愛しのアイリーンのレビュー・感想・評価
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度肝を抜かれました!
田舎のドスケべな独身中年・岩男の破天荒な物語に過ぎないようで実は結構深い作品。フィリピンの貧困問題やそれに巣食う女性送り出しシステムの存在、それに加え、日本での農村の嫁不足と根深い外国人差別の問題を、これでもか、これでもかと突き付けてくるようで、愛と真心だけでは生きて行けないこの世の不条理を描き切った怪作でした。それにしてもこの作品では岩男の妻アイリーン役を始め多くのフィリピン人出演者の熱演無しには成り立たなかったと思います。お見事でした!
誠実な映画化
原作を読んでいたものですが、キャストも原作のイメージと合っており、濃密な人物やストーリーを誠実に映画化したものと感じました。
鬱屈した田舎町の日常描写に、暴力と肉欲、愛かもしれないものが混じり合う猥雑感が素晴らしく、何気に挿まれる滑稽感も丁度良いです。
俳優陣の演技もそれぞれに素晴らしかったと思います。
特に、木野花の激しい鬼ババアぶりは印象的でした。
原作で目頭が熱くなったものですが、映画でも目頭が熱くなってしまいました。
よくわからんかった。
観客に何を伝えたかったのか。本当にヒメアノ〜ルの監督かと思うほどにコレジャナイ感がある。どの登場人物にも共感できないので感動はなかった。飽きずに観ることは出来たが…。
イワオがアイリーンを連れてくるまでが長い。もっとコンパクトに描いて欲しかった。それにババアが息子を愛している感じがしない。イワオが失踪しても普通に過ごせていたし溺愛というより依存している感じがした。終盤になり急に感動させようとしてたけど、ババアの演技が嘘臭すぎる。あと伊勢谷友介の役が本当に意味がわからない。あの行動は何?
コメディもすべってました。
下品なお笑い少々の狂った愛を描いた映画でした。
笑いながら泣いた
事件だ!あんなにがんがん放送禁止用語を叫んでいいのか!
...はまあ別にして、人間の欲望とか愛とか純情とかしたたかさとか、とにかく色々な感情の在りようをぐちゃぐちゃに、それなのに限りなく綺麗にまとめてしまった傑作だと思います。笑ったし泣いたし、私の心もぐちゃぐちゃです。
原作は未読ですがあらすじは見知っていた、程度でしたが、ものすごく腹を掴まれたというか...。
ものすごく典型的な田舎の光景(と思ったら新潟だったんだね...)、田舎の人間の馴れ馴れしさと、それでいてよそ者を拒絶する感、いきなり正義みたいなことを語り出すヤクザ(これが伊勢谷友介だっていうのがいいよね)、血みどろ、セックス、汗、とにかく欲望に満ちてる。訴えかける力が強かった。持っていかれた。映画としての画の美しさは捨てているのに要所の美しさも壮絶というか。
安田顕は汚いし喋り方ももっそりしてるし目に光がない。「ああ...これは...」という感じがすごい。特に後半、転げ落ちるように狂っていく様。恐ろしいけど愛おしいという感覚。
他のキャストもとにかく凄いというか、自分が手にした役を当たり前のようにモノにしていて息を飲むようでした。特に河井青葉...なんというかあの役があそこまでしっくりはまってしまう女優さん貴重だと思ってしまった。
最後のアイリーンの台詞に強かさを感じました。
下品な映画
社会問題、家族の愛を描いた漫画が原作の作品。
映画でもたしかにこのテーマはあるものも自分には正直下品な官能映画としか残らなかったです。
安田顕演じるいわおがとにかくクズすぎ、
多量の過激な下ネタ、それを大声で笑うおじさんのお客さん達でとにかく不快でした。
良かったと感じられるのは役者の熱演だけでした。
とにかくアイリーンがいい!
日本人キャストのパワーもさることながら、1番はアイリーン役のナッツ・シトイが素晴らしい。
原作から飛び出してきたような本当に魅力的なアイリーン。
彼女のどんな顔も可愛くて愛しくて仕方ない。
しあわせとは
はじまりは大変コミカルな場面も多かったのだが
進むごとに曇りゆきがわるくなってゆき
各々が幸せになろうと進もうとすればする程沈むようになだれ落ちていく様がみてて辛かった
ひと昔の題材にみえたりぶっとんでいるようにもみえるがとても現実によりそった作品だと思う。
口に出さずともそこらじゅうに転がっている差別を一切受け入れず、全力で拒否する溺愛婆もそれなりの理由があるのだと思うといたたまれない。
性とは。お金とは。愛とは
綺麗な映画が好きな人にはあわないかもしれないですね。
☆☆☆★★★ 吉田恵輔は平成の(今年で終わるが)今村昌平なのか?原...
☆☆☆★★★
吉田恵輔は平成の(今年で終わるが)今村昌平なのか?原作未読。
鑑賞直後とゆうのも有るが、ちょっと考えがまとまらないので簡単に。
日本人のジャパゆきさん蔑視がリアルに描写されている。
愛を金で買う日本人。
そんな日本人には遠慮なく金を貪るジャパゆきさん。
そんな中に有っても、理想的な真実の愛を構築して行きたいと考える男女も居る。
ただ純粋ゆえに。数多くのまわり道をし、理想と現実の距離感に苦しんでしまう。
色々と考えさせられる作品でした。
機会があればもう一度再見したい。
2018年9月16日 TOHOシネマズ/シャンテシネ1
作品の熱量に圧倒されました
原作の持つ熱量。
その原作に熱いリスペクトの気持ちがある監督の熱量。
それらの熱量が絡み合い、出演陣にも宿る熱量。
その熱量ははじめから冷めることなく、2時間超えという時間の中を嵐のように駆け抜けていきました。
作風や物語の内容は賛否があって当然なものだと思います。
ただ、この作品から出てくるいろんな"熱量"。これはなかなか否定することが難しいんじゃないでしょうか。
これほどまでに本気さが伝わってくる作品にひさびさに出会った気がします。
内容は、愛とは嫉妬と支配と、それらを含めて受け入れる気持ちなのかな、と。
そして形は違えど、そしていびつだとしても「愛は愛」なのだ、と。
内容以上に作品から出ている"熱量"に圧倒された。そんな作品。そしてそんな本気な作品に出会えて心からよかったと思います。
2018年度ベストムービー!
おのれの愛のハケ口を見つけようと苦しみ、もがく男の物語。毒母に苛まされ、破滅して行く人生が哀しい。伊勢谷友介演じる男もまた哀しいが、憎めない。アイリーンは、ふんだりけったりだ!(笑)
*良作もデートムービーには不向き…4文字言葉のオンパレードです(笑)
本気で愛し合う岩男とアイリーンの姿を捉える一瞬が、とてつもなく神々しい
良くも悪くも賛否両論あるということは、ちゃんと問題提起ができているということ。
圧倒的な熱量の作品で、「R15+」である以上に、その暴力表現、性表現に嫌悪感さえ抱く人がいてもおかしくない、激しい振り切り方である。監督は「ヒメアノ~ル」(2016)の吉田恵輔監督。
タイトルの"アイリーン"は、地方で42歳まで独身だったオトコが迎えたフィリピン人の若妻の名前。もちろん経済援助を前提とした国際お見合い婚である。嫁問題、後継者問題に直面する地方の農村が抱える現実を描いた新井英樹のマンガを原作としている。
予備知識なしに鑑賞すると、ぶったまげるかもしれないが、こんなにマンガ的でナンセンスな事象はありえない。その突き抜けた描写に否定的になるのはどうだろう。ある意味でこれはコメディ映画なのに・・・。笑って観るくらいの余裕がほしいものだ。
これは問題提起のための設定である。それを無視して、本作を断罪する人のほうがナンセンスである。
そしてもっとも重要なのは、この映画の登場人物は"性善説の人々"で、みんな心優しい人だということ。
普段は、両親や我が子、配偶者や兄弟・友人に愛をもって接することのできる人々が、時代変化についていけず、社会通念や誤解に追い込まれて、自己コントロールできなくなってしまう。
誰にでも起きるかもしれない窮地を、ありえないくらい大げさに表現している。だから卑猥な言葉も連呼するし、言葉足らずから生まれた誤解に苦しんでいる。
母や家族のために日本人に嫁ぐことを決意したアイリーンは、ホントは愛ある恋愛結婚をしたい。岩男(いわお)は、両親思いで、同僚の子持ち女に恋する純情な男性。そして度重なる流産の末にようやく授かった一人息子を愛しすぎる岩男の母。
また伊勢谷友介演じるヤクザの塩崎も、フィリピン人である母親との母子家庭に育ち、自分に似た境遇のハーフの置かれた現状をだれよりも理解している。
一瞬だけ、本気で愛し合う岩男とアイリーンの姿を捉えるシーンが、とてつもなく神々しい。
みんな、人の痛みのわかる人たちが愛ある行動に基づいているのに、なぜか暴力的になる。そして悲劇的な結末を迎えてしまう。こんな哀しい笑い話があるだろうか...。ほんとに素敵な映画だと思う。
(2018/9/15/TOHOシネマズシャンテ/ビスタ)
姥捨て山
なんだこの映画ーっっっ❗っていうのがまずの感想として(笑)
愛はあるのに、なんだか間違えちゃった人たちの物語だったような
元凶は母親(クソババァ)のような気がするなぁ…💧
木野花さん怪演でございました👏
岩男ーっ
愛はあったんだろうけど「○○←原語マンマ💦やらせろーっ」では、愛は伝わらんよぉ😅
実 写 版 地 獄
あの地獄みたいな漫画を実写化したら、そりゃ地獄みたいな映画となるに決まってます。
削られたシーン、足されたシーン、総合的に見て実写化度100%。2時間強の罰ゲーム。
何で俺はこんな汚いモノを見せられながら、泣きそうになっているんだろう…
ところで、実写化度100%は嘘です。
私が愛して止まない「ホモ」と「後日談」は完全にオミットされています。
いやホモは別にいいんだけど、何故に全ての憎悪が昇華された結果である、あの後日談を削ったのか?解せない。
例え蛇足でも、絶対あった方が良かったと思うよ。そう思わない?
美しく生きられなかった人達の話
ヒメアノ〜ル の監督の映画で しかも onちゃんことヤスケンが主演 というわけで鑑賞
とんでもねぇ映画だった
田舎の閉塞感を抱えながら生きていく中でもはや 性欲以外にさしたる喜びを得られなくなってしまった主人公、お金の為に人生をその男にあげる羽目になった(実際そうなのかは置いておいて、周りからはそう見られているし、自分もそう感じている)フィリピン人の少女、そして主人公を溺愛しこの世界で一番、誰よりも幸せにしなければ気が済まない母親 の3人を中心に話は進んでいく。
この3人、端的に言って一般常識の視点から見るともはや 歪んだ生き方 しか選択できなくなっている状態 の人間であり、しかも3人それぞれが人生に辛うじて見出している 生きる意味 みたいなものも全く異なっているので、とにかく何もかもがちぐはぐ
コミカルに描かれてはいるものの、世界というものが残酷に、冷淡に彼らを追い詰めていく様子は見ていてとにかく辛い
ただこの映画ではそんなボロボロで バラバラな 彼らの人生が一瞬混り合う瞬間をとにかく美しく 尊く 愛おしく描いていた それがとにかく感動的だった
おそらく劇中では 中盤とラストに その瞬間があったと思うのだけど、そのどちらも 美しくなんか生きられなくなってしまった彼らの人生が 悲しくそれでも 光り輝いていて心を鷲掴みにされる
特に途中の濡れ場シーン! あんな感動的でカタルシス全開な濡れ場見たことない 血みどろに薄汚れながら始めて結ばれる二人の姿がとにかく美しかった
しかもこの映画、怖いというか凄いのは安易に救いなど与えないところ 中盤以降性欲と恐怖に飲み込まれた果てに主人公が迎える最期は尊厳などかけらもない 惨めで 悲惨なものだった 主人公の死に方として映画史でも中々ないレベルで惨めだったと思う
でも、救いなどないと思えてしまうほど生きる事のままならなさを痛々しく突きつけてくるからこそ、あの時の彼らは美しかったのかもしれない
結果的にはこの映画は生きることの救いを間違いなく感じるお話だった
あと、ヤスケンの演技の重厚さはとにかく圧巻!
ドラマの重版出来の時も思ったけどヤスケンは単純な演技の質の高さだけでいうとチームナックス内でもダントツ というか日本でここまで心のうちから湧き上がってくるような演技をする役者は中々いないと思う
表情がとてもいい
原作は未読だけど、設定見る限り伊勢谷友介と河井青葉の役は元の漫画とはキャラ造形が少し違ったのではないだろうかという気がした 彼ら二人もやはり 歪んだ生き方しかできなくなってしまった という点で主人公たちと重なるように描かれてたと思う
しばらくは彼らのことを思い出して胸が キュッ となりそう
全然素敵な話じゃないのに、今年見た中で最も美しい瞬間のあった 素晴らしい映画だった
目の前の愛に優しくなれない男の悲劇
マイ・ベストテンの常連となった吉田恵輔監査の新作。やはり他の作品を押しのけて観てしまう。
人と交わることに不器用で結婚できない男が金でフィリピーナのアイリーンを嫁にする。出会いはどうであれ二人の愛がかたちになっていく。アイリーンからのキスに涙がでた。
しかし深すぎて歪んでしまった母親の愛情が二人の愛を蝕む。そしてロスト・イン・トランスレーション!
これは幸せになる術を知らない男の必然ともいえる悲劇。切ないエンディングだった。それでもアイリーンの人生は続く…
吉田恵輔監督の失敗作
「さんかく」「麦子さんと」の吉田恵輔監督作ということで大いに期待して鑑賞。
時間と金の無駄であった。
ただただ下品。
フィリピンをここまで見下していいものか。
不快極まる。
この作品に絶賛コメント出す著名人の気が知れない。
私ならいくら謝礼をもらおうが断固拒否する。
こんな作品に映画ファンの貴重な時間を浪費させたくない。
クソババアがよかった
嫁をフィリピンから買ってくる、という設定はひと昔前までの物語では珍しいものではないかもしれないが、そこに至るまで、と、もらってから以降がやはり独特な新井英樹マンガの世界。エキセントリックなキャラクターの背景がしっかり描きださせるので、あり得ないキャラクターがとても愛おしくなる。クソババアにはクソババアになる理屈があり、で。
安田顕はほんとしょうもなくいい顔してんな、と思いながら、やはり木野花が断然良かった。
分かり易さ=暴力
主演女優のピーナを観て、その作品名と相俟って気付いた。『この漫画、観たことある・・・』 それまで丸っきり思い出せなかったというかその題名すら失念していたのだが、確かに漫画の女の子とソックリである。主演の安田顕は似てるかどうかは今でも覚えていないが・・・。
平成最後の年にこの漫画を映画化した意義は大変重要である。この泥臭さ、そしてマグマのような熱量と、圧倒的な鬱屈感。相当のグラビティを表現したこのテーマは、観る者全てを地獄の底迄追い詰める内容である。
とりもなおさず、今作品のMVPは、木野花であろう。今までの全ての演技歴をここに投入したかのような気迫溢れる演技、本当に目を見張る、否、俳優魂を感じ取れた希有の女優であると改めて感服した。この人の魂無くして今作品の成立はあり得ないと心から思う。勿論、主演二人の演技、そして演出も秀逸なのだが、次元が違うレベルでの木野花の演技は他の追随を許さないステージだ。あの役を他の女優ができるか想像しても全く思いつかない。日本アカデミーでの本年度の助演女優賞は件の女優に差し出すべきだと本当に強く願う。
勿論、それ以外の本作品の全ての俳優の圧倒的な演技力の確かさに全く以て感動を覚えた。確かに原作そのものがあまりにも沸騰点に近い熱さにあるのがベースではあるが、それをきちんと昇華させているキャスト陣に改めて拍手を送りたい。
今作品、圧倒的に記憶に残る作品であることは間違いない。
真嶋琴美役の桜まゆみは、この怒濤の演出に別のスパイスで華を添えている。大変素敵な女優さんである。
クソババアと虫ケラとイワオサン
岩男を中心とした小さなエピソードを並べた、4コマ漫画集みたいな印象の映画だった。
親の強すぎる愛の圧を受けて変な方向へ流れてしまった中年男の大暴走ってところか。
田舎の閉塞感というより、田舎の狭い世界の中で拠り所を求めて激しくもがく大人たちの案外有り余るパワーを感じた。
でてくる人物が揃いも揃っておかしなヤツばかりで、話の展開やポイントもクセだらけ。
下ネタもバイオレンスも掛け合いの会話も独特だけど生々しくコミカルで、かなり笑えた。
下品な言葉を叫びまくり女を求める岩男の姿には流石に引いたけど。そんなにやりたいかね…
無邪気だけどきちんと人を見ているアイリーンがいちいち可愛い。
たどたどしい日本語とクソババア呼びが大好き。
岩男の母はだいぶヤバいし絶対自分の親にしたくないタイプだけど、見てる分には面白くて結構好き。
子供のことを思い過ぎる余りのいつまで経っても過保護が止まらない行動も、その過程を考えるとなかなか憎めない。
それがなければ岩男は今頃もう少しマシになっていたかもしれないとは思うけどね。
訛りが結構あるのとフルスロットルで話が進むので展開に付いていくのに必死になるけど楽しかった。
岩男のことを全て理解することは出来ないけど、アイリーンと少しずつ好きになり合っていく過程が好きだった。「おめぇ、綺麗だな」のシーンがお気に入り。
愛なんて無い方が楽なのか、愛があれば幸せなのか、愛をどう手に入れるのか、手に入れた愛をどう扱えばいいのか、何も分からなかった不器用すぎる岩男と共に考えたくなる、ちょっと変な映画だった。楽しかった。
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