ヴェノムのレビュー・感想・評価
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警官たちは悲惨
総合:60点 ( ストーリー:40点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
とりあえず怪物にも怯むことなく挑んでいく勇敢で無実の警官が多数殺されて食べられたことについて、作品中でお咎めが無しというのが驚いた。結局彼は悪者だったし、今後も悪いことをしそうだ。でも相手が無名のその他大勢だったら今後も悪いことをしてもこのまま突き進むのかな。悪役ならばもうちょっと悪役ならではの悪の深みが欲しい。勝手に相手の実力を測ることも出来ずに取材で喧嘩を売る幼稚さもあるし、あまり好感を持てない主人公だった。
演出も昔ながらの漫画的な単純さと幼稚さがあり、全体として軽薄な印象。映像はハリウッド大作らしい金のかかったものだった。映像と活劇を楽しむにはそれなり。
ど根性ガエルvs前澤友作、夢の大バトル! 「最も残虐な、悪」は何処ですか?
『スパイダーマン』シリーズのヴィラン、「ヴェノム」を主人公としたダーク・ヒーロー映画、『ヴェノム』シリーズの第一作。
地球外生命体のヴェノムに寄生されたジャーナリスト、エディ・ブロックの戦いが描かれる。
主人公であるエディ・ブロック/ヴェノムを演じるのは、『インセプション』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のトム・ハーディ。なおトムは本作の製作総指揮にも名を連ねている。
エディの元婚約者、アン・ウェイングを演じるのは『シャッター アイランド』『グレイテスト・ショーマン』の、名優ミシェル・ウィリアムズ。
エンド・クレジットに登場した凶悪殺人犯、クレタス・キャサディを演じるのは『ハンガー・ゲーム』シリーズや『グランド・イリュージョン』シリーズの、エミー賞俳優ウディ・ハレルソン。
製作総指揮は『スパイダーマン』シリーズや「MCU」シリーズでもお馴染みのマーベル・コミックの大ボス、スタン・リー。
おどろおどろしいポスターデザインに加え、「最悪」や「最も残虐な、悪が誕生する」といったキャッチコピー。
どれだけヤバい映画なんだっ…😨と思ったら、めっちゃキュートな映画だった!😆
正直、ストーリーは超薄〜い。
前澤友作みたいなオッさんと、彼に寄生するネバネバしたエイリアンのライオットが宇宙に行こうとするのを阻止するんだけど、なんでヴェノムは人間サイドについたの?
落ちこぼれだったからとか、エディが気に入ったからとか言われてもねぇ😅
でもまぁこの映画に関しては、ストーリーとかどうでもいい。
エディとかいうムキムキだけど冴えないオッサンと、ヴェノムとかいう恋のアドバイザーがキャッキャしているのを愛でる映画だし。
そういう意味では、もうちょいエディとヴェノムのコンビプレーを見せて欲しかった気もするが、まぁ一作目だしこんなもんでしょう。
エディ可愛い!ヴェノム可愛い!シーヴェノムエロい!
以外の感想は特にないんだけども、それで十分合格💮
アメコミ映画なんて、本来このくらいの軽さで良いんだよな、というのを思い出させてくれる。
「大いなる力には大いなる責任が伴う」でお馴染みのスパイダーマンと鏡像関係にあるヴェノム。
外部要因によりスーパーパワーを手に入れるというのは同じだが、ピーター・パーカーが自らの意思で戦いに身を投じるのとは対照的に、エディ・ブロックは半ば強制的に戦いの渦中へと巻き込まれる。
このエディの受け身感とか、わけわからんまま戦いに駆り出されるアタフタ感こそが本作の最大の魅力であり、今後シリーズが続いてもこれは守っていってほしい。
ダークな面を期待して観賞した人にとっては、かなりの肩透かし映画だっただろう。
正直、本作の宣伝の仕方とかキャッチコピーには大いに問題があるとは思うけど、先入観のない自分のような観客なら十分楽しめると思う!
いやしかし、ジェフ・ベゾスにしろ前澤友作にしろホリエモンにしろ、何故新興成金は宇宙を目指すのか…🤔
いや、宇宙を目指す向上心のある人間が大いなる富を手に出来るのか…。どっちでもいいけど。
まぁ普通
そうやな…悪くない設定で、宇宙から飛来した、生命体と融合出来る生き物を動物実験、人体実験と進めるがライターの主人公に奇跡的に問題なく融合。
日本の「寄生獣」のような感じの設定。
敵と戦うシーンはVFXシーンは中々の見応え。
でも、ストーリーの伏線とかもなく大味な映画。
『史上最も残虐な悪(ダークヒーロー)、誕生ー』
パッケージにはそうあるが、視聴後の感想としては最も残虐という印象は無い。ヴェノムが残虐さを発揮する場面は人の頭を丸かじりする場面であるが、戦闘中に敵の頭を首からいっきにパクっとするだけで、例えて言えば銃によるヘッドショットのようなものとの印象が強い。首パク以外で残虐さを強調するのはその凶暴な面構えと鋭利な牙であるが、そのアギトが人肉を咀嚼する描写も無い。ビジュアルと首パクがなければダークヒーローの「ダーク」は無くなるだろう(今作以降の展開については考慮しない)。以上が視聴後のパッケージのコピーへの感想だ。
映画への感想は一言でいえば、アメコミ版寄生獣といったところ。主人公を演じるエディブロックを演じるトム・ハーディは個人的に親しみを感じる目をしている俳優なので、今作においてもすんなり感情移入できた。なりゆきは地球外生命体=シンビオートの良個体がエディブロックに寄生しライフ財団に追われ格闘する中で悪個体が物語の合間合間で敵ボスに人を乗り継ぎながら近づいていき(この描写は他のSF作品でも時々みる形だと思う)人類にとって最悪な共生体が最終的に生まれ決着するという形となる。
シンビオートと人間には相性があり、悪ければ人間は死んでしまう、もしくは適合する時間がいると思っていたが、ヒロインのアン・ウェイグ(ミシェル・ウィリアムズ)がさらっと変身して主人公エディのような葛藤や混乱等見せなかったのは尺の都合もあるだろうが違和感が少し違和感があった。
物語を捨ててキャラ萌えに振り切った作品
のっけから“何らかの理由で宇宙船が不時着した”っていう時点で『あ、これストーリー重視じゃない』って判断して見たけど話の構成もね・・・荒すぎっていうね。
前半部分の落ちぶれるまでの説明に尺使いすぎ(致命的に面白くない部分)、チェイスシーンに注力しすぎてラストバトル短い、登場人物の心理変化の大雑把さとか色々と難有りでストーリー重視の人には論外でしょう。
ただですね、ヴェノムの荒々しさと流動アクションの表現の凄さ、何より【ご主人大好きなワンちゃん(口悪いけど)】みたいなヴェノムに不覚にも“萌え”てしまったからそこまで悪い印象は持たなかったのです・・・惚れた弱みっていうんですかね?この場合。
とりあえずストーリ重視の人にはおススメしません、ただし強烈なギャップ萌えを見たいのなら鑑賞の価値は十分あると思います。(萌える対象はあんなガチムチの真っ黒お化けだけど)
後、エンディングのおまけは置いてけぼり喰らう事でしょう。
コメディに振るならもっと振ってほしい!
2作目公開前に復習で劇場以来2回目。
エミネムの主題歌がとにかくカッコいいです。
劇場で見た時の印象ほどキュートではなかったですが、トム・ハーディとヴェノムのやり取りは楽しめます。もっとやり取りがあっても良かったなぁと思いますが、テンポを意識したのかな…(それにしてはヴェノムになるまでが長い)。
クライマックスのバトルシーンは何だか分からない融合技が出たりでもうちょっと説明というか納得感が欲しいですが、まぁ宇宙生物のバトルだもんね、説明されてもね。
バイクとドローンのチェイスシーンはレベルが高く、MCUではあまり見られないので良きかな。
脚本の粗を探すときりがないですが、全体としてはとっても楽しめます。
【続編が待ち遠しい。久しぶりに映画館で観たいと思ったエンタメ映画】
・2018年公開のアメリカのスーパーヒーロー映画。
・スパイダーマンの宿敵として有名なマーベル・コミックのキャラクター「エディ・ブロック(ヴェノム)」の実写化映画。
・記者として働く主人公エディ・ブロックは、表向きは健全だが裏ではホームレスを利用して人体実験を行うライフ財団を追い詰めようとするが、権力に負けて職をなくし、恋人もなくしてしまう。半年後、知り合いがそのライフ財団に使ったことを知り、助け出そうと施設に向かうと、施設で研究対象となっていた地球外生命体(=ヴェノム)に寄生される。それを知ったライフ財団リーダーのドレイク(その力を手にしたいドレイク)に追われるエディ という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
・エグイ身形のヴェノムが好きになってしまう妙
・ヴェノムとエディの関係が素敵
・戦闘シーンがかっこよい
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[物語]
・前情報なしに観ました。なんとなく「アメコミの悪モンスター」だと思っていましたが、全然違いましたね。笑 人情味あふれるモンスターじゃないですか。しかも、スパイダーマンと異なるのが、エディに寄生したモンスター「ヴェノム」そのものが意思を持つ人間のような生命体。つまり、2人で1人の状態。喧嘩しあいながらもどこか心が通じ合っているエディとヴェノム、その構図が良い。
・ヴェノムのような寄生虫は1体だけでなく、同じ種族の複数のモンスターが地球を征服しようと潜んでいた。が、ヴェノムは寄生したエディに感化されて、地球を同種族から守りたいと思うようになる。そのベースストーリーは素敵な流れで好きです。しかし、ヴェノムがそう心変わりしたきっかけが少し弱く感じてしまいました。 おそらく、そこはそんなに重要ではなくて、そういう流れの中で、ヴェノムとエディが協力して、ライフ財団や同種族の敵に立ち向かう姿、がエンタメ的な見どころなのかなぁ、と理解しました。そして、その通りに面白く観れるエンタメ映画でした。
[演出×映像]
・寄生虫としてのスライムのような粘っこく糸を引く感じが、ものすごくリアルに、作り物感を感じないくらいリアルに表現されています。これが戦闘シーンではスローモーションにされたりと、さらに細かく描かれるので、普通にみれば気持ち悪い糸引く粘っこいものがかっこよくすら感じます。凄い、の一言です。もちろん、戦闘シーンのカメラワークやVFXもかっこよい。テクノロジーの進化を余すことなく取り入れており、今だからこそ観れる愉しめる映像だと思いました。
・人間を食べようとするヴェノムを諭すエディ。それを素直に受け入れるヴェノム。そんな二人のやり取りを観ているだけで、不思議と温かい気持ちになります。ポスターでは気持ち悪くエグイモンスターの映画、としか思っていませんでしたが、観終わったころには、そのモンスター(ヴェノム)が好きになってしまっています。ただ強いヒーロー、だけではなくドラマチックに共感させてくれる演出がとても良かったです。
[音楽]
・20世紀の有名SF映画のような壮大なBGMは、終盤の戦闘シーンをさらに盛り上げてくれます。物語ともしっかりあっていて、映像をさらに盛り上げてくれる素敵なBGMだと思いました。
[演技・配役]
・エディ役のトム・ハーディさん。調べてみると映画「レヴェナント:蘇えりし者」や「インセプション」など、観たことあるはずの映画に出演されていましたが、記憶には残っておりませんでした💦 しかし、今回のエディ役でどことなくイケてないけど正義感もある2枚目的な役柄がものすごくしっくり来ていてよかったです。エディはかっこよすぎてもNG!ヴェノムと一緒に試行錯誤しながら楽しく過ごしていくのがぴったりな気がします。
[全体]
・最近、AmazonPrimeで色んな映画を観ていましたが、久しぶりに、「映画館で観るべきだった!」と思えるエンタメ要素満載の映画に出会いました。そのキモエグイポスターから観るのをためらっていましたが、実際に観てみると面白さとキャラクターの愛嬌の良さで一気に好きに。食わず嫌いは良くないな、と改めて感じさせていただきました。
・また、登場人物がどの人も憎み切れないところ(完全な悪者がいないところ)も好きなポイントでした。エディの元婚約者のアンも、そのアンが現在交際している医師のダンも、皆優しい。ライフ財団のドレイクですら、人類の先をどうにかできる信じているがために狂人のようになってしまっているだけで、実はものすごい純粋な人間なのかと。戦争映画やサスペンス映画を観ていると、必ず滅茶苦茶悪い奴がいて、その胸糞感がありますが、この映画では一切胸糞感を感じることなく楽しめるエンタメ映画でした。
・どうやら、2021年に続編も登場するようなので、今度こそ、久しぶりに映画館で思い切り楽しみたいと思います!ありがとうございました。
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#全体3.7 #物語3.7 #演出3.7 #演技3.6 #配役3.6 #映像3.8 #音楽3.7
もっと重苦しいのかと
意外とノリが軽いし、ヴェノムと打ち解けるのも早い。
ヴィノムが主人公の何を気に入ったのかがはっきりとわからなかった。
ヴェノムの強さが伝わってくる戦闘シーンは面白い。
主人公役のトム・ハーディはボコボコにされる役が似合うなあ。
社会的弱者が利用される現代の階級社会の恐ろしさが伝わってきた。
最高の Tongue Kiss にうっとり
エディとヴェノムが寄生関係から次第にバディの仲になってゆくのが良かった。一心同体。「俺たち」にちょっと泣けました。これは人間と地球外生命体を越えた友情。エディを助けようとアンに乗り移って、背後から敵を呑み込み、そのあとディープキスを介してエディに移ったシーン。
あとで、あのキスが忘れられないとアンがいう。
ミシェル・ウィリアムズいつまでも綺麗。
シンビオートの研究者ドーラもなかなかよかったです。
ヴェノムの弱点はMRIの出す音とエレキギター、ジェット機の音。4000から6000ヘルツって割りと普通じゃん。おじいちゃんになると聴こえにくくなる音域。若い時からロックの聴きすぎで難聴のタフなおじいちゃんに寄生したらいいかもね。
最近見た「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」で、長年場末のバーやクラブを回り大音量でドラムを叩き続けてきて、突然難聴になってしまったメタルバンドのドラマー役のリズ・アーメッドがライフ財団の悪人ドレイク役。気持ち悪いメイクのせいか、ぜんぜんわからなかった。
安心して見られるSFにコメディ要素
宣伝から暗い映画なのかとずっと思ってた。確かにところどころシリアスだけど、笑いもあって、安心して見られるSF映画。思えば、いろいろ回収したり、深掘れる要素はあったはずだけど、細かいところは捨て去って、分かりやすくまとめられた感じ。鋼錬のグ●ー●を思い出した。
これはヒーローじゃなくてヴィランだろ!!
公開当時は色んなところで話題になっていましたね。間違いなく面白いだろうと思ってはいたんですが、私自身がマーベルやDC系のアメコミヒーロー映画に全く興味がない人間でしたので、公開時は劇場に観に行くことはありませんでした。公開から3年経過した今になって、友人からの勧めでようやく重い腰を上げて鑑賞することにしました。
結論。当然ながら面白かった!!
一般人が地球外生命体「シンビオート」に寄生されることで超人的能力を発揮するというタイプのアクション映画で、そのストーリーからどことなく日本の漫画『寄生獣』を思い出しました。ごく普通の一般人である主人公と地球外生命体のバディものアクション映画。監督が『ゾンビランド』などのコメディ系作品を多く手掛けたルーベン・フライシャーだからか、掛け合いの会話が非常にコミカルで面白い。アクションはもちろんのこと、アクション以外のシーンも非常にクオリティが高くて楽しめました。
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かつてライフ財団という巨大財団のスキャンダルを狙った故に業界から干され、惨めな生活を送っているジャーナリストのエディ・ブロック(トム・ハーディ)。ある日彼の元にライフ財団の研究員を名乗る女性から「ライフ財団は人体実験によって多くの死者を出している」という告発を受け、調査を依頼される。財団の研究所に忍び込んだエディは実験体にされていた被験者に接触してしまい、財団が密かに回収・実験していた地球外生命体「シンビオート」であるヴェノムに寄生されてしまうのであった。
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人間×人外のバディものは個人的に結構好きです。個人的な好みにも刺さる内容でした。
本作を観ていて思ったのは、「全然ヒーローっぽくない」ということです。これは多分狙ってそうしてます。悪人だけじゃなく、一般人であるはずの警察や機動隊でも容赦なく殺害するので、他のヒーロー作品には無いオリジナリティを感じました。主人公エディに寄生するヴェノムは人間に迎合しないし、人間を理解することもしない。あくまでも自分のために、宿主であるエディに危害を加えられるのを防いだり悪人を殺害したりするわけです。エディもその性格を利用し、ヴェノムの超人的な能力を享受しながら、エサとして人間(悪人)を差し出すという提案をする。
協力ではなく共生に近い関係性です。エディとヴェノムはお互いの利益のためにお互いを利用しているという綱渡りのような奇妙なバランスを保った関係性で、それでもラストは爽快感が得られる綺麗なエンディングを迎えるという違和感を含んだラスト。非常に良かったと思います。
憎めないヴィラン
落ちぶれたら主人公が突然ちらかを手に入れて悪を倒す。ただの王道ストーリーのようだが、流石marvel光るところが随所にある。
アクションや内臓の機能不全の設定がしっかりしているのはさながら、何よりヴェノムの性格が凄くいい。
荒くれ者の様だが理解はしっかりしており、主人公と共生をしている。
スパイダーバースの布石?便乗商法の匂い
いくつかある映画の弱点は
・物語が弱い
・主人公に共感できない
・映像がしょぼい
・ヒロインが美しくないし、足を出すファッションが似合ってない
・強い敵がいない
・スパイダーマンが登場しない
・ラストのおまけ映像(アニメーション)の内容が物議を醸す
と言ったところか。
まずは物語の弱さ。大きなストーリーの軸というものが存在しない。宇宙から採ってきた新生物との共生関係によって超人的な力を得た主人公が、ヴェノムとなり、彼の能力を欲しがる邪悪な企業との戦闘を繰り広げる。国家でも、軍隊でも、種族でもなく、企業が敵。この時点で、物語が決定的に弱い。ちょっとゆがんだ価値観を持ったCEOを、こらしめてやろうか、ってな展開にしかならない。なおかつ、映画の主題であり、最も魅力的な存在であるはずのヴェノムについて、ほとんど何の説明もなされない。かいつまんで言うと、「宇宙から来た生物が、エディにくっついて、無茶苦茶に暴れまわる」それだけの物語なのだ。
原作の由来である、スパイダーマンとの因縁については一切触れられず、この世界にはおそらくスパイダーマン自体存在していないようだ。そこは、映画にとって些末なことで、凶悪な新生物が暴れまわる映画なんて、痛快できっと楽しいぞ。程度の浅はかな企画意図しか見えてこないので、かなりがっかりする。確かに、スパイダーマンを出すことは、今となっては『アベンジャーズ』に絡む難しい問題を避けられなくなり、どうしてこの映画を企画したの?なんて言う自問自答を繰り返すことになる。
と思ったら、エンドクレジットのあとの、謎の短編アニメーションだ。スパイダーバースを、ソニーピクチャーズ独自に展開していきたいという、意思表示の表れ。映像の出来は『ベイマックス』に近いクオリティだったが、はっきり言って、それがヴェノムとどう関係あるのさ?ヒットしたら、続編とともに、この世界観を見ることが出来ますよ?というプレゼンテーション。
やっつけで作った本編の映画に、一見魅力的でいて実は中身のない提案を混ぜて、「僕たちと友達になろうよ?」作戦には、もう辟易としている。それを、マーベルのはじっこの方で、チマチマとやっていることに対して非常に腹立たしい。すでにDCユニバースが破たんしかけているように、○○ユニバース展開は集合した時に最大の力を発揮しなかったら意味がない。
それとも、この映像は『アベンジャーズ』が完結した後の、次世代のマーベル映画の布石だとでも言うのか?いずれにしろ、『ヴェノム』のヒットにより、ソニーピクチャーズと、マーベル映画の独自のユニバース展開があと2作品ほどは続くようだ。
2018.11.6
メディア・フランチャイズは好まないが・・・
メディア・フランチャイズとは、オリジナルの創作フィクションの知的財産権を他の当事者やパートナーにライセンスし、さまざまなメディアで商品化することだ。
私はどーも「文化」と「商業」がタッグを組むのは苦手らしい。
「文化」そのものを純粋に追求するのは大好きだが、目的が「売れる事」になってしまうと目指す方向性が違ってくる。「売れるもの」=「良いもの」では、決して、ないからだ。
スパイダーマンは、60年代マーベルコミックスで商業的に最も成功したスーパーヒーローだ。マーベル社長・マーティン・グッドマン(スタン・リーの叔父)のビジネス戦略の元、キャラクター権、映画化権のライセンス問題で非常にややこしい事になっていく。
東映、コロンビア、キャノン、20世紀フォックス、カロルコ、MGM、ソニー・・・。マーベルとの契約を巡り、各社に携わる人々は波瀾万丈の運命を辿る。コミックスでも、実写映像化でも、あんなスパイダーマン、こんなスパイダーマン、が生まれる。
「スパイダーマン映画」で検索すると「2002年が初代」という記事が数多くHITするが、こちとら70年代からスパイダーマン映画を観ているから、どうもピン!とこない。
まぁ、ここまで広がってしまったから、アベンジャーズのMCUのように、「スパイダーマンの世界」だけでシェアード・ユニバース、マルチ・バースという設定で落としどころをつけたわけだが、なんともかんともという感は否めない。
でもって「ヴェノム」だ。
スパイダーマンにおけるスーパーヴィランだが、スピンオフとして単独にしてしまった本作。
ここまできっちり、スパイダーマンと切り離してくるとは思わなかった。
まぁ、過去作品のヴェノムを一切忘れて、まったく何にも知らない初鑑賞者として観ればいいのかもだけど、、、って、できるかぁぁぁ!
いや、それが出来ないとスパイダーバースにはついていけないか・・・。
本作で、エディがアンのパソコンから勝手にデータを得て、彼女の職と信頼を失わせたのは許せない。
でも、スパイダーマンにおけるエディの嫌な印象を残しつつも、本作の主人公として観客に彼を嫌わせない為には、ちょうどいい塩梅のトピックだと感心はするんだよね。
でもなぁ。本作だけでシンビオートの事、ちゃんと理解出来るかなぁ?
ヴェノム、やたら良いヤツ過ぎるし、地球人の恋愛事情まで詳し過ぎない?(笑)
寄生獣という声を随分見かけるが寄生獣連載は1990年。初期のモーニング増刊だって1988。
ヴェノム誕生は1987。エイリアンコスチュームならシークレット・ウォーズの1984年だからね?ヴェノムの方が古いから。
でも、日本人はあんまり知らないようだから日本なら別にいいのかもね。
アメリカでは評価が低いというのは、すっごくわかる気がするよ。
(でも、スタン・リーが登場している時点ですべてOKです。彼が認めるならば不服はございません。)
カーネージは、もう少し面白くなるだろ。とりあえず次回に期待!
ハリウッド版楽しい寄生獣
宇宙生物に寄生されて超人的な力を手に入れた主人公が、寄生生物と共生しながら、人類の敵となる他の寄生生物と戦うことになる話。まんま寄生獣ですね。
ただ、本作は寄生獣よりもライトというかポップというか、明るいイメージです。作品のテーマ性みたいなものは皆無で、終始派手に暴れまわるだけのアクション映画になっています。映像もスピーディーで爽快感があるし、とにかくテンポがいい。初っ端から派手に始まって、難しい話もなくどんどん進んでいくので飽きずに観られます。死人は出ますが直接的なグロいシーンはほぼないので全年齢が安心して楽しめる娯楽作品です。
ただ、展開が早すぎるかな。もう少し主人公と寄生生物との間に友情(信頼)が芽生えるシーンや、命がけで敵と戦う強い理由付け(復讐心とか誰かを守りたいとか)があるともう少し深みが出たかなと。そのへんは続編が公開されるみたいなのでそちらに期待します。
全588件中、61~80件目を表示