「安田顕と木野花の怪演に痺れる」愛しのアイリーン 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
安田顕と木野花の怪演に痺れる
原作漫画は新井英樹(宮本から君への作者だ)
「ヒメアノ〜ル」「神様は見返りを求める」の
吉田恵輔監督の2019年作品。
満足度は高かったです。
内容は「日本の農村の少子高齢化問題」「嫁不足による外国人妻」
「後継者問題」「介護」と言った社会問題を題材にしているが、
ユーモラスで次々と問題が起こり大きな混乱に観客は投げ込まれる。
主人公の宍戸岩男、42歳。パチンコ店勤務。
同僚で岩男が好意を持っていた吉岡愛子(河合若葉)に振られたことから、
フィリピンの嫁探しツアーに応募して、アイリーンという名の19歳の娘を
嫁として日本に連れ帰る。
ところが300万円の経費を掛けて連れてきたアイリーンと岩男は
言葉の疎通にも事欠く。
コミュニケーションが上手くいかないのだ。
岩男の決断に荒れ狂う母親(木野花→一世一代の怪演)は、
猟銃を持ち出して2人を拒んで家に入れない。
母親の一人息子・岩男への執着も度を越している。
そして後半になると話が急旋回をする。フィリピン人斡旋ブローカーの
ヤクザ者・塩崎(伊勢谷友介)が絡んでくる。
悲劇が起こるのだ。
結婚できない高齢独身男性のヒリヒリする現実。
密接なようで頼り甲斐のない近隣の人々。
ラストは漫画の結末と変えてあると言う。
最後まで猛スピードで突っ走り、
映画の完成度は高い。
しかし久しぶりに観てみると、
フィリピンは成長して日本は衰退した経済事情などあり、
嫁取りツアーなるものが無くなっている。
国際結婚は更にアフリカ諸国などと多様化している。
時代は変わったが国際化は更に進んでいる。
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