「狂宴」パンク侍、斬られて候 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
狂宴
唖然としてしまう。
面白かったのかと問われれば「面白かった」
何が面白かったのか…?
とりあえず浅野氏は面白かった。
いや、彼に代表される曲者達が、大変面白かったのである。
既存の何かに全くとらわれていない。
それは作品通してそおなのだが、ルールとか定説のようなものを破壊しつくすかのようだ。
冒頭から英語は出てくるし、猿は喋るし、道徳や偽善などは存在意義すらない程だ。
「だからなんだ?これがパンク侍だ」と言わんばかりに終始一貫した独創感があった。
まぁ、色々と揶揄したい部分もあるのだろうけど、そこは敢えてノラない事に。
かなり奇抜で奇天烈で、奇想天外なこの作品にクソ真面目に感想を書くのも、なんかズレてるようにも思えてしまう。
物語はあるものの、かなりどおでもよく…わかりやすく説明してくれるのは○
破茶滅茶な作風ではあるものの、支離滅裂ではない。脚本的にはかなり正攻法な進行にも思える。
何より作品を牽引してたのは、俳優陣だ。
その怪演を堪能するに限る。
勿論、皆様、背骨はしっかりあって、だからこそ多少脱線しようが観てられる。
ラストに至りメッセージ性もあるものの、ホントに最早、どおでもいい。
むしろ、ここまでひっくり返しておいて「何を今更…」な感じでもある。
色んな鬱憤を詰め込んで、ある程度爆発させた感はあるかな。
ただ、安くはない金を払ってみるとなると…楽しめるファン層が限定される。
元々、パンクな精神論はサッパリ分からないのだが、パンク侍な主人公はパンクではないのだろうなって事は分かる。
おそらくなら、監督と…間違いなく浅野忠信氏はパンクなんだろうなと感じる。
○追記
例えばだ。
作品の思惑として「枠組みをぶち壊そーぜ」的なスローガンがあったとして、そのスローガンにさえ同調せず、それすらも破壊しにかかったのが浅野氏のように思えたのだ。
ある意味、作品の趣旨を誰より理解していたともとれる。