事に華麗に裏切ってくれました。稲垣吾郎さんはいつも通り男前でした。それなのに片田舎に馴染んでいました。ひっそりと炭を製作していました。息子との距離感や下降気味な炭の売り上げに悩む39歳の少し頼りないお父さんでした。脇を固める長谷川博己さんも池脇千鶴さん渋川清彦さんもこの町に馴染んでいました。半世界を観て、私の心の中に大きな光りが生まれたと感じたので、この光を大切に生きていこうと思います。素敵な作品をありがとうございます。
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